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  劇場版 幼女戦記
 
ナチ称賛?の歴史修正問題作
「幼女戦記 劇場版」
新しさにひきつけられて、
エキサイトしている自分が怖い。

劇場版 幼女戦記

関連テーマ  劇場版アニメーション  戦争映画  原作とは?part2


 
 ここ数週間でニュースと言えば、“東日本大震災から8年”と“有楽町スバル座が2019年10月をもって閉館、53年の歴史に幕”。もちろん他にも、あることはあるのだけど、みんなが知る必要などあるのかな?せっかく多種多様な情報を摂取できるハズのインターネットを使って、個々人が欲している情報ではなく、マスメディアの流すものをそのまま口コミで広めたって仕方ないような。

 ま、「ROMA/ローマ」に関しては劇場スペックを活かせる映画だし、大勢が知るのはけっこうなことだ(「THE GUILTY/ギルティ」も認知度は上がりそう)。つくづく人々はどーでも良いネタに興じ、消費することで日々を生きるものなんだなぁと痛感。劇場公開作もなるべくどーでも良い媒体の、どうってことのない中身を持っていそうな作品が支持されるのだろう。敢えてどのニュース、どの作品など名前を挙げる必要もない、主要ニュースはほとんどそれらで埋まっている。  ROMA/ローマ THE GUILTY/ギルティ

幼女戦記  さて、発見した「幼女戦記」、もはやSFが廃れたのなら、コチラで虚構を楽しもう。現在遅ればせながら自作PCを勉強中で、YouTubeでその種の動画を見るか、コチラのTV版を繰り返し見ている。この状況は「ヨルムンガンド」「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」以来で6年ぶり。そして、とうとうレンタル屋で見つけるのではなく、配信で試してDVDを借りてくるという過程を経ることになった。  

運び屋  若い人には“何を今さら”と鼻で笑われるかもしれないが、ここ数年の変化はこうして記して残しておかないと、トシなもんで後でサッパリ忘れちゃうのです。東日本大震災にしても、人類が遭遇した最悪の人災=第二次世界大戦にしても、災難は忘れた頃にやって来る、備えておけば、少なくとも憂いはなくなります。それにしても先週の「運び屋」のジジイじゃないけど、説教臭くなってしまいますな。

 
 本作が他の異世界モノと比べて優れているのかは判然としませんが、抜群に“悪い意味で”面白いことは保証できます。観ていてスクリーンに釘付けになるし、アクションシーンは「GODZILLA 怪獣惑星」より迫力がある。「シドニアの騎士」以来TV放映されているアニメーションといえど、音響が凄まじい事を実感。これに関しても「スターウォーズ/最後のジェダイ」にも聴き劣りしないくらい。

       
 そして中身ですけれど、受け手の自尊心をくすぐる情報がタップリ込められている。きっと第二次世界大戦に詳しい方なら、ゲラゲラと笑うに違いない。DVDの6までで連合王国(紛れもなく英国)、共和国(フランスですな)をやっつけた帝国(もちろんドイツ)はその北の連邦(今はなきソビエト)から攻められることになる。「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史」はたいへん参考になったし、「スターリンの葬送狂騒曲」が笑いを倍加させた。
 
 GODZILLA 怪獣惑星
 


    連邦の主要人物、書記長は間違いなくスターリンで、秘密警察の長はロリコンの変態。アチラでは殺された挙句に、ガソリンかけられて焼かれ、灰になってたラヴレンチー・ベリヤだけに笑いが止まらない。ターニャ・デグレチャフは“コミー”とこき下ろし、「ピースメーカー」では「冬に雪を見つけられない連中」などと言われる連邦は、魔道大隊に首都を徹底的に破壊される。“やり過ぎちゃった”から帝国首脳は真っ青。彼らは保身の塊のビビりだけに、察することにかけては抜群の才能があるし。

 強いだけでは戦には勝てない、そもそもいつ終わらせるかも考えなければ、ひたすら消耗していくのが戦争(もちろん、やらないのが最善策)。ソビエトの恐ろしさは「スターリングラード」の冒頭などでも描かれますが、目を奪われる空中戦を展開しようとも、爆撃機を制しても、圧倒的な数で攻めてくる敵には抗しようがない。それにしても主人公たちが窮地に陥っている様を見て、“しゃーないな、だってお前らワルだもん”などと屈折した感情で眺めるとは。    

