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夜は短し歩けよ乙女 |
観賞劇場 | TOHOシネマズ小田原 |
関連テーマ | 劇場版アニメーション 現時点34 |
本作の監督、天才と称される湯浅政明の名前を知らずに10年くらいは経過していると思う。90年代ならまだ“分かった気になれた”けど、もはや「東のエデン」登場の段階で、アニメーションから遠ざかっていたのだ。ゼロ年代になって登場したのは「ほしのこえ」の新海誠だけでない、才能はいくらでも出ていたのです。ただ予習で見た彼の過去作品がイマイチだったので、“知らなかったコト”になるはずだった。 | ||
運が良いのか悪いのか、今TOHOシネマズ1ヶ月無料パスあるし、2年分の有給休暇を現在消化中なので、ほんの軽い気持ちで眺めてみた。なーんにも期待しないでスクリーンに臨んだなんて何年ぶりか。実に楽しい時間を過ごし、帰宅後「四畳半神話大系」を見ているという有様。「ナイスの森」が参考になりますが、庵野秀明だってこの手のモノは作れると思う。 |
観ていて楽しかったのは本作の自由度です。CGの精度を上げていくだけがアニメーションを面白くするわけではない。もちろん現段階で多くの人が期待しているのは「君の名は。」方面で、この公開のタイミングは勇気がいると思う。未だ新海誠の傑作は上映中で、「こんなことなら、アッチにしておけば良かった」と言われかねない。ところが画のタッチは昨今珍しい「サザエさん」ぽくて、目に優しいのだ。 |
萌え系の美少女は出てこないし、メカも出てこず、ひたすら昭和の香り漂うネタ満載でニヤニヤする。年代に開きがありますけれどご参考までに「秋刀魚の味」、「それから」などは若い人にオススメ。赤玉ワインなんて20代ならすぐにスマートフォンで調べかねない。飲み会もさ、あんな光景が21世紀の今となっては歴史の1ページで、古本市にいたっては今でもあるのか心もとない。といった具合にこの“古臭さ”に抵抗のない年代、40代以上推奨作品として、大人の皆さんにオススメできます。 |
強引に関連づけるのもナニですけれど、大友克洋の手がけてきた「MEMORIES」、「SHORT PEACE」とかアニメ史には登場してくる。どちらが主流かではなく、普遍性を追求しなければならない宮崎駿作品、「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」、「機動戦士ガンダムUC episode 7 虹の彼方に」に対置するといったところかな?「ハーモニー」も描写は自由で良かったと思うけど。 |
「パプリカ」の今敏が生きていたら、この方向を試行していたかも。「東京ゴッドファーザーズ」は“TV映りの悪い人々”が大冒険だったし、連作として成立する「妄想代理人」も深夜帯で放映するしかない作品。もはやTVの放映枠などという概念が古く、とっくに注目されていた湯浅政明。インターネット経由で情報を得ている“先見の明”がある女性の方が劇場では多かったし、トシは取りたくないものです。 |
先輩が惚れるんだから、黒髪の乙女は魅力的でたまらなかった。必殺技=おともだちパンチを持ち、詭弁部の踊りで笑わせ、酒豪ぶりに唖然、だるまの着ぐるみがキュート。演じているのが花澤香菜で、「言の葉の庭」では主人公でしたね。次は「BLAME!」、「GODZILLA 怪獣惑星」と続いていく。声優さんに注目したことはないけど、アルバム出しているし、世の中変わったものだ。 |
ほとんど全員クセ者キャラクターで、各エピソードになくてはならない。舞台が京都という点も見逃せず、「舞妓はレディ」方面とは違った魅力は新鮮。ぜひご覧になってご確認を。あえてクドクド触れても台無しにしてしまいます。私めとて画の感じがチョッとアレでしたが、新しい体験になることは請け合い。監督のファンには今さらながら、昨今の日本アニメーションが忘れている自由度はなにより得難い。 現在(4/14/2017)公開中 オススメ★★★★☆ |
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その他の関連作 |
関連作 |
四畳半神話大系 |
私めのケースですけれど、1話でパスしてしまったのが大失敗。ハマり込むには「夜は短し歩けよ乙女」で監督の才能にノックアウトされる必要があった。TVを避けて生きていると、損することもある。で、ぜひ違和感があろうと第2話までご覧ください、本作の魅力はそこからジワジワとやってきます。本作では大学のサークルを笑い飛ばしていて痛快。 | ||
貧乏アパートが舞台だと、「めぞん一刻」、「ハチミツとクローバー」など“いたいけな主人公”の周りに変人が配されている。しかし本作はそれらを凌駕、人間離れした小津やら樋口師匠とか。それにこの主人公は「うる星やつら2」のメガネなど足元にも及ばないへ理屈屋。そんな濃い面々の中にあって、キッパリした明石さんがいなければ成立しないのはアチラとご同様。 | ||
明石さんを演じているのが坂本真綾で、同時期に「荒川アンダーザブリッジ」をやっている。主題歌担当はアチラと同じでASIAN KUNG-FU
GENERATIONながら、エンディングテーマはやくしまるえつこ&砂原良徳。7年遅れで“しまった”なんですけれど、見始めたら美味しい酒の肴になっている。焦ることはありません、レンタルでも配信でもお手軽価格。 オススメ★★★★☆ |