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    ナチュラルウーマン

 トランジェンダーを知り、愛が浮き彫りになる。
「ナチュラルウーマン」
フツーとは違っていることで被る出来事が散りばめられ、
差別が平気な人がいっぱいいることも描かれる。でも、まともな人だってちゃんといる。

       ナチュラルウーマン


関連テーマ  アミューあつぎ映画.comシネマ  シネスイッチ銀座 アカデミー賞
        インディペンデント・スピリット賞

 ずいぶん前に松浦理英子が書いた同名タイトルの小説があって、映画化も2度されている。もはやヘテロセクシュアルの同年代カップルで、恋愛映画は成立しないのか?と思わせる得難い1本。進化する時代に伴って、映画とて置き去りにされるわけにはいかない。テクノロジーが血眼になって先を急ぎ、医療技術もまたしかり。母親の入院に伴って学びましたが、命がかかっているだけに先を行っていて、無駄なく合理的。だから一番取り残されている印象を持つのは、TVに映っている人々。

 映画とは関係ないですけれど、昨今スーパーに並ぶワインにチリ産が増えている。あくまで好みなんですけれど、どうもご遠慮してしまう。カリフォルニア産を炭酸水で割って飲む、というやり方には合わないもので。で、本作の舞台になるチリですけれど、まるで予備知識ナシ。南米といっても広くて、ボリビア(「007/慰めの報酬」)、ブラジル(「トラッシュ!-この街が輝く日まで-」)が舞台になった作品をボチボチ見ている程度。

   彼らが本気で編むときは、

 ただし、言葉はスペイン語だけに「マジカル・ガール」を思い出した。もちろん劇場がアミューあつぎ映画.comシネマだからで、次週も「ロープ 戦場の生命線」が楽しみだ。さて、トランジェンダーとは聞き慣れない言葉なれど、既に「彼らが本気で編むときは、」が昨年あって、少しだけ理解が進んでいるつもりでいる。もっとも「プリシラ」「東京ゴッドファーザーズ」をゲラゲラ笑いながら見ていた自分は否定しない、「恋愛小説家」の主人公みたいな側面は認めます。

 観賞中は恋愛を描く場合、「シェイプ・オブ・ウォーター」にしろズレと差別がなければ説得力を持たないのか?という気になった。だって構図は「ある天文学者の恋文」に近いし。主人公のマリーナは現実的に起こるであろう差別と対峙していかなければならない。そういう仕掛けが全編に配されていて、この戦略には唸る。恋人のオルランドは突然倒れて、階段を転げ落ちたため身体のあちこちにアザや傷が残る。

  シェイプ・オブ・ウォーター

 かつぎ込んだ病院でマリーナはIDの提出を求められ、身体の傷を不審に思った警察にも尋問されてしまう。遺族も典型的なフツーの人たちで、弟を除いて元妻も息子も酷いけど、その辺にいくらでもいる。葬儀を軸にして人間を浮かび上がらせたのは「チチを撮りに」「湯を沸かすほどの熱い愛」「永い言い訳」「はじまりへの旅」「マンチェスター・バイ・ザ・シー」などで、作られる数が増しているのか、トシのせいで偏っていったのか。

 映画は娯楽だし、ホラには違いないですけれど、自分の日常とあまりにかけ離れていては眠たくなってしまう。マリーナを演じるダニエラ・ベガですけれど、もうやめてくれと言いたくなる恥ずかしめを受けながらも、生きていこうとする姿は魅せます。容姿がもっと女性っぽかったら作品に説得力はなく、まさにトランジェンダーとはこういう人を指すのかと妙に感心してしまった。

 本作の実力は単純に差別する側とそれを被る側という対立のみで成立していないのがミソ。だてにインディペンデント・スピリット賞アカデミー賞にノミネートされていないわけで、彼女の家族と職場の同僚は支えになっていると思う。ジャン=ピエール&リュックのダンデルヌ兄弟の「サンドラの週末」「午後8時の訪問者」などの雰囲気かな?音楽の先生も彼女のことを想っていて、シーモア先生のようだ。

         

 第二次大戦中とてちゃっかり他の人とは違う性を持つ女性はキッチリ管理職をしていた(「人生はシネマティック!」)。環境が変化すれば、生命はその道を探るとは「ジュラシック・パーク」でも描かれますが、昨今「メス化する自然―環境ホルモン汚染の恐怖」を読んでいて、進化するテクノロジー、悪化する環境に対応すべく人類はさっさと枠組みを変えていく必要に迫られるかもしれない。まずは無駄で非合理な差別なんかとっとと捨てちゃうに限る。
現在(5/21/2018)公開中ですが、6/1までです。
オススメ★★★★☆
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DMM.com


 


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