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    機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)

ある意味、反復・補完の物語にして文句なし。
販促も少し見直して、公開戦略は吉と出ている。
「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」
大人への怒りを封じることなどない
若者に希望を抱かせるガンダム健在。

     機動戦士ガンダムNT(ナラティブ) 

関連テーマ  劇場版アニメーション  既に手の届かないアニメ  シリーズ

 時に西暦2014年、「機動戦士ガンダムUC episode7 虹の彼方に」観賞後“これがガンダムの見納めなんだなぁ”と本気で思っていて、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」はスルーしたのに、けっきょく劇場まで足を運んだのは福井晴敏のせい。昨年から「宇宙戦艦ヤマト2202」を見ていて、コメンタリーを聞いて面白い人物だと思ったからかもしれないし、ガンダムに関しても精通しているのは間違いなさそう(キャスト被ってるんだよね)。

                              

 それにしても3本連続してTOHOシネマズ海老名に参りましたが、映画の日だし、公開初日だしで21:35開始の劇場は満杯。かつて中学生で卒業していなければならなかったアニメーションは51歳の私を含めて、そろそろ爺さんも楽しむ時代になってきた模様。つらつら思い返してみると、「シドニアの騎士 第九惑星戦役 THX上映会」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」「君の名は。」など劇場は違えど海老名だった。

 脚本担当の福井晴敏を信用できるのは、ガンダムの核(中心にあるもの)を分かっている人だということ。国産の「シン・ゴジラ」はもとより、アメリカ産の「GODZILLA/ゴジラ 」とてよく出来ていたのに、なぜアニメ版(12は観たけどね)がダメだったのか?“怪獣ゴジラとは核爆弾、原子力発電を象徴する”という切実な主題が、完全に欠けていたからに他ならない。単なる怪獣映画だったら、別なモンスターを想像すればよいだけ。

                                   

 で、ガンダムの核とは“戦争の陰惨さと犠牲になる子供たち”で、第一弾から一貫していて、今回もそう。いきなり“コロニー落とし”から始まるけど、世界で唯一の被爆国である日本が、繰り返し描いていくべきシーン。“人類は自らの行為に恐怖した”というナレーションはいつまで経っても忘れないし、第二次世界大戦を示している。また、爆心地の風景は「009:RE:CYBORG」「北斗の拳」とよく似ている。

   事前に察知した3人のおかげで逃げ延びた人がいるとは、「君の名は。」そのものですが、タイムトラベルを使ったのではなく、ニュータイプ能力が発動したから。まさにガンダムが追求してきたテーマで、観客はグイグイと作品世界に入っていく。もっとも世相を反映して悲しくなってしまうんですけれど、ヨナ、ミシェル、リタの取り合わせは「ハーモニー」を思い出させる。
 他の作品を想起させる部分だけでなく、自前の部分も掘り下げている。この反復は修正ではなく補完、あるいは21世紀に笑われないために必要。今回注目だったのは「機動戦士Zガンダム」で登場してきた強化人間。ララア・スン、フォウ・ムラサメ、マリーダ・クルスなど、改造する研究所が出てくることはなかった。ガンダム・ワールドの中で、主人公と相対する悲しい彼らの出自は肝心だし、なかなか抜け目がない。  
   もちろん並行してヤマトもやっている福井だけに、永遠の命に憑りつかれた人々も描かれる。長らくアニメを見てきて、つくづく感慨に耽ってしまいます。ヤマトもガンダムも「銀河鉄道999」も発生したのは1970年代の末で、当時の日本人は若く、精いっぱい生きればそれで十分だった。ところが科学技術の発達が寿命を延ばし、先へ先へと急がせる資本主義にドライブされてついに・・・。
 本作は戦争で犠牲にされるのではなく、性急な大人たちの無責任さに圧殺される子供たちを描き、大人に対する怒りと警戒を示したかったのかもしれない。今読んでいる「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」にも“本能は介添え人で、環境変化に適応するまで何千年とまでは言わないまでも、何百年もかかる”と記されている。得になるから、楽になるからと言って、強引に科学の力でねじ伏せるなど馬鹿げたことなのだ。  

 これは深読みに過ぎませんが、大人が分かった気になれるのも、ガンダムが長らく好かれてきた要素。メカ戦もプラモデル販促には役立つでしょう、ディジェが出てきたり、ユニコーンのカラーは白、黒、金色とはニヤリとしてしまう。ただし、「機動戦士ガンダム 0083」からだと思うけど、ガンダムが着込むデンドロビウムかな?何かの役に立つんですかねぇ、図体デカいからむしろ的になると思うけどいかがなものか。

 
   「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」も見ていてつくづく、旧作活性化のためのリードタイトルに見えてきてしまう。これはこのサイトを続けてきた副作用に過ぎませんが、映画はまさに資本主義そのものだから、その業からは逃れられないのかもしれない。特に大作はガチガチな環境下で作らなければならないしね。だったら「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」みたいな方面もアリなんじゃない?とは遅すぎるかな?
  コンパクトにまとまっている点で「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」が近いんだけど、もう30年も前。劇場でパッケージソフトを即売したのが2012年くらいで、現在ヤマトなどは配信が同日。このまま進むと、劇場の入りが減少どころか消滅しかねない。よって、まず映画館を優先するという選択は、存続のために正解。「souvenir the movie ~Mariya Takeuchi Theater Live~」を観に行った時、チラシもなくなっていたし、前売り券はほとんど完売だった。

現在(12/1/2018)公開中
オススメ★★★★☆
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その他の関連作

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屍者の帝国  攻殻機動隊  地獄の黙示録  マクロス・プラス

