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変化し続ける視聴環境の元で

   

 既に5年前には現実になっていたハズの恩恵でも驚いている私

 

 観客が忙しくなった21世紀の映画環境、その背景には激変する視聴環境が大きく関係していると思われます。ど田舎に住んでいるもので、昨今はAmazon.comで商品購入する機会が増えた。どれだけ中古販売店に通っても手に入らなかった本が、クリックするだけで家に届く。しかも営業時間を気にせず、早朝だろうと深夜だろうと・・・。レンタル店で四半世紀働いて、最後の方は来客数がどんどん落ち込んでいっているのを嘆きましたけれど、倉庫と店を合体させた巨大なシステムには手も足も出ないのが現実。

 

 よって英国から日本版の存在しない「エレクトリック・ドリーム」を取り寄せることもできるし、レンタルした「鉄腕バーディーDECODE:02」を見まくった挙句、その前の「鉄腕バーディー」も気になったのでまたまた購入、とキリがないくらいこの新しい消費行動の底なし沼にズブズブとハマっている。そしてゆくゆくは映像配信サービスが本格化したら、モニターを前にして次から次へと無限の映像コンテンツにアクセスして、囲まれてしまう世界が現出するんでしょう。

 

 もっとも進んでいる人はもうとっくかもしれない。ただしIT環境の先端で生きているわけではない私めにとっては、今のままでも驚き。ネット購入でそこら辺の店にない商品でも安価で入手できるし、焦らずのんびり作品を楽しめる。昨今はTVを見ないので、その性急な要求=“今、買っとかなくちゃ”に惑わされなくて済む。「蟲師続章」は放映が継続されているみたいだけど、リリースされたらじっくり拝みたいし、既に放送終了の「シドニアの騎士」も今年の10月までお楽しみが継続すると思えば文句なし。

 

 「鉄腕バーディー」は確かに「鉄腕バーディーDECODE:02」と比べれば古臭いかもしれないけど、並行観賞すると相互作用って言ったらよいのか、原作者ゆうきまさみの世界を深く堪能した気になる。「シドニアの騎士」に関しては「BLAME !」を先に眺めていて、無性に新海誠「ほしのこえ」が見たくなったり。もう5年くらい前からHDDに入っている大量の映像コンテンツを、リンクシアターを使って見ているのでもはや日常です。かように10年前とは明らかに違う視聴環境ながら、さっさとリリースされちゃう映画はいかがなものか?と思ってしまう今日この頃です。
(8/13/2014)

 

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  鉄腕バーディー DECODE:02

 

 DECODEでは千川つとむ君が中心になったエピソードが展開、最終話は次回予告の有田しおんが言ってる通り「エンドロールが涙で・・・」というくらいの感動作になっていた。パート2になるとバーディーを中心に据えて、作品世界は宇宙規模になっていく。最初のOVA版とDECODEとの並行観賞によってズブズブとバーディー・ワールドに浸りきってしまった。

 

 オッサンでも夢中になったのは、9.11も東日本大震災も物語に組み込まれているように感じる部分があったからだ。バーディーの故郷ではテロの後に差別が常態化している。DECODEで発動したリュンカが残した爪あとは、六本木ヒルズ周辺に廃墟となって現れている。9.11はともかく、2009年に放映されている本作が参考にしたのは阪神淡路大震災だろう。

 

 テロ後の移民差別に関しては「扉をたたく人」を思わせ、OVA版に欠けていたヴァイオリンのエピソードは、サイコダイブを絡めたお話としてよく出来ている(「インセプション」を参考までに)。そして最終話はタイムパラドックスものになっていて至れり尽せり。SFの要素だけでなく、“21世紀の今”をスパイスとして使えるのは日本漫画の特権。そしてその風呂敷を広げられるんだから、ゆうきまさみもさすがの才能か。

 

