ジェームズ・ニュートン・ハワード
「メジャーリーグ」から観ていることになる売れっ子作曲家。担当した作品を同じ日に拝んだりして(「ボーン・レガシー」&「ハンガー・ゲーム」)。引く手あまたの人ながら、他のお気に入り作曲家のジェームズ・ホーナーとかマーク・アイシャムと違って、記憶に残っている旋律がまるでない。しかしそれは劇伴に徹している証拠で、お気に入りの作品は群を抜いている。「聖者の眠る街」と「デーヴ」はともに大好きだし、アホなヒーローもの「グリーン・ホーネット」を担当したかと思えば「アフター・アース」に至るまできっちり仕上げてしまう。てっきりTOTOの誰かと結婚したのかと思っていたロザンナ・アークエットが元妻とは。
(8/12/2013)
音楽担当作
ピーター・ジャクソンが筋金入りの映画青年だということが、物凄く良く分かるモンスター映画の金字塔リメイク。ジェシカ・ラングの方を子供の頃に見ていたけれど、こちらが圧倒的です。だってジャック・ブラックがマジ顔で主役だし、ナオミ・ワッツはただキャーキャー叫んでいるだけでなく、アクション俳優真っ青の大活躍ですもの。更に「キャッスル」のあいつかなと思った船長はトーマス・クレッチマンで、なんのことはない「戦場のピアニスト」再びで、エイドリアン・ブロディも出ている。おまけに貨物船に乗ってるジェイミー・ベルなんて、彼が声を担当する「タンタンの冒険」まで思い起こさせる(ピーター・ジャクソンは製作だったんだよな)。もっともスピルバーグ作品からピーターは頂いちゃっていて、恐竜ＶＳコングを展開。「ジュラシックパーク」では捕食となりますが、モンスター対決を実現。
CGの使い方は「ロード・オブ・ザ・リング」の人だけに技術も向上して、書割っぽさが解消されている。ただし物語がキチンとしていて、大恐慌の合衆国が舞台。人々は失業で明日の食料もままならない。世相は暗くとも映画に関係する人たちはいつまで経っても変わらないみたいで、金出す連中は女優のおっぱいのことしか気にしていない(「ウィズアウト・ユー」)。脚本家に憧れている女優という図式は、ついつい怪獣が派手になりがちなモンスターものをよく補正している。そのためのエイドリアン・ブロディだし、ナオミ・ワッツだし。「ガリバー旅行記」にも出ているジャック・ブラック、彼が挑んだ作品で最もスケールが大きいのでは?CGで再現不能の群衆が逃げ惑うシーンは圧巻。音楽担当のジェームズ・ニュートン・ハワードも元のスコア再現していたし。
オススメ★★★★☆