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テーマ映画館と私

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  主戦場(字幕版)
 
日本の没落に歯止めが効かないのは
決定的で愕然とする
「主戦場」
だから、アウェイの映画は嫌なんだ。
でも、勇気のある監督に感謝です、
日本を見捨てずにいてくれたんだから。

主戦場

関連テーマ  ドキュメンタリー  外国人が描いた日本 


 先週の「RBG 最強の85才」を観て、強い女性は颯爽としていてカッコ良いを再確認。と同時に、男たちは“真の強さ”を問われる時期に来ているのでは?という気になった。つまり、医療の発達、環境改善によって“男の子は弱いから、制度によって守られる”必要が今はない。よって、“そう決まっているから”とか“お約束だから”に安住していられず、女性と同じ土俵で生き抜いていかなければならない(「未来を花束にして」「ドリーム」)。これって恐ろしく辛いことなんだよね。

RBG 最強の85才

 なにせ私も含めて、既得権益に守られてきた弱い日本男児は、「銀河英雄伝説」で滅ぼされる、“特権によって腐敗した”門閥貴族と同類。本作は従軍慰安婦問題を扱っているから、「ザ・コーヴ」「韓半島」などのアウェイ感タップリ。先週は合衆国ネタだけに他人事だったけど、当事者なんだから知らん顔できない。理性で判っていても身体は正直で、前の晩から気乗りしてませんでした。次は観るけどさ、バカうるさい「ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ」宣伝のアホらしさに流される方が楽は楽。


     とは言ってもニュースと称される宣伝が政府広報になっている時代ですから、あつぎのえいがかんkikiまで赴いて、記憶に定着させ、事実と向き合う必要がある。基本的に新着の出来事は内田樹氏のTwitterを頼りにしていて、本作は復習とまとめになった。日本の植民地支配の実態を「密偵」で見ているわけだから、従軍慰安婦という制度は“あったに違いない”し、日本の歴史に吉原遊郭、赤線地帯は登場するし、売春行為そのものを許容する風土は誤魔化せない。もちろんヒットした「この世界の片隅に」でも描かれている。


 それにしても、平気な顔をしてインタビューに答える日本側の“そんなことはなかった”と強弁する人々は、「マネー・ショート/華麗なる大逆転」で自分たちがしている犯罪を認めるアホにソックリ。自らが間違っていないという無繆性と、TV視聴者が判断できるわけはないという経験則でしょう。それと、彼らの味方テキサス親父って人は「否定と肯定」に出てきたのと同類。また、自民党の杉田って議員は「日本と原発4年後」に出てきた、“男の理屈に従属して生きながらえた”スピーカーだ。ただし、この恥を知る機能のない人々は危険、ナチとて広報、宣伝を武器に人々を支配下に置き虐殺を行った


ゲッベルスと私

 彼らの特徴は“執着と人の弱みにつけ込む”に尽きるのでは?サイコパスを東アジアの文化圏が抑制してきたと「良心をもたない人たち」には記されていた。本作でも被害にあった人々には、儒教の教えによって、恥は黙して語らずの抑制が働いていたことは間違いない。朝鮮王朝にとどめを刺した大日本帝国軍上層部には“つけ込む”能力に長けた人々が、配されていたのでしょう。明治以後世界を知るにつけ、真似ていったことは間違いない。今でもそこら中にいるからね。


 気持ち悪いからTVは見ないし、TVっぽいことをペラペラしゃべる人は息が臭そうなので相手にしていない。すると、みるみる日本の没落が決定的になっていたわけだ。これは周辺諸国にとっては歓迎すべき事態で、あの支配層は結果的に日本を食い物にして、致命的なダメージを与えている。ホントだったら兵器などに頼らず、嫌いには違いないけど、日本抜きだと成り立たないナニか(テクノロジーでも法律でも何でもよい)で、一目置かれていないと・・・。


