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   アントニー・ジマー

 

 リメイク「ツーリスト」を知っている人の数は、オリジナルの「アントニー・ジマー」に比べれば多いかもしれません(ワシもその他大勢)。でもそれはスターの2人(ジョニー・デップアンジェリーナ・ジョリー)が出ているからでしょうか?予算が大きい合衆国映画だからでしょうか?ま、どちらも観客動員数を獲得するための要素ではあります。でも最も貢献しているのはもちろん媒体の露出頻度で、早い話が宣伝。当りゃあ勝ちの映画ですから、そんなことは当たり前です。

 

 ただもうじきそういった環境に変化が訪れるのは“音楽の世界”と同じく時間の問題になるかも。流行らせる機能の宣伝だって、効果が切れればそれでおしまい。もし宣伝に触れたことのない未見の人にとって、オリジナルとリメイクどちらを選んだ方が?となった場合・・・。元ネタとリメイクを隔てるものの1つは新旧です、でもレンタル屋の棚に時差はない。無造作に同じところに並べてあったりします。で、詳しい人に聞くとたいてい「オリジナルが良いに決まってるじゃん」とあっさり。でもホントのことを言うと、新しい方に手が伸びる・・・かどうかもまた人それぞれです。ただ並列に2作品同じような内容が置いてあった場合、選択基準として新旧が一番になるのは仕方ない。

 

 しかしけっこう製作年が近くなると“運命の分かれ道”。コレなどはまさにその典型で、オリジナルが2005年でリメイクが今年(2011)。何年も経っていれば「サブウェイ123激突」にしても「トゥルー・グリット」にしても、新作観る前にオリジナルいってもいいんですけれど、「オープン・ユア・アイズ」→「バニラ・スカイ」とか「マーサの幸せレシピ」「幸せのレシピ」とかは映画通の「ほらな、やっぱオリジナルが・・・」と言われそうな中身でした。国が違って良かった例は「ディパーテッド」でぜんぜん別物に見えたし、「シャル・ウィ・ダンス?」も双方楽しめた。

 

 さて「ツーリスト」を先に観て、本作「アントニー・ジマー」を見た場合はというと、なにせ“種明かしは一回きり”のサスペンスだけに肝心の“仕掛け”がミエミエなのに面白かった。こういった“並行観賞”が良いのか悪いのかは分かりませんけれど、新作のためのお勉強(旧作観賞)よりは楽しみ方の一つかも。だってパッケージ・ソフトがなくなって、映画がデータ・ベース化されれば“店に行って借りてきて”、ではなくリモコン1つで作品呼び出し放題です。よって、「昨日はオリジナル見たから、今日はリメイクね」などと言って、自分で観賞のプログラムを組めます。

 

 そこでお楽しみは“違い”の部分ですけれど、ジョニーの代わりにイヴァン・アタル、アンジェリーナの代わりにソフィー・マルソーが扮しているところに実はエキサイト。「哀しみのスパイ」が大好きなイヴァンはシャルロット(「恋愛睡眠のすすめ」)の亭主でさえなければ、申し分のないフランスを代表する俳優さんで、合衆国映画にも顔を出すし(「ラッシュ・アワー3」)、監督としても「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール」を撮っていて、「ニューヨーク、アイラブユー」の短編も悪くなかった。ソフィーはねぇ、「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ」以来ご無沙汰でしたけれど、怖い女になってしました。あの「ラ・ブーム」の丸顔が今や片鱗すら止めないけれど、年齢を重ねると痩せていくのはフランス女優の宿命なんでしょうか?

 

 ただこの2人の展開するドラマには生活感があって、「ツーリスト」の時は思い出さなかったけれど、列車の中で謎の美女が平凡な男を誘惑する部分は「恋人までの距離(ディスタンス)」みたいな感じがする。あちらでも車中の描写はキッチリしていて、恋愛劇にシフトしていっても良いのではというのが正直な感想。ま、合衆国映画はハデで、多くの人に分かりやすくする必要上、“笑いの要素”を持ち込んでいる。しかし“国が大人”のフランスはあくまでも、シリアスかつ無駄のない描写が続き、スリリングです。ジャック・メスリーヌ part1part2」などを見てもそうですが、警察の特殊部隊とか銃撃戦とか出てきても、仰々しさがないのがなんともいえない持ち味で、その辺がお好きな方ならオリジナルをオススメ。

 

 リメイク、オリジナル双方を楽しむ方法はもちろん人それぞれで、2作品を時差なくして観賞して、“どっちが勝ち”もアリ。でも国が違うと描き方、展開の仕方が違ってくるのが見えるのは、最も人材交流が活発な映画ならでは。「アレクサンドリア」「ミックマック」などは一度合衆国映画を撮った後に帰国して、単純な母国の映画になっていないのが魅力。ここらで我が国も世界に通用する傑作「七人の侍」を怖がらずにリメイク。“荒野”と“宇宙”やっちゃったから、“ネットの七人”などと言って、もちろんオタクのではなくてね。それにしても未公開はもったいないけれど、コレ売れちゃってたらあんなにヒットするかどうか・・・。この手のネタはイヤッてほど転がってるんだろうなぁ。   
(5/20/2011)
オススメ★★★★☆

 

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  恋は3,000マイルを越えて

 

 もうメラニ―・ロラン が出ていると言う下心のみで見たんだけれど、悪くない軽めの恋愛映画です。もちろん彼女のファンじゃなかったら分からないけれど、素敵でした。「オーケストラ!」「イングロリアス・バスターズ」も売れたし、注目度も上がってきた彼女の人気にあやかろうと、メーカーが無理矢理ほじくりかえしてきた、過去の恥ずかし映像が売りのアレ(ヌードとかね)ではありません。仕掛けは他愛ないもので、空港でカバンを取り違えたことで起こる“出会い”なんだけれど、どこか自然な描写が好印象。距離を隔てた二人は平行して描かれていくので、「ワンダーランド駅で」のような恋愛未満かと思いきや・・・、その辺はご覧になってご確認を。

 

 お目当てのメラニーは「幸せの1ページ」ジョディ・フォスターほどヤバくはありませんが、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」を愛読書にしていて、DVDレンタルは“山ほと”借りてきて独りで見ても平気な“人嫌い”。でも冒頭のこの部分でビビーンときちゃう、彼女に目が釘付けになってしまっているし。オマケとしてフランスのレンタル屋が出てくるのは興味深い。「ミックマック」はいかにも個人経営でしたけれど、アレより規模も大きく、ちゃんとしている(それにしても在庫数は半端じゃなかった)。

 

 「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」で日干しにされたジャスティン・バーサがメラニーのお相手なんですけれど、申し分なかった。いかにも平均的な感じがするし、お笑い部分を担っているけど“やり過ぎ”じゃなく、パリに溶け込んでいる。「パリより愛をこめて」ジョン・トラヴォルタとはエライ違いです。メラニ―・ロランの魅力を自然に引き出したレンタル屋ストレートとして良作です。
オススメ★★★☆☆

 

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