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テーマ映画館と私

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  フロントランナー ジェイソン・ライトマンは今を知る手がかりを一つくれた。
「フロントランナー」
誰が?ではなく、みんな堕ちている。
しかし、自分の腐敗を見つめなおす必要がある。
 

フロントランナー

関連テーマ  ジャーナリスト映画

 
   「タリーと私の秘密の時間」が去年の8月だから、けっこう短いスパンでジェイソン・ライトマン作品を拝めるのはありがたい。それも前回のように、わざわざららぽーと横浜まで足を運ぶことなく、近隣のTOHOシネマズ小田原でとなればなおさら。などと思っているのは私くらいで、予告では一切監督名には触れられていない。彼の知名度は低いんですかねぇ、アレの例があるくらいで、次回作の公開が不安になったりする。

 もっとも主演のヒュー・ジャックマン一人でお客さんは呼べるでしょう。職場の若い人が「グレイテスト・ショーンマン」は感動した、と話していたし。とは言っても、本作に合わせて私が見たのは「LOGAN/ローガン」、コチラも文句なしにオススメです、中年以上の方必見。思えばヒューに関して劇場で拝むのは「チャッピー」以来なんだよな、家では「PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~」の黒ひげに唖然としていたけど。

         
 今回はジェイソン作に欠かせないJ・K・シモンズも出ているし、「マイレージ、マイライフ」以来のヴェラ・ファーミガも出てくるしでキャストは厚めになっている。ただ、今までの感じとは違っていて、荻上直子「彼らが本気で編むときは。」っぽいというか、踏み込んだ内容。大統領最有力候補になったゲイリー・ハートの選挙キャンペーンを多角的に描いて、我々に素材を提供している。

 
 ジョージ・クルーニー「スーパー・チューズデー~正義を売った日~」で政治家が堕ちる瞬間を描いたけど、ジェイソンはソコだけに絞り込むのではなかった。ジャーナリスト、キャンペーンスタッフ、候補者の家族などを登場させ、多視点。さらにスキャンダルを好む、外側にいる我々をも意識させるように配置。いくつか見てきた政治ネタは良い予習になりました。  

 選挙キャンペーンを笑いと共に描いた「選挙の勝ち方教えます」とか、手段を選ばないロビイストが出てくる「女神の見えざる手」が参考になりますが、政治家なんてただの看板か操り人形。それを取材するジャーナリストは政治家に接近する必要があるから、ネタの公表に慎重になったりする。「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」がオススメで、なんと本作でアルフレッド・モリナが演じているのがベン・ブラッドリー、アチラではトム・ハンクスでした。

  
 アッチもそうだけど、ヒューの風貌がだんだんスコット・グレンクリント・イーストウッドに似てきているようでハタと思い出したのが「目撃」。原題が“ABSOLUTE POWER:究極の力”というくらいで、権力を握った人は危険。ルーズベルト大統領の実像を世間の人が知っていたら?遺された奥さんが必死で名声を保持したJFKだってヤバかったらしい。アル・ゴアは足を洗ってせいせいしているみたいだけど。

 TVの下品さもバッチリ描かれていて、世間様は恐怖のストーカー化。予想通りなんだけど、1988年の時点で既に我々はその“堕ちた世界”を生き始めていたのかもしれない。実際に資質を見極めるとかじゃなく、単純にマスメディアの露出頻度の高い人たちが権力の座に居座っているわけだから。マイケル・ムーアが虚しさを込めて「華氏119」、ロシアを甘く見てると痛い目に遭うぞとピーター・バーグ「マイル22」で描いた。
         マイル22
 3週間と時間を区切った描き方は「ヒトラーに屈しなかった国王」「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」と同じく、観客に考えてもらうための素材提供に徹した描き方。誰が悪いとか、ココを直せなどと悠長にしていられない事態は日々更新中で、今まさに堕ちている最中。もちろん危機感を抱かせるのが目的ではないでしょうが、ジェイソンは40代に突入しているし、色々見てきてそれを作品に込めたかったのかも。

 
 あえて中身をグレーに描いたジェイソン、画像も粗くて目が疲れない。TVを見て現実から目を背けていても惨めになっていくだけ。勝手な解釈ですが、政治家の役割とは何か?もちろん選んでいるんだから、我々とて責任は免れない。劇中「政治はスポーツのようになってしまった」という鋭いセリフがありますが、ひょっとすると我々は、政治家にアホらしい姿だけを望んでいるのかもしれないし、それこそ“政治の腐敗(byヤン・ウェンリー)”。自分の腐敗を見つめなおす、ヒステリックに「規則を強化しろ!~禁止!」などと喚かないでね。

現在(2/3/2019)公開中
オススメ★★★★☆
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関連作

LOGAN/ローガン

 アメコミ映画もこういう描き方だったら、オッサン大歓迎。と同時に自分にとって“終わっちゃってる”ことを確認してしまった。「ジャスティス・リーグ」「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」も家で見ているわけで、2016年の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」からはとんとご無沙汰。もちろん真知子ちゃんのように若い人なら、退屈するどころか忙しい日々を送れるでしょう(今月は「アクアマン」やってるし)。

                        シビルウォー  
 「X-MEN」のウルヴァリンが主演だから、アメコミと称されるかもしれないけど、中身はかなり濃い人間ドラマ。見方によっては三世代のロードムービー。ですから、「アバウト・レイ 16歳の決断」の要素も入っているし、最新医療が絡んでくるので「わたしを離さないで」にも負けてない。ま、その昔「ユニバーサル・ソルジャー」ってのがあったけど、遺伝情報まで“どうにかできる”ようになると、陰惨さは深刻になる。

    蜘蛛の巣を払う女
 主人公ウルヴァリンことローガンは年老いたプロフェッサーXを介護しつつ、まいた種の責任を取る旅をするハメに。ヒュー・ジャックマンもネタ的に近い「リアル・スティール」の頃に比べると、格段に老けて老眼鏡。車いすの老人にしては元気なパトリック・スチュワート、ピカード艦長は遠い昔なのですな。第一弾がなにせ17年も前だし、続編?も散漫にしか見ていないから、「蜘蛛の巣を払う女」同様に入り込めました。

 もちろんよれよれのオッサンと爺さんだけでは成立せず、新たな希望がローラ。ヒットガールもタジタジの残酷アクションを展開で、「アリータ:バトル・エンジェル」にも通じるのでは?演じているダフネ・キーンはアビゲイル・プレスリン(「私の中のあなた」)、クロエ・グレース・モレッツ(「モールス」)、幼い頃のジョディ・フォスターの面影がある。

         
 監督のジェームズ・マンゴールドは「ナイト&デイ」以来でしたけれど、「マッドマックス/サンダードーム」を再現したかったに違いない。西部劇も撮っているし、ドサ回りするミュージシャンも描いているしで海千山千ですな。ヒューとは「ニューヨークの恋人」で仕事をしているから気心も知れているのでしょう。

     ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ
 ローラを追いかけまわす連中は現実にいそうだし、もはやアメコミ映画に見えないから×5とは皮肉。振り返れば「スポーン」「ブレイド」なども観てはいましたが、「ダークナイト・ライジング」こそ終止符だった。もちろんこれは勝手な解釈に過ぎません。ひょっとすると「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「RED/レッド」「コンスタンティン」方面を思い出したように復活させるかもしれないけど。
オススメ
★★★★★
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