   本作は「国家主義の誘惑」同様に外部から日本を冷静に見る機能を十二分に発揮していて、いろいろ考えさせてくれた。「犬ヶ島」のウェス・アンダーソンだったら、日本人のスケベ根性まで描いてしまうかもしれないけど、ポルノ量産国と位置づけた部分がなかったのは幸い。もっとも焦点がズレるし、肝心なのは踏みにじられた人々は確実にいて、やった連中は理解できない(旧日本兵の貴重な証言でハッキリする)。地下鉄サリン事件の実行犯と同じで、歴史は繰り返す。   国家主義の誘惑


 日々のTVニュースは恥どころか、二重三重の犯罪を重ねている。事実を明らかにしろってさ、誘拐された上に性行為を強要された人たちによく投げつけられるよな。薄らバカで済む話じゃなくて、怒りを覚えるけど、それじゃあ根絶は不可能。償いなどは無理だし、反省の姿勢を示すなどをしてどうこうなるものじゃない。ナチの映画を絶やさないようにする真の強さを持った人類の仲間入りには、そうとうな覚悟がいる。原子爆弾のことをアメリカ人に判らせるには、アジアのことも背負っていかないと。勇気のある監督に感謝です、日本を見捨てずにいてくれたんだから。

現在(5/31/2019)公開中
オススメ★★★★☆
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カタストロフ・マニア
 
                 
   日本の支配層と中心にいる人々の没落は決定的なので、そうでない人々は生き延びる道を模索しなければならない。手掛かりになることが盛り込まれている近未来SFがコレ。たまたまブックオフで目に付いて買っただけだけど、震災以後に露になった事実を確認しつつ、仮想サバイバルとして楽しめる。派生して流れる世界、昨今は「幼女戦記」などが異世界と称して売り出しているわけですけれど、既に「5分後の世界」とてこのカテゴリー。作者の島田雅彦の作品は「未確認尾行物体」くらいしか読んだことがないけど、パニック映画のイメージが幾つか浮かんだ。

劇場版 幼女戦記


 日本全土が機能不全に陥るわけだから、「日本沈没」も参考になりますが、現在は「シン・ゴジラ」の最初に出てくる連中の水準。“ウィルスで街が空っぽになる”は派手なネタより地味な「コンテイジョン」などの方が近いかもしれない。福島の原子力発電所事故を教訓にせず自然エネルギーへの転換をしなかったこと、IT機器依存もアダになっていることも盛り込まれているから、「日本と再生/光と風のギガワット作戦」「不都合な真実2:放置された地球」も参考になるでしょう。

   主人公は若者だけにゲーム依存のニート。とはいってもミロクじゃなきゃ説得力ないよね。検体実験のアルバイトで、ウィルス抗体をたまたま持っちゃったは「MEMORIES」エピソード2“最臭兵器”そのもので、彼の出会う面々の中に、自分を投影するキャラクターは豊富だ。つまり今の日本が描かれているし、これから起こりうることにも説得力はある。「マトリックス リローデッド」でネオと対峙する支配AIが出てくるシーンがあるけど、先々のことじゃなくなりそうだ。


 私にとって人々がせっせとIT機器をイジっている様は、プラットフォーム企業のために働いている姿にしか映らない。Echo Inputに喋っている事柄も残らず記録され、膨大な量に達しているはず。そのうち人の弱みにつけ込み、地位に執着してきたエライ人々は反論どころか最善策など考えもせず、機械に唯々諾々と従うかもしれないし、専門家と称される人々は自らの迷路にハマり込んで、使い物にならなくなるかもしれない。いやいや、既に進行している事態なのかも。


 現在ド田舎暮らしなので、収奪者による金のピンハネ=税の徴収は避けられないけど、異常者が襲いかかってはこないし、暑さもなんとかしのげるレベル。直線的に「おだやかな革命」とか「はじまりへの旅」といった作品を目にしてしまうと、突飛なこととして片づけてしまうけど、この小説にはそこに至る道筋のひとつを示しているようだ。もちろん読む人によって無限のイメージが喚起されるけど、私にとってはものの見事にハマったパズルのピース。
オススメ
★★★★☆
アマゾン


  おだやかな革命
 




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