 
   「女神の見えざる手」に爽快さを感じるのと同様、まさにニヒリズムが蔓延しているのが今なのでしょう。「良心をもたない人たち」の中に“サイコパスは恐れをしらぬ優れた戦士、狙撃兵、暗殺者、特別工作員、自警団員、接近戦の名手になれる”とある。殺戮を勝った、勝ったと大騒ぎして帳消しにしようとする人間の社会が彼らを欲し、称賛し、宣伝がはびこらせる。本作に興じている時点で、そうとうヤバいことだけは肝に銘じておかないと。

 キャストのターニャ・デグレチャフ=悠木碧は当たり役ですな、「君の名は。」の“早耶ちん”くらいしか知らないけど熱演。「聲の形」で共演しているセレブリャコーフ役の早見沙織は「東のエデン」をよく覚えているけどもう10年が経っているのだ。オッサンだけに参謀本部トリオにニンマリ。レルゲン=三木眞一郎は「銀河英雄伝説 Die Neue These」のシェーンコップも良かったね。そしてルーデルドルフ=玄田哲章、ゼートゥーア=大塚芳忠は揃って「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち/第七章 新星篇」にも出てくるけど、「日常」が忘れられない。

           
 結末を見てみたいけど、ままならない現実を「荒川アンダーザブリッジ」「シドニアの騎士」で思い知らされたので、先は見えない。ただし、職場の若い人に聞いたら、9割の人が知っていて、遅れていない自分にホッとしたし、じわじわ人気が出てくるかもしれない。公開開始は先月なれど、上映してくれた小田原コロナシネマワールドに感謝。ま、今後どうなるかは嫌というほどある第二次世界大戦の映画を見ても良いし、冒頭から推察できる。おっと、登場人物中、最もまともなメアリーを忘れていた、ホントに危険ですね。組織体をコケにするファンタジーにインパクトのある今日この頃か。

現在(3/17/2019)公開中 なれど3/28までのようです。
オススメ★★★★★
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 東日本大震災から8年が経過している。震災から数年は描いた作品(「奇跡」「遺体 明日への十日間」「家路」)を観ていたし、関心は薄れていなかったと思う。ところが月日が経ち、トシを取り、介護の生活が常態化すると、JMMで配信されてくる“坪倉先生の放射線教室”に目を通す時間や、心的余裕もなくなってくる。つくづく薄情な自分を自覚しつつ、確かアミューあつぎ映画.comシネマでも上映されていた本作を見てみる。

         

 かわいそうな人々が映し出されることを期待するのは卑しい。自分がそんな目に遭った時のためのシュミレーション、などというのもただの言い訳。では観賞後に、どういう心境になったかというと、勇気づけられたんだよね。ココに映し出されている人々は、生き残った人々で、既に新しい世界の中で生活している。あの震災と原子力発電所の事故は日本人にとって大きな節目だった、と自分を説き伏せて日々を生きるのが正しいのかもしれない。   おだやかな革命








 もちろん冒頭に海岸が映し出されるから、「Ryuichi Sakamoto CODA」「日本と再生 光と風のギガワット作戦」といった作品を念頭においても良い。ただし、海では魚が採れるし、かつてボランティアで参加した人々も、主人公が経営する民泊にやってくる。ネガティヴな面ももちろん描かれるけど、人のタフさ、持っていて当然のポジティブな面が強調されている。


 監督は「いのちのコール ~ミセス インガを知っていますか~」にも出ていた榊英雄で、出演作の「あずみ」「ナイト・トーキョー・デイ」も観ていたけど思い出せない。裏方に徹しても文句なしの実力で、夏木マリが出ているせいか「Vision ヴィジョン」と比べてしまった。どちらも抑えた芝居で、本作がややTVドラマよりともいえる。もちろんそれは、より大勢に見てもらうためにも仕方のない話。


 つくづく日本の客は下手だなと思う。TVと同じ異常なまでの、分かりやすい大げさ芝居を求める。日々暮らしていて、表情が激変したり、声を荒げることがあるわけない。よって、嫌気がさした人たちは是枝裕和北野武荻上直子といった監督の方に。もちろんこれは余談で、ラストのさ「けっぱれ」と励まされているのは見ているコチラですよ。そうそう、今やスターといえば韓国の人になっちゃうんだね。
オススメ
★★★★☆
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