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  アイ・アム・キューブリック!    

 

 映画館の数も減り、ミニシアターはずいぶんと厳しい状況。雑誌ぴあも最終号が出ちゃった(7/22/2011現在)。状況が変わりつつあるのは分かっていますけれど“寂しい”ことと“由々しきこと”は違う。映画はちゃんと作られ続けていて、なかなか探している人のもとにその“公開のお知らせ”が届かないだけ。「無常素描」なんて“犬も歩けば棒にあたる”ような偶然がなければ観ることもできなかった。

 

 さて暗いお話はこのくらいにして。確かに映画製作のネタ選びは難しいけれど、批評家の「そんなワケないじゃん」をかわすには“実話を基に”するのが一番。一見面倒臭そうだけど、資料は豊富で、金出す人たちへの説得力を持つ。よって多産されてきましたけれど、ドラマ系、社会派などは“実話”が多い。数が増えてくると傾向もバラけてきて、今回オススメする2本はまるでその傾向が違います。1本は典型的なニュースのもっと向こうを突っ込んだ「エンドゲーム」もう一本は恐らく主演のジョン・マルコヴィッチが出演を熱望したであろう「アイ・アム・キューブリック!」

(7/22/2011)

 

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  エンドゲーム

 

 玄人好みのキャスティングで、題材もある年齢に限定されてしまう問題を扱った、レンタル屋ストレートが宿命の1本。しかしオッサンにとっては興味津々の歴史の裏側を垣間見ることが出来ました。

 

 もちろんそれだけではないけれど、南アフリカを描く作品はどうしてもアパルトヘイトを避けて通れない。「パワー・オブ・ワン」から始めて、「遠い夜明け」「ワールドアパート」を経て「マンデラの名もなき看守」「インビクタス負けざる者たち」などを観てくると「第9地区」のような変種のSFなども理解できる。特に中心人物、ネルソン・マンデラ氏を扱った「マンデラの名もなき看守」と「インビクタス負けざる者たち」はある年代の人々にとっては喜ばしいニュースの裏側を観ることができる秀作。

 

 マンデラ氏のことに関してはドラマティックでもあるし、映画は描くけれど、背景の人種隔離政策が“どういう経緯で撤廃されたのか”に焦点を当てた作品は珍しい。「バンテージ・ポイント」の監督が手掛けたということなので、“仕掛け”があるのかと思いきや、ドキュメント・タッチのストレート勝負でした。冒頭は「第9地区」でも描かれた、隔離された居住地区から始まりますけれど、当時を再現している映像はなかなか。

 

 また主人公はマット・デイモンが演じたら確かに“売れ線”なんだけど、地味な感じのジョニー・リー・ミラーは「遠い夜明け」の時のケビン・クラインを思わせて悪くない。彼が演じるのは英国企業に勤める社員、更にANC(アフリカ民族会議)の代表者、大統領に意見する学者などが中心人物。それぞれキウェテル・イジョフォー、ウィリアム・ハートがハマッている。「ソルト」も良かったけれど、最近テレンス・ハワード(「ブレイブ・ワン」)を見かけないから、今後は誠実な男の役を独占しそうなキウェテル・イジョフォー。「愛は静けさの中に」の時は2枚目色男の代名詞だったウィリアム・ハート、「イエロー・ハンカチーフ」にしても「ロビン・フッド」にしてもコンスタントに変身を重ねています。ま、「バンテージ・ポイント」に続いての起用で力まず自然な感じ。もちろん「シャーロック・ホームズ」「キックアス」のマーク・ストロングがどういった役で出てくるかが楽しみでしたけれど、案の定“暗躍”していましたね。

 

 ドキュメント・タッチだけにネルソン・マンデラ氏を神格化することなく、時にはANC(アフリカ民族会議)が疑念を抱く場面などもあって緊張します。どれだけあの政策を撤廃させるのが困難だったかはぜひご覧になってご確認を。歴史の裏側のテクニカルな部分に光を当てたなかなかの未公開作。しかし未公開作といっても、正確にはレンタル屋ストレートではなくて一度テレビで放映されています。今後もっとこのケースは増えていくのかな?一連の秀作ドキュメントがこのケースだった。
オススメ★★★★☆

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一連の秀作ドキュメントとは 「フロウ〜水が大企業に独占される!〜」 
「ビン・ラディンを探せ! スパー・ロックがテロ最前線に突撃!」 
「ジーザス・キャンプ〜アメリカを動かすキリスト教原理主義〜」 
 です。

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アイ・アム・キューブリック!  アイ・アム・キューブリック

 

 「RED/レッド」などだと曲者芝居で大勢が納得、悪役(「コンエアー」「ザ・シークレット・サービス」)も文句なしですけれど、劇団出身だけに“入っちゃう”芝居をする時はやる気満々になるジョン・マルコヴィッチ「リバティーン」の舞台版では、ジョニー・デップの役だったそうですから。シャレ(「マルコヴィッチの穴」)も分かる演技派だけに、まだ“重厚な役”にはシフトしていかなそうな稀有な役者さん。好きな人はたまらない魅力のこの人が、映画史に燦然と輝く傑作を残し、人前には出てこないスタンリー・キューブリックを語る詐欺師を演じる、となれば見ないわけにはいかない。

 

 確かに劇場公開は厳しいかもしれませんけれど、レンタル屋ストレートならではの醍醐味です。「クヒオ大佐」よりも徹底してずる賢いゲイでアル中の詐欺師は、天下御免の名を名乗って人々を騙していきます。まぁ「2001年宇宙の旅」も「スパルタカス」も知らない人は少ないからウソつき放題。冒頭からもうやる気満々なのが良く分かります。手口も狡猾で用意周到、訴えられない相手に近づいて、ただ酒を飲み放題。更に精神病のフリまでするんだから。惨めな要素がこれでもかと詰まっているようなキャラクターは、役者にとっては美味し過ぎるのでしょう。「キリング・フィールド」とか「愛のめぐりあい」などとは完全に異色の役ながら、ぜひご覧になってご確認ください、本当に彼の独壇場でした。
オススメ★★★☆☆

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