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英雄は嘘がお好き



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ザ・スクエア 思いやりの聖域(字幕版)  比類ない不快感に圧倒される
「ザ・スクエア 聖なる領域」
澄ました顔でやり過ごしているのは
あなたたちですよ、
と言われているから余計にムカムカ。
 

















  ザ・スクエア 思いやりの聖域  


観賞劇場 アミューあつぎ映画.comシネマ アミューあつぎ映画.comシネマ  


関連テーマ  アミューあつぎ映画.comシネマ  アカデミー賞  トランスフォーマー  


万引き家族  アホとしか言いようがありませんが、台風が接近しつつある日にアミューあつぎ映画.comシネマに向かっている。暑い日同様に全くお勧めできませんが、時間は限られておりましてやむなく。公開時の4月前後に宣伝は見ていた。2017年のカンヌ映画祭でパルムドールを獲得なのだそう。今年はもちろん「万引き家族」で、前説でも触れられていた。また、サイトを覗くと「はじまりへの旅」監督のマット・ロスもコメントを寄せている。
 それほど期待してはいませんでしたが、古い作品に飽き飽きしている評論家たちが飛びつく新しい作品。よってダメな方は敬遠されるかもしれません。気になったのは主人公が美術館のキュレーターというお仕事をしているトコ。私めにとっては新語で、“学芸員”と訳されると多少は理解できますが、やはり「レディ・プレーヤー1」の案内人が一番シックリします。  


 美術館のお仕事に関しては「パリ ルーヴル美術館の秘密」で垣間見たくらい。本作の主人公クリスティアンが扱っているのは現代美術なのだそう。“分かる人”限定品って感じなのはチラッと映る、砂利が盛られた小山の並んでいる作品で理解できる。では、芸術に値段をつけて分かったふりしている人を笑う品かというとそうでもない。チクリチクリと現代社会全般に批判の視線を向けていて、じっくり観ていれば笑えるけど、ムカムカするという珍品。


   社会的地位も金も美貌も何不自由ないクリスティアンと対置されているのが乞食の面々。ホームレスと違うのはホントの物乞いで、カード払いのクリスティアンは恵んでくれと言われる度に「小銭がない」と断る。また美術館の出し物がタイトルの“ザ・スクエア 思いやりの聖域”で、四角の中では「すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる」とは皮肉だ。
 もし監督がロバート・アルトマンだったら、もっと分かりやすいコメディ(「プレタポルテ」)に仕上げたかもしれない。あるいは悪意のデヴィッド・フィンチャーなら「ゴーン・ガール」みたいなサスペンスになったハズ。やはり「ぼくのエリ200歳の少女」「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」の国はチト違う。欧州モノで新鮮だった「君はひとりじゃない」「マジカル・ガール」にテイストが近いかも。
       
 ズバリ、観ていていちいち不快感をもよおすシーンが延々と続いて、イラン映画の「別離」とか「トスカーナの贋作」よりもっと先にイった感じとも言える。さりげないけど、携帯盗まれたら警察に届ければいいのに、GPS使って探そうとするんだからこの男は傲慢。部下に対してもやんわりパワー・ハラスメント(日本のエライ人は得意)。セコさは記者とナニしちゃった後で、コンドームの中身を自分で始末しようとする。ココは笑えて、美女はどこかジョディ・フォスター似なんだよな。


    トゥームレイダー   
   本作のテーマを垣間見せるのはフォーマルな宴会のシーンで、取り澄ました方々がぶっ飛ばせば済む猿パフォーマンスの男にやらせっ放し。グレイストーク卿をもっと猿寄りにしたパフォーマンスは「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」のテリー・ノタリーで迫真。また逃げ出す芸術家がドミニク・ウェストで、ララ・クロフトのお父さんやってたね。あそこにうつむいて座っている面々は我々そのもの。  
       

   化けの皮をわざわざ剥がさなくとも、よーく見ていれば我々の日常は異常なことで満ち溢れている。思いやりの聖域を宣伝するのに、YouTubeに過激な動画を投稿するとか本末転倒。よーく観ていないと???となりますが、“不快感を抱かせる”作品だと気がつくとギアチェンジできる。上映時間が151分と長いのも意図したことでしょう。まさかムカムカしっ放しなのに、帰る道々考えさせられるし、「あれって、こういう意味だったのかも」などど思ったり。  
     







 余白を残して考えさせる、記憶に残る作品としては昨今得難い。音楽もちゃんと耳に残って、ボビー・マクファーリンのImprovisaci1を買ってしまいましたよ。アルバムPlayが好きだったし、帰宅後にYouTubeでBobby McFerrin & Chick Corea - Spain - LIVE HDを見たり。なお、キュレーターに関しては「リュミエール!」の監督ティエリー・フレモーこそ該当する人物なのでは?まさか120年後に人々をワクワクさせるために発明した映画が、不快感を通じて記憶する代物になり果てているとはルイとオーギュストも予想できなかったでしょう。

現在(9/4/2018)公開中ですけれど、9/21までです。
オススメ★★★★☆
アマゾン
 




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     残像 アスファルト  
     
      
     
     
     
      






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  リュミエール!  


 月に何度も観に行っている映画とはなんなのか?原点に迫る重要なドキュメンタリー。やはりキュレーター=案内人は必要で、監督のティエリー・フレモーに感謝。そもそも最初から映画には演出があって、ルイとオーギュストのリュミエール兄弟が残した作品からシーンを摘まんでいけば良いわけですね。チャーリー・チャップリンアルフレッド・ヒッチコックからマーティン・スコセッシ、スティーヴン・スピルバーグ、ジャッキーさんに至るまで、血肉にしている。  
      
     
   まず監督に問われるのは構図を決めるコト。そしてお客さんをワクワクさせる演出。背いているような「ザ・スクエア 思いやりの聖域」とて、キッチリ脳裏に刻まれる画は決まっている。ワクワクさせる演出に関しては「レディ・プレーヤー1」までスピルバーグは抜きん出ている。ただ、悲しいかなフィルムが捨てられちゃう現実もあって、この種のドキュメンタリーは時間を置いて世に出る必要がある。  


       
   本作の後にYouTubeで4K映像の東京散歩などを見ると良く分かる。新しいテクノロジーによる“未だかつて見たこともない”映像に人は釘付けになる。しかし映画はそれだけでなく、付加価値をつけて観客をスクリーンに繋ぎ止めておかなければならない“出し物”。画が飛び出す(「アバター」)、椅子が動く(「ジュピター」「ザ・ウォーク」)、アレコレ試しているうちに、肝心の映像がおろそかにならないことを切望。少なくとも本作によって監督の才能はある程度判別できそう。
オススメ
★★★★☆
アマゾン
 

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