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テーマ映画館と私

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  イエスタデイ
 
異世界モノの衣を着せて、
THE BEATLESをさらに若い人たちに伝える
「イエスタデイ」
ラブストーリーとしても極上で、
せっかくのホラなんだから
掟破りで感動させてもいいの。


イエスタデイ

関連テーマ  音楽映画  デートムービー


   
 
 台風19号の被害は徐々に明らかになっていくようだ。日曜日の「真実」は通勤路を確認するための外出だったけど、ひと安心できた。ところが、町内では介護施設の1つが土砂に埋まったりで肝を冷やすことになる。本作を上映しているTOHOシネマズ海老名にしても、たどり着くには小田急線が不可欠。出勤した14日の時点で不通区間(新松田→秦野)があり、復旧の予定は17日とされていた。ただし、懸念はアッサリ払しょくされ、15日には全線開通。見事なお仕事なんだけど、ニュースにならないから不思議。




 さて、「天気の子」で予告に接して以来楽しみだった。やはり音楽映画、それも身近なPOPミュージックはワクワクさせてくれる。jazzclassicは年代的に隔たりがあるしね。ただ、音楽を取り巻く環境は激変していて、認識の共有を刷新する効果が絶大なIT機器を日常で使用していると、瞬く間に“前はどうだったっけ?”というへき地に放り出されることになる。それはビートルズとて無縁ではなさそうで、20世紀に出現した彼らを、今までとは違った形で伝える側面を本作は持っている。


 天気の子 ビル・エヴァンス/タイム・リメンバード グリーンブック 劇場版 幼女戦記 Beatles eight days week  



 異世界モノは「劇場版 幼女戦記」くらいしか知らないけど、その手口をビートルズに使っちゃうとは作り手もなかなかの戦略家。監督のダニー・ボイルというより、「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK -The Touring Years」にも顔を出すリチャード・カーティスならではのアイディアでしょう。主人公以外はジョンやポールが産み出した、美しいメロディが発生する瞬間に立ち会うわけだ。観ているコチラはニヤニヤしてしまって、特に自らを踏み台にしているエド・シーラン、作曲合戦を挑んでいくトコは爆笑。


  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・



 ドンドン売れていって、アホらしい宣伝戦略会議に至るまで、音楽業界にありがちなシーンは「はじまりのうた」とか「ラブソングができるまで」などでおなじみ。強欲マネージャーはメガネのゴーストバスターズだったケイト・マッキノンでやりまくり。とは言っても、ファンに対するとっておきのシーンは泣けてくるでしょう。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」にも通じますが、フィクションの強みでOKだと思う。ぜひ、ご覧になってご確認を。「フィールド・オブ・ドリームス」を思い出しました。



 ビートルズ、音楽ネタをキッチリ楽しいものにした挙句、本作が贅沢なのはデートムービーとしても成立させているところ。軸はもちろんジャックとエリーの幼なじみ同士で、小ぢんまりしたイギリス映画ならではの展開。さすがは「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」のリチャード、「ノッティングヒルの恋人」とか、“男心をくすぐる”作品を手がけてきただけはある。また、エリーが先生だから、「ぼくのプレミアライフ」が一番近いと思うがどうか。そんなに広くない家は「ボヘミアン・ラプソディ」にも出てきたね。


 
 



 歌に関してはジャック役のヒメーシュ・パデル君がなくてはならないように、恋愛方面を引っ張っていったのはエリー役のリリー・ジェームズ。この人の作品は「ベイビー・ドライバー」とか「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を観てたけど、魅力全開で代表作になるでしょう。キャリー・マリガン(「17歳の肖像」)、デイジー・リドリー(「スターウォーズ/最後のジェダイ」)より私好みで、「マイビューティフルガーデン」のジェシカ・ブラウン・フィンドレイと甲乙つけがたい。80年代以降に生まれたこの人たちが映画の主役を担っているんですなぁ。


 



 無理やりコジつければ、異色SFとも言えるわけで、ビートルズがいなくなると、ローリングストーンズは健在なれどオアシスも消滅、コークもタバコもハリー・ポッターも・・・。ガジェットが出てこないからその印象は薄いけど、「もしも昨日が選べたら」「嘘から始まる恋と仕事の成功術」「主人公は僕だった」などが近いですかねぇ。でも、秒進分歩の今だからこそ伝えるべきモノの一つとして、ビートルズは価値を有していると思う。「この世界にビートルズを残してくれてありがとう」はファンからの言葉を先取りしているのか、自らそう称しても恥ずかしくない出来栄えでした。

現在(10/17/2019)公開中
オススメ★★★★★
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ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK



