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ゲッベルスと私 |
観賞劇場 | アミューあつぎ映画.comシネマ |
関連テーマ | ドキュメンタリー 戦争映画 アミューあつぎ映画.comシネマ |
昨日ですね、悲報をネットで目にしてしまったのは。なんと、アミューあつぎ映画.comシネマが閉館なのだとか。惜しまれるどころではない、私にとっては死活問題で、弱った、困った。大袈裟かもしれないけど、情報を得るには、そして記憶に定着させるには映画館での観賞しかない。せっかく2016年に発見、年の初めから20本以上を拝んできたのに・・・。そういえば、「スターリンの葬送狂騒曲」観賞後、館主がエレベーターまで見送ってくれて、恐縮したけど、もう終わりだったからなのか。 | ||
あともう1回くらいは行けそうだけど、今後は都内まで出掛ける必要に迫られるのか・・・、は個人的で些細なことですけれど、本作は広範囲の人にとって必要とされるドキュメンタリー。なにせ“ナチスの悪名高き宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルスのもとで秘書の1人として働いた女性”のインタビューなのだそう。前回も触れましたけど、選挙があっても指導者の交代がないロシアと日本。これって独裁体制じゃないの?という素朴な疑問もあって、観賞。 |
「ラッキー」もたまたまでしたが、20年前だったら確実にパスしていた。予告でもハッキリしますが、若かったら、喋っているブルンヒルデ・ポムゼルを見て、劇場まで行こうとは思わない。さすがにトシは取るもので、ターシャ・テューダーだって抵抗なくなっちゃったし、実際にゲッベルスの間近にいた人物の証言は、幾つか観てきたナチ映画の検証にもなる。 | ||
ここまでしないと、「否定と肯定」に出てきたホロコースト否定論者などが、マスメディアを賑わしているご時世、アピールしないのかも(それだけヤバい)。「ヒトラー最期の12日間」も秘書の証言を元に描かれましたが、本作は当のご本人が語っている。とは言っても、ナチの具体的な作戦や軍事機密とかを話すのではない。まず自分の幼少から始めて、戦争に突入していくドイツ、放送局という発信源の様子など、コチラに伝わるよう淡々と語る。 |
確かに役者の一人芝居より退屈かもしれない。久しぶりに場内ではいびきも聞こえてきた。しかし時折挟まれる映像はプロパガンダだったり、米軍の教育映画だったり、軍事機密だったり。いろいろ考えさせられる。特に夢に出てきそうですけれど、骨と皮になった餓死体を埋めている映像は恐ろしい。「海は燃えている ~イタリア最南端の小さな島~」にも難民の死体が映っていますが、ことさらナレーションなどないから余計に応える。 | ||
ポムゼルさんの証言から読み取れることは多くて、ご覧になって確認していただくのが一番。私の場合は第一次大戦後のドイツに関して。厳しい躾は当然で、連帯責任を取らせることは日常だった、とは幼少期を思い出させる。戦争体験のあった中学校の先生や祖父母を思い返すと、近い雰囲気だったような。「今は自由だから好き勝手に言えるけど、当時はそんなことは無理だった」という彼女の証言を忘れてはならない。 | ||
「厳しく躾けられると、他人に責任をなすりつける」も重要で、今のTV視聴者が分かりやすい。では、戦争中のすべてが間違っていたか?「ホワイトハンター ブラックハート」に出てくる監督は、「オレは戦争中の方が良かった、みんなもっと毅然としていた」という聞き捨てならないセリフもある。また「神は存在しない、悪魔は存在する」は103歳の彼女がたどり着いた真理かもしれない。 |
だって、悪役のサンプルはいっぱいあるから役者さんは選びたい放題で、その逆はまず存在しないからマネしようがないでしょ?人間はないものねだり、勧善懲悪などありえないから、来る日も来る日もTVで・・・。宣伝に関しても大変お勉強になった。お給料は高く、特別手当は非課税だったとは生々しい。非道だ、許せんなどと追及した気になってスッキリするより、宣伝を疑ってかかる、警戒することの方が重要かもしれない。なにせ都市を魔窟に変えるんだから。 | ||
彼女がユダヤ人に関して知らなかったのも間違いないでしょう、友達を殺されたんだから。“アイヒマンなどただの役人”と言ったハンナ・アーレントは正しい、もっとナチの映画を観ていけば、より確信することになりそう。敢えて映画に登場した彼女は、人類に大きな糧を残してくれました。普段は紳士だったゲッベルスが、演説を始めた途端・・・。しかしその男が尽くした相手は画家崩れで、自分の子供を毒殺した挙句に自殺。 |
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平和に飽きてきたから戦争を始めるのではなく、売れなくなったマスメディアが収益上げるために打つキャンペーンに、いちいち付き合う義理はない。ま、老いてきているから、愚かな真似に熱狂なんてできないだろうから、多少は救われる。これからは静かに暮らしていけばよいだけ、もう派手な商業エリアとて、衰退を免れないだろうし。変化は今までと違うところで確実に起こっている。 現在(10/24/2018)公開中ですけれど、終わってしまいました。 オススメ★★★★☆ |
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日本と再生 光と風のギガワット作戦 |
マスメディアのニュースを無視するのではなく、警戒しつつ日々を生きる。起こっていることを知るには、自腹を切って情報を収集。ただし、「オリバー・ストーン オン プーチン」同様、考える材料の一つとして摂取する、という但し書き付き。完璧な理想像として、“これしかないのだ”と思い込むと、チョッとの失敗や停滞でつけ込まれてしまう。見終わった直後にネットには“ドイツで潰えたグリーン電力の夢”というニューズウィーク日本版の記事があった。 | ||
では、間違った方向に進んでいるのか?と問われれば否である。原子力発電のリスクは計り知れないことを、日本人は思い知らされた。マスメディアが焚きつけるのなら、中国がせっせと自然エネルギーにシフトしている姿でしょ。かの国が原発をゼロにできないのは、爆弾作れなくなっちゃうからで、原価無料の美味しい話を黙って見過ごすわけはない。 |
合衆国で実践している博士は戦争の機会をなくせると話す。石油をめぐって殺し合ってるわけだから、自分のところで賄ってしまえばよいわけ。「幸せの経済学」も参考になります、持続可能で地産地消はマスメディアに群がっている人々が、干されちゃうから嫌うキー・ワード。TVを見るヒマあったら、この手のドキュメンタリーの方が前向きになれそうだけど。 |
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そうそう、「おだやかな革命」に出てきた人もいたね。坂本龍一がテーマ曲を提供するのも納得で、日本人にとっての課題は沖縄とコチラなのだ。もちろん、エネルギーは人類が背負う罪だよ。でっかい風車は「とある魔術の禁書目録」にも出てくるけど、山の中だと美観を損なう。でも、100,000年も汚しっ放しでは地球に申し訳ない。ベターな方、つまりはマシなやり方にシフトしていくのが健全。美味い汁を吸おうとしないで、ちょっと立ち止まって考えるには好材料。 オススメ★★★★☆ |
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