ジェフリー・ライト
この人の役回りというか、さかのぼって作品を見直したりすると、ローレンス・フィッシュバーンと印象が重なる。中年以降は信頼感の持てる役が多いけれど、若き日にガリガリで間を開けて見ると驚く。ローレンスが「ランブル・フィッシュ」でこの人は「バスキア」。実在の人物は若くして亡くなった画家から、マディ・ウォーターズやコリン・パウエルなどに変身。知名度はボンド氏に信頼されるCIAエージェントがあるから、広範囲だと思われる。「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」のこの人がイイんだよねぇ。
(1/5/2014)
出演作
モハメド・アリという人の実像はドキュメンタリーとフィクションがあって、やっと輪郭がつかめることを思い知らされるスポ根偉人伝。「モハメド・アリ かけがえのない日々」でこの人は饒舌で、マスコミすら利用できる頭のいい人だという印象があった。ワシにとって本作でさらに名前の由来、徴兵を拒否などの部分が補われることになる。マルコムXと親しく、イスラム教入信などは人物アリを知る上で欠かせない要素だ。デンゼル・ワシントンも似ていたけれど、マリオ・ヴァン・ピープルズも負けず劣らずマルコムxにそっくり。
豪華な出演者たちはそれぞれ見事に化けていて、ロン・シルヴァー(「ブルースチール」)はなんとか分かったけど、ジョン・ヴォイトは別人だったし、ジェイミー・フォックスも入魂の役作りですな。そんな中でジェフリー・ライトだけは端正に映っていたりして。撮影がなにせエマニュエル・ルベツキだから、完全に好みの画で釘付け。半生でありながら、2時間30分でも足りないんじゃ?というくらい、彼の生きた時代は激しく動いている。ボクサーの側面もキチンと描かなくちゃ意味がないので、ウィル・スミスも大胆に肉体改造で凄い。体重増だけではとてもアリにはなれません。
オススメ★★★★☆