 てっきり「機動警察パトレイバー」がスケール的にも大きいと思っていたけど、後の作り手が、料理し放題のキャンバスを残した漫画家として認識を新たにしたりして。そして「宇宙戦艦ヤマト2199」も成功した出渕裕が関わっていることが、何より重要なんだね。脇役でさ、トカゲのおっさん=スケルツォと、車壊されちゃう兄貴と舎弟がお気に入りなんだけど若い人はスルーしちゃうかな?
オススメ★★★★☆

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  鉄腕バーディー

 

 ゆうきまさみの原作から派生して、いくつもパラレル・ワールドが展開するのはなにも「機動警察パトレイバー」だけではないんだなと感心してしまった。最初の原作に近い内容で、腑に落ちなかった部分は「鉄腕バーディーDECODE:02」で補完されるのがよろしいでしょう。監督はなんと川尻善昭で、「バンパイアハンターD」の人があのテイストを再現できるものかな?とも思った。

 

 結果として原作者と友人関係にある出渕裕が関わったことで、バーディー・ワールドの領域に踏みとどまっている。またキャラクター・デザインが高橋由美子で、この当時のOVAらしさでニヤニヤしてしまう。「機動戦士ガンダムUC episode 7 虹の彼方に」にオッサンが違和感を覚えずに済んだのもこの人のおかげ。懐かしささえ感じる画なんだけど、1996年って若い人には大昔だよな。

 

 レビもゴメスも出てくるけれど、氷川 省吾の企む陰謀がこのシリーズのキモ。DECODEでも宇宙人を利用するサタジット・シャマランが本当のワルで、18年で悪役のキャラクターは関東軍731部隊の生き残りから、巨大企業のCEOに様変わり。さすがに森村誠一の“悪魔の飽食”を覚えている人はいないもんね。でもアニメは好き勝手にやばいネタを拾える自由があるな。

 

 DECODE:02と比べればご近所の描写も多く、90年代のアニメを振り返る意味で見ると面白いかもしれない。バーディー役の声優は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の葛城ミサトこと三石琴乃で、大塚明夫であるとか、キートン山田とかオッサンのアニメ好きにとっては耳に懐かしかったりして。
オススメ★★★★☆

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  シドニアの騎士

 

 「BLAME !」を見る気にさせたのはAmazonから来た本作の広告DM。若い人の間ではとっくに話題の弐瓶勉なんでしょう、既に第二期の「シドニアの騎士 第九惑星戦役」がアナウンスされている。元アニメオタクのオッサンがニヤニヤしてしまうのは、既存の財産を盛り込んで、21世紀のテイストも活かし、原作者の色も出して汎用性のある娯楽作に仕上げているところ。

 

 既存の財産は「ほしのこえ」だったり、「マクロス・フロンティア」だったり。でも一番近いのは「メガゾーン23」という気にさせるんだよね。少年少女が宇宙をさすらうってのは「銀河漂流バイファム」もあったけど、「宇宙空母ギャラクティカ」が代表格か。ただロボットアニメの王道パターンを踏襲するのは、海外向けとしても重要。伝説のマシーンに主人公が登場して発進するシーンは、音響効果も素晴らしく絶品。

 

 期待を裏切らない既知の映像と並行して、21世紀のテイストはなんといっても出てくる少年少女が“光合成ができる人類”という設定。「とある魔術の禁書目録」と大差ない学園もののようで、草食系という設定をシャレで入れたんだろうか?1000年後ならホラ吹き放題だし、クローンとか強化人間は「機動戦士ガンダムUC episode 7 虹の彼方に」があるんだし、違和感なく受け入れられるでしょう。

 

 原作者の持ち味はぜひ「BLAME !」をオススメですけれど、彼の原風景は高層ビルが乱立する都市のもので興味深い。メカ戦はねぇ、“他の追随を許さない”と思わせる精緻にしてスピーディな動作が圧巻。確かに実写じゃあ「トランスフォーマー/ロストエイジ」に勝てないかもしれないけれど、どんどん冗長になるCGアメリカ映画よりTVアニメの枠=30分弱はエッジが効いていることになるし、パッケージソフトあるいは映像コンテンツとして海外に通用するでしょう。
オススメ★★★★☆

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