 Beatles eight days week   ビートルズが描かれている映画はいくつか観てきた。でも、時の経つのは早いもので「アクロス・ザ・ユニバース」とて11年前になる。「JIMI:栄光への軌跡」には本作で転換点とされているアルバムSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandを、本家を差し置いてジミ・ヘンドリックスが先に演奏するなんてシーンがあった。また、アレ以来聴きっ放しの竹内まりやの曲マージービートで唄わせてには「あなたがくれたのは ただの夢じゃなくて 世界中を巻き込むほどのセンセーション」という歌詞があり、本作で我々はそれを目の当たりにする。

  souvenir the movie ~Mariya Takeuchi Theater Live~ イエスタデイ

 作られた熱狂などというものではなく、まるでホラー映画を見ているような錯覚すら覚える、人々の狂騒は信じられない。あんなシンプルな楽器編成で、会場は絶叫の渦の中、メンバーもノリノリなんてのを越えて、激しいことこの上ない。監督のロン・ハワードがファンだったかは不明ながら、「イエスタデイ」の脚本担当リチャード・カーティスが出てきたりして。ドンピシャの有名人はウーピー・ゴールドバーグ(「ゴースト/ニューヨークの幻」)とシガーニー・ウィーバー(「レディ・ガイ」)で、この人たちのインタビューで、当時の女の子がどれだけ惚れこんでいたかは察しがつく。


 


 もちろん後のミュージシャンが決して敵わない現象だけを刻んでも意味がなく、彼らの音楽傾向も並行して描かれて勉強になった。コンサートツアーを止めて、前記した アルバムからスタジオ中心の活動という部分はネタ本にあった通りで、それでも名曲が次から次へと産み出されていた。「I am Sam アイ・アム・サム」サントラで起用されている曲の多くがそうだ。さらに興味深いのは彼らに起こったことは、多少の違いはあれどもYMOなどにも継承されていて、POPミュージックが辿るプロトタイプ。もっとも、後々残るメロディーを産み出せたか?に関しては明らかで、この人たちは天才だったのだ。
オススメ★★★★☆
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追記:時代が先に進んでいることを再確認


 若い人に尋ねても、ビートルズに関して反応は薄い。「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK -The Touring Years」を参照すれば、熱狂的だったのは1964年で、竹内まりやのマージービートで唄わせてでも確認できる。そもそも51歳の私にとっても、歴史の1ページに過ぎない。やはり「イエスタデイ」は彼らを後の世代に伝える機能も備えていたのだ。そして時は21世紀、今やヒット曲なんて言葉すら死語なのではないか?と思えるほど、音楽や映像の視聴環境は多様化、収拾のつかないことになっていて、めまいがするほどだ。


 Beatles eight days week イエスタデイ

 
 なにせ、Amazon musicで大貫妙子の“Pure Acoustic 2018”を流しながら、Fire TV Stickを使いYouTubeの“穏やかな海と夜明けの波の穏やかな音”をボンヤリ眺め、いつの間にかAlice Sara Ottが激しく奏でるBeethoven:Concerto ppour pianon゜3に入り込み、Take On Me をバシバシ決めるBrooklyn Duoがお気に入り登録。それぞれ映像が精緻でグイグイと魅せられてしまう。また、YouTubeは侮れなくて、カセットテープの店を紹介するMcGuffinカセットテープ、VHS、 雑誌のバックナンバーを販売するショップ“waltz”-Spottingという動画に感心。


 カセットテープを使って音楽を聴いていたのは、まさに私のような初老なんだけど、なんと新譜まである。動画の中で「注目されている」と店のオーナーは話すが嘘ではありません。働いている倉庫には新品のラジカセが在庫としてあり、何度か出荷されているのを目撃している。で、紹介されていたohblivはもちろんAmazon musicでも聴けるんだけど、この音は出力装置としてラジカセ、メディアはカセットテープをあえて選ぶように作られている。


  ジェミニマン


 どういう経緯かは思い出せないけど、「死の谷間」が見たくなってTSUTAYA蛍田店にて確保。下げられていた在庫を持ってきてもらったのは「JUST FOR KICKS/ジャスト・フォー・キックス」以来。その前に近くにあるBOOKOFF小田原蛍田店で、「ジェミニマン」の関連作に予定している「YASHA-夜叉-」の文庫版も購入。店内を見回すと、知らないタイトルばかりで浦島太郎状態。とは言っても両店舗ともに平日だからか、お客さんはまばら、4,5年前に覗いた時より寂しげに映る。

 そうこうするうちに、有楽町スバル座は閉館で、職場の人から「沼津のららぽーとに映画館ができたよ」などと言われている。もっとも、座席数は最大でも300に満たない。人口減少局面に入っているから当然なんだけど、こういう変化に寂しさを感じてしまうのですな。それは超大作にも言えて、「アベンジャーズ/エンドゲーム」は悪くはないけど、ひたすら長かった。リアル店舗、映画館、シリーズ超大作は衰退が顕著になり、ネット環境下では異常なくらいのスピードで変化が起こっている。といった辺りが現時点の認識です。
(10/24/2019)

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