キャメロン・ディアス
モデル出身ですから、スタイル抜群です(「バッド・ティーチャー」に至るまで健在です)。「マスク」にはモデルの雰囲気がありました。でももう20年近いキャリアは伊達じゃなく、声優もこなし、初期には過度にキャピキャピしていましたが、地味な役も男のスケベ目線が集中する美女も出来ます。人気を決定づけたシリーズも持っていますし、みんなの期待を裏切らないキャラクターもキチンと演じています。もっとも彼女のベストは「私の中のあなた」と決めております。店で彼女に夢中の男が「違う」と言うだろうが、これは譲らん。
(5/22/2013)
出演作
タイトルが示す通り悪い先生が主人公。キャメロン・ディアスは「ヤング≒アダルト」のシャーリーズ・セロンを意識してか、“サイテーの女”を力いっぱい演じております。「幸せの教室」でジュリアは無気力でしたが、授業はしていた。「スクール・オブ・ロック」だって少なくとも生徒に音楽は教えていた。ところがこの女=エリザベスは、授業なんてそっちのけ。身の回りにある全てのものを、自分のために利用する、自己中心の権化。ま、バブルの頃に女子大生だったアホ女の成れの果てで、内心ザマーみろ。ところが身近にいると実にはた迷惑です、本人気がついてないですから(「デューデート」だよ)。21世紀にいっぱいいる大人の典型、と言った方がより正確かもしれません。数が多いから目立たないしね。
中心にいるバカ女=エリザベスだけでなく、配置されている脇役にも模範的な人物がほとんど出てこない。「デンジャラス・マインド」でスナック菓子生徒に投げていたところが引っかかったけれど、あの先生は熱血でしたよ。自分のバイオリン持ち込んで、コツコツ生徒を教えて、カーネギーホールでコンサートしちゃった先生の話は素晴らしかった。でもコメディにしても実にお粗末な大人たちのオンパレード。金のことしか念頭にないエリザベスと似たりよったりで、生徒に目が向いてない。これはもちろん図らずも見えてくる部分なので、キャメロンの熱演でコメディとして成立しているけれど、現実を鋭く描くのはアダム・サンドラーの「ジャックとジル」もご同様。
エリザベスがのターゲット、お坊ちゃんに扮したジャスティン・ティンバーレイク(「人生の特等席」とは別人)はなんとダシ。「食べて、祈って、恋をして」が愛読書とは・・・。本命が「憧れのウェディング・ベル」も素晴らしかったジェイソン・シーゲル。「ザ・マペッツ」などでも主役で、伸びてくる可能性アリ。監督も名前でピンときますが、「シルバラード」が大好きなローレンス・カスダンの息子ジェイク。過度に批判していないだけに、生徒の目から見た合衆国教師の実態がコレなのかも。もちろん安全地帯だからこそで、飛ばされれば待ち受けるのは“この世のあの世”。アホ全開ながら、キャメロンのスタイルは健在で、ぜひご覧になってご確認を。
オススメ★★★☆☆
ディズニーを追い出されたアニメーターが、スピルバーグのドリーム・ワークスで復讐戦に挑んだ意欲作・・・、というお話はこの際ヨコに置いといて、面白かったですね。おなじみのキャラクターを徹底的に笑いのネタにもってくるところは抱腹絶倒です。ピノキオを売り飛ばしたり、白雪姫の七人の小人を連行したりとやりたい放題。しかし根底にはしっかりしたテーマ(大切なのは心)があります。それは声の出演をしているエディ・マーフィーが放送禁止用語を連発していないことでもよく分かります。ゆえに、といいますか、まさに大人にはうってつけ。大ヒットもうなずけます。
オススメ★★★★☆