ここにテキスト
|
タリーと私の秘密の時間 |
×××部分クリックはご観賞後にお願いします、台無しになってしまいますから
ジェイソン・ライトマンの作品は前作が未公開となったため、劇場では「とらわれて夏」以来4年ぶりとなる。ネットのニュースで“役作りで20㎏増量したシャーリーズ・セロン
初めて「うつ」に”が目に留まったと思ったら、新聞の広告に本作が載っていたりする。慌ててallcinemaを眺めると、マッケンジー・ディヴィスが出ていて、「ブレードランナー2049」、「オデッセイ」を再見。NASA職員は印象的だったことを思い出す。
で、「否定と肯定」からご無沙汰のTOHOシネマズららぽーと横浜まで、遠路はるばるやって来ることになった。もちろんTOHOシネマズシャンテでも上映されていて、アチラの作品選択は未だ確かなのだなぁ、などと遠い目になったりして。今年はなにせ母親の入院やら、父親の介護手続きやら3月から現在に至るも“家の仕事”が完了していないだけに、なかなか遠出が難しい。しかしジェイソンの新作だけに、時間を作って21:30スタートのプレミア・スクリーンで拝む。
主演も脚本のディアブロ・コディも同じだし、作品のラインは「ヤング≒アダルト」に近いかもしれない。ごく身近な女性を通して、現代を描く物語。だけど、踏み込んでるよね、40代で出産するお話だし、主人公マーロの家庭は必ずしも円満とは言えない。夫は家庭のことにはあまりタッチせず、マーロは一人で子育て。2人の子供のうちジョナには問題があったりして手がかかる。毎日がクタクタとは、3人目の子を宿したお母さんたち全員に共通することなのでは? |
なんとか出産したものの、ジョナは放校されちゃうし、夫は寝る前にTVゲームしてるし・・・。それにしても出産を控えた世の女性を、しり込みさせそうな育児の過酷さを描くとは恐れ知らずです。ただし、相変わらず私めがこの人に張ったレッテル“さりげなく毒を含み、現代を軽やかに描く”は継続されていてニヤニヤ。もちろん物語の中心に据えられているのは家族。それは「サンキュー・スモーキング」から一貫している。 |
育児ストレスによる過食で太るとはありがちで、ここはシャーリーズの女優根性炸裂。男性のバージョン(「レイジング・ブル」、「ダンガル きっと、強くなる」)もありますが、特殊メイクの「愛しのローズマリー」も真っ青。帰宅後に「ワイルドスピード ICE
BREAK」でイメージ訂正などしたりして。ところがコチラは宣伝に用いられるテーマで、核心部分のカギはマッケンジー・ディヴィスが握っている。とは言っても、ホントにネタバレになりますので×で伏せます、くれぐれもご観賞後にクリックしてください。
手詰まりになった育児に突如現れた夜間ベビーシッターのタリー。タイトルがそうなんだから、スーパーヒーロー並みに万能。家の掃除から食事、おやつのカップケーキに至るまで奇跡的。でもこれって「××××・×××」、「×××××××」がやっていた枠組みで、過度のストレスは過食だけでなく、×××も生んでしまうとは説得力がある。また、このせせこましい21世紀への問いかけだと思う。
息子のジョナを配していることでも納得で、必ずしも現代に適応しているからといってまともなの?と言われている気がする。「Dearダニー
君へのうた」、「15時17分、パリ行き」でも描かれておりますが、子供は千差万別だし、鋳型にはめることが良いとは限らない。もちろん本作では批判しているのではなく、敢えて提示しているに留まります。でも、あのトイレのシーンはじんわり来るんだよね。
全世界が行き詰っているんだから、既に大人の40代とて無縁ではいられない。本作で監督のジェイソンが込めた毒は案外この辺にあるのでは。「マイレージ、マイライフ」などが思い起こされます。なお、旦那役のロン・リヴィングストンは私めと同じ年の50歳、「ラッキー」では手堅い弁護士で、コチラはTVゲームから卒業できていないとはチト情けない。
|
やはり10割ヒッターでいてくれたジェイソン・ライトマンに感無量で、もはや懐メロのシンディ・ローパーまで流してくれたりして。しかしただの家族の絆ドラマとして満点なのに、ラストにシャーリーズが主演だけに「アトミック・ブロンド」っぽい派手なシーンがあったり、「シェイプ・オブ・ウォーター」のパロディを狙ったのかな?のシーンがあったり、驚かされた。 現在(8/21/2018)公開中 オススメ★★★★★ |
ワイルド・スピード ICE BREAK |
|
第1作は17年前まで遡るシリーズ第8弾。まさか車泥棒と潜入刑事のお話が「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」以上に回を重ね、いつの間にかスパイ映画になっていたとは驚き。キャストは見ているだけでニヤニヤしてしまう人々で、アメコミ映画に引けを取らない。ヴィン・ディーゼルを囲むオッサン・アクションスターがドウェイン・ジョンソン(地味な「ギャングスターズ/明日へのタッチダウン」をどうぞ)とジェイソン・ステイサムというだけで豪華。 ジジイになりつつありますが、カート・ラッセルがその昔「ニューヨーク1997」とか「ゴースト・ハンターズ」といったB級に出ていたことを、知っていただきたいなぁ。ミシェル・ロドリゲスは「レディ・ガイ」がイチオシです。タイリース・ギブソンはさ、「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」と関連づけると車に縁があるよね。で、掛け合い漫才の相手がスコット・イーストウッドで、わざわざお父さんに似ている感じが笑える。 |
そしてヘレン・ミレンが出てくるでしょ、マジ映画(「黄金のアデーレ 名画の帰還」)も決まるけど、「RED/レッド」みたいなのもハマる。ヴィンとサシで話すとこあるじゃない、「リディック」でジュディ・デンチとも共演してるしプロデューサー権限フル活用かな?監督もよくぞ起用してくれましたのF・ゲイリー・グレイ。「完全なる報復」以来になりますが、かなり無理めのアクションだけど、きちんと仕上げている。
で、「タリーと私の秘密の時間」で太ったシャーリーズ・セロンのイメージ訂正のため見たんだけど、サイボーグ化していて唸る。ほとんど瞬きしないし、表情変えないし。悪役だから当然で、監督とは「ミニミニ大作戦」以来のお仕事か。中身ですけれど、ヤンキー映画最後の牙城といった感じで、つべこべ言わずにキャストに「アッ、出てる、笑える」などと言いながら楽しむに限ります。
オススメ