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0円キッチン

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 “パート2を望む初めてのドキュメンタリー。一貫して楽しい、ニコニコしながら旅するダーヴィト・グロスは我々の宝。いちいちウンウンと納得、冷蔵庫の食材なんか特に”

 別段ロードムービー好きってわけではありませんが、本日は「はじまりへの旅」から続いております。もっともテーマは「TOMORROW パーマネントライフを探して」から継続しておりまして、息も絶え絶えの資本主義以後、“どうやって生き延びていくか”のヒントを得られるハズ。よって橋本から移動して、アミューあつぎ映画.comシネマまでやってまいりました。

はじまりへの旅TOMORROW パーマネントライフを探して
 

 食のドキュメンタリーは「フード・インク」でゲンナリしたのが2011年、「未来の食卓」「ファースト・フード・ネイション」なども警鐘を鳴らす作品として見ておいて損はないと思います。しかし資本主義が行き着くところまで来ちゃったグローバルな世界。「ありあまるごちそう」には長いこと海と生きてきた漁師さんの知恵まで、企業がデータ化しようと躍起になっている様が映っている。

 行き詰まっていることは「サバイビング・プログレス/進歩の罠」「幸せの経済学」を見ると明らかで、たぶんこの現状認識は間違っていないと思う。で、“何か行動を起こすだけの若さ”を持ち合わせていない私めなどは、“どーしてくれるんだよ”と憤るだけなんですけれど、行動力のある若者は確実に存在する。“全世界を巻き込んだ変革を訴える”などという風情が微塵もないダーヴィト・グロスこそ我々の宝。

 警鐘を鳴らすドキュメンタリーだったら、“世界で生産される3分の1の食料は破棄される”という事実が分かった段階で、責任追及に走る。国家に違いない、大企業の営為だ許せないってな感じ。ところがコレって長続きしない、日本はまさにその典型で、敢えて申し上げる必要もありませんね。ところがニコニコの笑顔を絶やさないダーヴィトは、人々を自然に集わせてしまう。

 ゴミ漁りも慣れたもので、パッとWIREDの“ザ・ダンプスター・ダイヴァー ゴミ漁りの哲人マット・マローンの文明論”という記事が思い浮かんだ。もはや“人は価値に大した価値を置いていない”んだとか。この辺は資本主義への服従の心理 が働いた結果でもあると思う。で、ちょっとご遠慮したい映像が出てくるかと思いきや、ホントに食べられるものがゾロゾロ出てくる。

 臭いのない映画ならではだけど、“アレも捨てちゃうんだ”と観客は現状を知らされる。ただ次は“フツーの我々は無関係よ”とはいかない。いろんなお宅に上がり込んで冷蔵庫を物色。もちろん“捨てたりしないよ”という昔気質の奥さんもいるのはホッとする。でもたいていはゾロゾロ出てきちゃって、ゴミ箱を改造したキッチンで、賞味期限切れの食材など使って、美味しい料理をご提供。

 外来種の雑草を除草剤を使わず食べちゃうという発想も素晴らしい。「ノーマ、世界を変える料理」のレネ・レゼピも地元食材を出しているわけだし、輸送に使うエネルギーはいずれ枯渇する。警鐘を鳴らすどころかダーヴィトが楽しげで、「スティーヴとロブのグルメトリップ」っぽいから、するする観ちゃうし勉強になりました。ヨーロッパを旅する様は例としてはアレだけど、「帰ってきたヒトラー」も近いかな?

 かつて某ハンバーグチェーンを悩ました噂“肉にイモムシとか入ってるぜ”がありましたが、オランダでは肉団子に虫混ぜて食べることが検討されている。食料不足を解消するには肉離れも重要、ではなく欧州の先々を考えている人は人類の人口が100億に達すると想定している。泣こうが喚こうが変えられない現実で、ちゃんと受け止めていることに感銘を受けます。

 切羽詰った顔して訴えたって、そう簡単に世の中変わったりしない。投げっぱなしで生きるのは恥ずかしいし、そこをニコニコ顔を絶やさず人々を巻き込んでいくこの人は良いです。「LIGHT UP NIPPON 日本を照らした、奇跡の花火」の発起人高田佳岳氏を思い出したけど、活動は継続中。パート2を望む初めてのドキュメンタリーでした。

現在(4/6/2017)公開中ですけれど、4/14までです オススメ★★★★☆

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