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テーマ映画館と私

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  さらば愛しきアウトロー
 
 年を取ろうが性懲りもない人は実在
「さらば愛しきアウトロー」
 ロバート・レッドフォードの達者ぶりに魅せられつつも、
実録犯罪者モノとして80年代は牧歌的。


さらば愛しきアウトロー

関連テーマ  シャンテ  原作とは?part2


 だんだん加齢臭が漂うサイトとなり果ててまいりました。とにかくシリーズは避けているし、メインの作品もパスしている(「天気の子」だけは別)。年配者が出演する作品に抵抗がなくなり、車いすの人が主人公だって日常の延長線上のように感じられる。で、前回なんですけれど、「ドント・ウォーリー」に関連して「人生の動かし方」を載せましたが、逆のことを「リミットレス」でやっている。無意識の成せる業なれど、ニヤリともしないんだよね。ニコール・キッドマンに関してもガス・ヴァン・サント、ニール・バーガーの両監督が起用しているけど、“見つけた!”と喜んだりしない。


長いお別れ ドント・ウォーリー


 気の毒なくらいの変化が起きているのはアッチ方面ですけれど、kino cinema横浜みなとみらいで腰を落ち着け、“ハリウッドの伝説 ロバート・レッドフォード俳優引退作!”と宣伝されている泥棒映画を楽しみましょう。とは言っても映画観賞という習慣に、陰りが見え始めておりますな。公開初日のハズなのに、客席はまばら。もしシャンテだったら?19:00スタートの回じゃなかったら?と不確定要素はあるものの、時の流れは容赦ない。ま、地下鉄構内とかビルの谷間の風景は、東京出身者の私にとって郷愁を満たしてくれるもの。


 

 
    
 古き良き時代とは死語に近い表現ながら、本作で描かれている1981年はなかなかに興味深いものがある。銀行強盗とて牧歌的だったというのは発見です。たいがい金をかっぱらう作品は、緊張感でピリピリしている。「ザ・タウン」とか「ヒート」とか「テイカーズ」などなど挙げればきりがない。近い時代の「サンダーボルト」なども、怖そうな印象。翻って明るい方面はもちろんルパン三世となりますが、コチラは実録だけに小道具は警察無線を傍受する機械のみ。

                 

 「オーシャンズ8」にしろ21世紀にかっぱらえる物は宝飾品など限られていて、人様の金を盗んでいるのは政治家と呼ばれている・・・。世知辛いからこの選択に至ったのかは判然としませんが、読み取れる情報にニヤニヤしてしまった。実にあっけなく犯罪は成就してしまいますが、まさに本作の持ち味。拳銃をチラつかせるだけでOKなのは「HANA-BI」にもあった。絶叫しながら人を撃ちまくるなんて、「野獣死すべし」じゃあるまいしと観ながらフムフムとなった。

 
 追いかける方の刑事さんですけれど、疲れ切ってる。ただし、職務に忠実でキチンと自らの頭脳と地道な調査で犯人の実像に迫っていく。「天国と地獄」と大差なく、ケイシー・アフレックは絶妙。「マンチェスター・バイ・ザ・シー」も素晴らしかったし、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」の時にはなかった厚みがあるような。“監督とも息が合っている”と評されるのかな?いくつか観てきたけど、未だにこの人の魅力はハッキリしない。「ザ・ブリザード」もあるし、「キラー・インサイド・ミー」もあるし。




 脇のキャストは地味に豪華で、ロバート扮するフォレスト・タッカー(「タッカー」を見ていただけにこの名前が観賞の決め手)の仕事仲間はダニー・グローヴァーとトム・ウェイツ。長年の腐れ縁というかなんというか。ダニーはパクる方が似合いそうだけど、トムは「ドラキュラ」「コーヒー&シガレッツ」など本業は歌手ながら、独特ないかがわしさが漂う。ヒロインのシシー・スペイセクに関しては完全に年代がズレておりますので、「ストレイト・ストーリー」くらいしか思い浮かばない。


 肝心の主人公ロバート・レッドフォードですけれど、ラストまでご覧になると本作と「運び屋」が対を成しているように感じられるかも。ただし、クリント・イーストウッドほど馴染みじゃなく、「スニーカーズ」以降しか知らなくて、監督作の「大いなる陰謀」「声をかくす人」は好きで、悪役が意外といった程度。ブラッド・ピットに似ているなどとホザくと映画通から怒られそうだけど、本音です(それも既に過去のことか?)。



     さすがに高齢の2人によるロマンスはピンとこなくて、出番はわずかながら娘役のエリザベス・モスに注目しちゃった。なにせ前夜に「ニュースの真相」を見ていて、すぐに思い当たったのだ。そういえば「ザ・スクエア 思いやりの聖域」でもジャーナリスト役だった。あと自分のサイトを1981年で探ると「アメリカン・ドリーマー/理想の代償」「ニューヨーク1997」が出てくる。ちなみにアカデミー賞「エクスカリバー」「レイダース/失われた聖櫃」「レッズ/REDS」など。


 私が中学生の頃ですから、今よりずっと時間の進み方は遅く、人々は追われるように生きていなかった。スターの引退作にして、高齢でもロマンスが展開可能、さらにいつまで経っても懲りない泥棒なんて人物に、説得力があるのはこの時代ならでは。札束が宙を舞うシーンも昨今はまずお目にかかれないし、警官に包囲されても生き延びられた(今だと「エンド・オブ・ウォッチ」になっちゃうからね)。人々の倫理観がどーのなんて考えることなく、ひたすらユルかった世界は楽しい。

現在(7/12/2019)公開中
オススメ★★★☆☆
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ニュースの真相
 
                 

    CBSの看板報道番組のアンカーマンを務めるダン・ラザーの名前は知っている。「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」でアフガニスタンのレポートをしている映像を見たことがある。とは言ってもその程度の知識しか持ち合わせがなく、アメリカ人にとってこの人物がどれほど重要かはまるで判らない。ただし、本作で伝わってくるのは、影響力のあるTVニュースを、権力側が徹底的に叩き潰した事実。本作を「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」「記者たち/衝撃と畏怖の真実」の中間に置くと、かの国における報道の実情が少しは明るくなるかもしれない。


ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 記者たち/衝撃と畏怖の真実


 現在はもっとデタラメな人物がTVを賑わしているけど、権力に屈したメディアだけに垂れ流し、ただのバラエティ番組になり下がった。じゃあネットはというと、そのまま模倣しているだけ。特にあげ足取りだけは旨くて、どんどん事の真相からは遠ざかっている。ラストの吊し上げ調査委員会で、ケイト・ブランシェットのセリフが最も適切に示している。「主旨が気に入らないと、今は皆そうやる」、「指摘し、わめき、スクラムを組んで事実を消し去る」、「異常なほど騒いで、すべてが終わった時には、主旨は何だったか思い出せない」ってね。TVだけでなく、主要サイトが気持ち悪い原因がココだ。


さらば愛しきアウトロー

 ため息とともにアンカーマンとプロデューサーは退き、もはやTVに報道などは存在しない。これは再確認ながら、「女神の見えざる手」「否定と肯定」などと共に現在を知る手掛かりとして今後はもっと重宝しそう。なお、主演のロバート・レッドフォード&ケイト・ブランシェットですけれど、こういう正義一直線が似合いつつも、懲りない輩も旨い。方や「さらば愛しきアウトロー」で方やギャンブル好きの「オスカーとルシンダ」
オススメ
★★★★☆

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