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英雄は嘘がお好き



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犬ヶ島 (字幕版)  新たな日本昔話の誕生
「犬ヶ島」
あそこまで見抜かれちゃってるとは恥ずかしい。
今のニュースとダブるとは…。
 

















  犬ヶ島  

観賞劇場 TOHOシネマズ小田原 TOHOシネマズ小田原  


関連テーマ  フォックス・サーチライト  外国人監督が描いた日本  アカデミー賞  


 ウェス・アンダーソンは「ムーンライズ・キングダム」で目覚めて、過去作品「天才マックスの世界」「ライフ・アクアティック」を見たりしたけど、日本通だとは判らなかった。ティム・バートン「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロに続き、風変わりな作品を手がける監督は、独特な国に注目するのかもしれない。なにせグローバル化は映画を退屈にしそうだし(「アトラクション 制圧」)。 シェイプ・オブ・ウォーター
       

   「沈黙 -サイレンス-」のマーティン・スコセッシにしても違和感のない日本を描けるのは、我が国に対してリスペクトがあるからなんでしょう。“映画史では、日本は最初から先進国”と柄谷行人氏も「村上龍対談集 存在の耐えがたきサルサで語っているわけで、当然「七人の侍」のテーマも鳴り響きます。「ヒッチコック/トリュフォー」にも出演のウェスだけに、映画の教養はしっかりしている。また元オタクですけれど、日本のアニメーションは既に手の届かないモノになっているだけに、ストップモーション・アニメ技法で描かれた本作は興味津々。  
       


 既に「ファンタスティック Mr.FOX」があるわけですけれど、豪華声優陣はアメコミ映画を圧倒する。加えてこの監督の作品には常連俳優が多くて、ビル・マーレイ(「ゴーストバスターズ」)、ジェフ・ゴールドブラム(「ザ・フライ」)、フランシス・マクドーモンド(「スリー・ビルボード」)、ティルダ・スウィントン(「ヘイル、シーザー!」)、F・マーレイ・エイフラハム(「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」)、エドワード・ノートンなどなど。  
    スリー・ビルボード    


   皆さんそれぞれ個性的なだけに、聞き分けられるんだよね。ピタッとはまったキャスティングは新規加入の面々もご同様で、スカーレット・ヨハンソンは一発で分かるし、リーヴ・シュレイバーの低音は「スポットライト 世紀のスクープ」を思い出させてくれる。そして活きのいい女子高生トレイシー役はグレタ・ガーウィグ。「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」「20センチュリー・ウーマン」に続いて監督作「レディ・バード」も今から楽しみ。
    ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命    


   渡辺謙(「追憶の森」)とハーヴェイ・カイテル(「スモーク」)なんてまず接点なさそうだけど、本作は実現させてしまう。それもこれも内容がまさに今の日本そのものだからね、皆さん意義ある作品だと思ったのでしょう。マスメディアが機能していない以上、我が国を知る手掛かりは極めて乏しい。「彼女の人生は間違いじゃない」とか「日本と原発 4年後」などを見ないことには。  
       
 「GODZILLA ゴジラ」の時も思ったけど、ダメなトコを探すより、自分たちが映し出された鏡として捉える方が有効な観賞法。確かに「47RONIN」みたいな感じもあるよ、でもウニ県メガ崎市にしたのは、国になった場合陛下を物語に組み込まなければならないから、この戦略は正しい。市長は明らかに日本権力者の典型で、ああも見抜かれちゃってるのかと唖然としてしまった。また勇気づけられる高校生たちだけど、モデルはモロにSEALDSですよ。








 主人公が犬というのも感動作方面とは真逆の仕掛けになっている。ペットの側面もあるけど、忠義を表すし、かつては犬将軍だっていたわけだし(「花よりもなほ」)。けっこうキワどいラインの設定だと思うけど、臆することなく描いてしまいましたね。「このまま沈みっぱなしでイイの?」と問われているのかもしれないし、「退屈なグローバル化に晒されつつも、独自路線を歩めるかもよ」と元気づけられているのかもしれない。ウェス・アンダーソンに感謝ですな。

現在(5/27/2018)公開中
オススメ★★★★☆
アマゾン
 



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  追記:今、日本を支えている人々  


   母親がくも膜下出血で入院、父親を介護施設にショート・ステイさせて3ヶ月が経過。母は治療が成功し、リハビリテーションの段階に進んでいる(6/7/2018現在)。日々帰宅を待っているわけですけれど、この期間、本当にいろいろなことを知り、学ぶ機会を得ました。ふだんページに載せている作品から、役立つ情報も得られますが、現在40代後半から50代の方にはぜひお伝えしたい。  

   ほんの20年くらいまでだったら、くも膜下出血の手術は頭部を切開する必要があった。ところが現在はカテーテルを用いて、症状の悪化を防ぐのだそう。なんと3DCGを使って説明され、コチラ側はただ肯くだけですけれど説得力がある。ただし最新医療技術の目指しているのは、完治というだけでなく、日常復帰なのだそう。主治医が仰るには「元の生活に戻れて初めて成功」なのだとか。  


   確かに完治したからといって、家に帰ってもそのまま生活することは難しい。同意書にサインするたびに「ああ、もう75歳なんだなぁ」と呟きましたが、高齢者がそれまでの生活を送るのは並大抵ではない。もちろん私や弟が常に付いているとなると、仕事を辞めなければならない。そこで、20年前だったら“お大事に”と送り出されたハズの時点は前半戦で、日常復帰が後半戦となる。  


   転院先はリハビリが専門で、廊下には患者さんもいるけど、屈強な肉体をしている人もいる。なるほど、ただの病院じゃないわけだと感心。そしてスタッフの人々の仕事ぶりを見て感銘を受けることになる。担当チームのリーダーは無駄なく的確に方針を設定。全員がその情報を共有、一部始終をこちらはポケッと口を開けて眺めていたわけですけれど、現在の日本でこれほど集中して、充実した仕事をしている人っていったい何人いるのか?  


   みなさん若くて、テキパキした動作、穏やかな表情はしていても凛としている。恐らく目標がハッキリしていることもあるけれど、合理的に進む仕事の中に喜びを見い出せるからではないかと推察。時間給の仕事ではまず無理な、欠くことのできない要素だ。もし彼らがいなかったら、私たち家族はとっくに希望を絶たれていた。これは本音で、本当に老人化が進行中の日本を支えている力だと思う。  

   なお、こういう恩恵を受けられるのはキチンと周囲と溶け込み、共同体に属することのできるまともな人。組織体で威張っている人などはまず無理。入院する際にちゃんと面接あるし。よって、TVに映っている人たちは気の毒に見えてきちゃうんだよな。どこぞの大統領とか断られるのは必至で、別に皮肉でもなんでもなくひたすら可哀想。
(6/7/2018)
 

























  

 










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