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関連作

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 まさか、またガンダムを見ることになるとは思わなかったけど、たまたま時間があって、チラッと見た途端にハマり込んだ。悪役誕生秘話だけに「スターウォーズ」Ⅰ、をまんま踏襲なんだけど、オッサン向けです。出てくるのはシャアと鬼畜一家=ザビ家だもんね。第一弾の神格化を吹き飛ばすかのように、ジオン・ズム・ダイクンなんてあっさり退場。シャアが最初に乗り込むモビルスーツがなんとガンタンクなどなど、シリアスなお話なのに笑える。

 キシリアがシャアに手錠をかけてのしかかるシーンは爆笑、後にバズーカで頭吹っ飛ばされるんだからね。善の部分なんて微塵もない一家はいずれ、父デギンを長男ギレンが謀殺、その兄を妹が射殺、末っ子なんてそうそうにハメられるし。ま、娘が後に「機動戦士ガンダムUC」で主役になるだけに、ドズルはコミカルな味つけがある。もっとも遂行する作戦はコロニー落としで、そのシーンは陰惨な戦争そのもの。

 ミノフスキー粒子の博士、アムロの父も登場するし、ガンキャノンはザクに太刀打ちできないし、黒い三連星も登場で旧ファンなら喜びそうな仕掛け満載。シャアとララァの出会いもなかなかだ。もっともホントに赤い彗星はワルそのもので、「クラッシャージョウ」の監督もやります。第一弾が曲がりなりにも少年アムロの成長物語として陽なのに、コチラは完全に陰。古き良きアニメの動きをしていても。
オススメ★★★★☆
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           クロスアンジュ 天使と竜の輪舞                  

 
 
  
 
 
 
  
    
 
 アニメ製作会社サンライズはガンダムを笑う「ケロロ軍曹」も作るけど、いち早く美少女ロボットアニメもやってしまっているわけだ。と感心するのももう遅い、TVで放映されていたのは2015年。いやはやオッサン驚きますよ、魔法もドラゴンもロボットも突っ込んで、次元の壁も飛び越えて、有名声優を取りそろえ、エロシーン満載。20年前だったら確実に大騒ぎになっていそうだけど、AVが溢れているご時世じゃフツーのことなのか。

 あくまでも推測ですけれど、主人公のアンジュ役が水樹奈々で、「RIDEBACK ライドバック」より格段に注目されて、視聴者の少年たちは予告も含めて楽しんでいたのでは?竹内まりや大好きのオッサンからすると、彼女の歌はユーロビート演歌にしか聴こえないけど、ヒットしそう。他に声優陣で判別できるのはアチラのコメンタリーにも登場する桑島法子で、まさか子供の声になるとは驚き。

 ハッキリ言って舞台となるミスルギ皇国は日本を表している。これは「精霊の守り人」の新ヨゴ皇国にも通じる使い方なんだけど、アンジュちゃんが「この国の人間はブタよ」とは激しい。妹が車いすという設定は「コードギアス 反逆のルルーシュ」みたいだし、もうアニメの世界では小うるさく突かれるの嫌だから、日本を描く場合、別次元とか、未来とか、過去とかにスライドさせてる。もっとも若い人たちにはミエミエなんだろうね。

 エンブリヲ君役の関俊彦は「とある魔術の禁書目録」とも被るけど、あの狡猾さはシャアを想起させる。「下の毛も金髪なんだね」は名ゼリフの宮野真守も島村ジョーになったり、ラインハルトになったりと大活躍。挙げればきりがないくらいアニメは増殖しておりますな。「サラマンデンデン」、「ダイコン騎士団」などは水樹奈々のアドリブか?と思わせるくらい彼女もスター。今、中学生だったら家から出ないな。
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         アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー                  


 
 
 
 
 
 
  
    
 
 アベンジャーズ御一行様の活躍は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でついていく体力の限界を感じ、観賞がストップしている。よって「スパイダーマン:ホームカミング」も「ブラックパンサー」も「マイティ・ソー バトルロイヤル」もパスした。 ところが本作冒頭はトンカチの神様の活躍観てなきゃダメじゃん、といったスタート。つまり、いきなりこれを劇場で観た場合、旧作を見る必要が生じる。

 「売り手の勝手な都合を押し付けるな」という人はファンの中にはいないし、ヒットしているから文句なんてかき消される。真知子ちゃんのような信者は着実に増えているんでしょう。昨今「フラッシュ・ゴードン」を見たから余計に、時代のスピードが上がっている気がします。もっとも家に帰って旧作見てくれるなら、リードタイトルとしての役目をキッチリ果たしていることになる。

 怠慢な観客としましては、2時間30分もある大作を家で3日に分けて読了ならぬ観了。配信が主流になりつつある今日この頃ならではの現象ですな。悪いけど物語を追うより、近いネタ探しを楽しみました。「バーフバリ 王の凱旋 完全版」「ラストサムライ」「ウォークラフト」「グリーン・ランタン」の合体技なのでは?また、劇中スパイダーマンことピーター・パーカー君が「エイリアン2」の小ネタをご披露してくれたりして。

 宇宙の支配を目論むサノスですけれど、石集めはそのまま「ロード・オブ・ザ・リング」にも通じますし、ヤマトも似たようなことやってるしで物語はガチガチ。駒が揃いすぎると各々の見せ場も狭くなる。退屈はしないけど、観賞後はクタクタ、己の老化を実感。ラストなんか「ブレイド2」みたいで呆気に取られてしまった。とは言っても旧作を摘まんでみる気になったし、アメコミ映画がかつての紙の漫画に近づいたんじゃない?
オススメ★★★★☆  
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