非主流なれどオイシイ邦画
賞とは縁がなくとも面白い
主流の作品も撮れるが、結局“らしさ”を貫いたまま逝ってしまった、森田芳光監督はどっちかっていうと非主流。日本映画を避けているわけではないけれど、結果としてアニメか北野武、荻上直子、是枝裕和の撮る日本映画をここ数年観ている。店の貸し出し状況が良好な作品と、媒体の露出頻度は正比例している。しかし２１世紀の今、見たいと思うテーマを扱っている作品は少ないような印象がある。ま、商売だから仕方ないけれど、あまりに酷似したパターンで売り込みしていると、長続きはしないと思うがどんなもんだろう。2回、3回は観たくなる「僕達急行 Ａ列車で行こう」は昨今貴重品。
（3/29/2012）
賞だけが面白い映画の絶対条件でないことは、へヴィ・ユーザーの方でしたらご承知のはず（もちろん参考になるんですけれど）。邦画の秀作を結構やってる、ミニシアターに行ってご覧になるのが一番ですけれど、“渋谷”やら“銀座”まで行くとなると・・・現実的には不可能の場合も多々ある。で、手近なレンタル屋で２,３枚借りてきて、週末ゆっくりご覧になるのは、悪くない過ごし方。
そこでなるべくゆっくり（ぼんやり）ご覧になれるオススメはというと、「かもめ食堂」と「めがね」 は文句なし。是枝裕和作品も「花よりもなほ」と「歩いても 歩いても」はイケます。特定の監督ばっかりしか観ないので、数は少ないですけれど・・・。参考までにどこかのレンタル店に、ビデオがあったらオススメなのが「木村家の人々」
非主流の(ハズの)日本映画(50音順)
アキレスと亀 UGLY アグリー 浅田家!
歩いても 歩いても ある船頭の話
痛くない死に方 いわさきちひろ〜27歳の旅立ち〜
海辺のリア 海よりもまだ深く オー・ルーシー！
顔 かもめ食堂 ガルム・ウォーズ
彼らが本気で編むときは、 川っぺりムコリッタ
奇跡 君たちはまだ長いトンネルの中 木村家の人々
京都太秦物語 恐竜の詩 空気人形
クヒオ大佐 恋は五・七・五 ココニイルコト
コトバのない冬
鮫肌男と桃尻女 JUNK HEARD 終末の探偵
少女は異世界で戦った Sweet
Rain 死神の精度
せかいのおきく そろばんずく
大事なことほど小声でささやく たまたま
ダンシング・チャップリン ディア・ドクター
茶の味 東京無国籍少女 ドライブ・マイ・カー
トイレット
ナイスの森 永い言い訳 長いお別れ
南極料理人 22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語
の・ようなもの
バカヤロー!/私、怒ってます 花よりもなほ
ハナレイ・ベイ 浜の朝日の嘘つきどもと 波紋
武士の家計簿 舟を編む 僕達急行 Ａ列車で行こう
山のあなた 徳市の恋 湯を沸かすほどの熱い愛
夜明けまでバス停で
ラストレター リトル・マエストラ Love Letter レンタネコ
オススメ非主流邦画
劇場で観なかった怠慢をつくづく後悔してしまう、とても面白い作品。料理の映画としても、単身赴任男の悲しくも愉快な映画とも、極限状態を冷静に描いた作品としても楽しめる。コメディでもあり、ヒューマンドラマでもあり・・・、さまざまな要素が詰まっているんだけどミニシアター系の上質な１本。昨年(2009年)から今年にかけて、出演作目白押しの堺雅人 「ココニイルコト」以来の代表作を手に入れました。
オススメ★★★★★
監督が今やヒット・メーカーの滝田洋二郎(「壬生義士伝」)で、脚本が超ブラックな笑いならこの人!という一色伸幸。この人でなしコンビは後に「僕らはみんな生きている」、や「お受験」、｢病院へ行こう｣などの作品を産み出しています。記念すべきタッグ第一弾(だと思いますたぶん)爆笑必至。あのナウシカまで笑いネタにしてしまう冒涜ぶりですから。
オススメ★★★☆☆
映画初主演の真中瞳に注目が集まってしまいましたが、共演の堺雅人も捨てがたい印象を残す佳作となっております。大阪の描き方もさりげなくて好感が持てるし、なにより病人役の堺雅人が明るく、真中瞳扮する主人公を励ましているから、ジメジメした感触はありません。セリフがなくとも“置き物”としての存在感を残した笑福亭鶴瓶もいいし、スガシカオの主題歌はこの作品にはなくてはならない名曲。
オススメ★★★★☆