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シーモアさんと、大人のための人生入門

  シーモアさんと、大人のための人生入門

 

 2017年はアミューあつぎ映画.comシネマにて映画観賞がスタートです。シリーズを5作目まで観ていた作品をパスしたのは、字幕版のスケジュールが合わなかったタメなのか、トシだからか。昨年末の「MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間」のおかげで、マイルスの曲を聴きまくっておりましたが、本作で描かれているシーモア・バーンスタイン氏を知ったので、クラシック方面も加わっております。

 

MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間

 

 監督のイーサン・ホークが出会わなければ、私めは知ることなく終わっていた人物。1927年の生まれだから、今年は89歳。現役バリバリで今も活躍中という風情ではなく、年相応な教え方が素晴らしい。教え子に対する指摘は鋭くとも、導いていく感じ。それは人柄にもにじみ出ていて、話し方は穏やかだ。もっとも経てきた年月がそうさせるのかもしれない。

 

 演奏家として活躍した時期もあり、批評家から絶賛された。過去のエピソードに絡めて、いろいろ学べるお話は尽きない。朝鮮戦争に従軍、前線の兵士を慰問して回る彼がくじけなかったのは、音楽をしてきて得た精神力だったとか。「不滅の恋ベートーヴェン」を見直したくなるけど、月光に関して披露されるエピソードは興味津々。ベートーヴェンはなぜ女性性を否定するのか?ってのは鋭い指摘。

 

 

 年代の違う教え子が何人か出てくるけど、「先生はもっと演奏家を続けるべきだった」と言われて、「君に才能を注いだ」と返す。喧嘩腰じゃなく、あくまで穏やかに相手に伝わるように話す。だてに教師生活をしてきたわけじゃなく、観ているコチラはいちいちうなずいてしまう。「ピアノマニア」「クララ・シューマン愛の協奏曲」なども見ておいて助かった。

 

 

 

 音楽家だから人と違って当たり前(57年も同じワンルームで一人暮らし)。ただし、人に教えることを生業にしているだけに、同業者の分析は説得力がある。“音楽家は追求したいことと、大衆に向けて生み出すモノの間で悩む”とは私めにとって解答だった。音楽映画を観るたびに、ミュージシャンは幸せとは縁遠いなぁと思っていたけど、改めて言われると納得。酒や麻薬に溺れるのも無理ないのだ。

 

 音楽を通じて人を教える。ホームページには彼の言葉が載っていて、深くうなずく含蓄のあるものばかり(人生入門ってサブタイトルが付くわけだ)。もちろんリリースされたら何度も見直すことになるだろう。今後に迷った監督のイーサン・ホークにも感謝だ。これといった新曲がないなどとグチってないで、音楽映画を観て、過去の名曲に耳を傾けるのは有意義な時間の使い方。2017年の1本目が×5とは幸先が良いです。

 

現在(1/4/2017)公開中ですけれど、1/6までです
オススメ★★★★★

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関連作

世界美味めぐり   99分,世界美味めぐり

 

 職場の女の子が正月明けに、「家でそばを作ったんです」と嬉しそうに話してくれた。その昔、ジイさんが生きていた頃は一家そろって作った事があり、「思ってたのと違っただろ?」と尋ねると、案の定「ぜーんぜん違って、もそもそしてた」とのこと。40年以上の隔たりがあっても、年越しそばにまつわる体験に、差がないことでホッとする年明け。

 

 ホントは本作を見て、「現在ブログってどのくらいの影響力があるの?」と聞くはずが、元気いっぱいの女の子に先を越されてしまった(娘みたいなもんだからね)。で、彼女に言わせると、マスメディアよりアテにしているブロガーは沢山いるそうな。でも、企業の宣伝が優先するのはダメなんだって。若い人から学ぶ昨今、「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」にも登場しましたが、ホントに分かっていなかった。

 

 “認識を改める必要を切に感じる”のではなく、あくまで参考までに見ておくと面白い食のドキュメンタリーイーサン・ホークありがたい先生を紹介してくれましたが、ここに登場するブロガー5人は気合が入っている。ミシュランガイドに載っている店を制覇する人もいるし、モデル業の傍らせっせと食べ歩いている人も。インターネットの普及とグローバル化がなければ、香港の女の子には無理だった。

 

 「ダンス・ダンス・ダンス」の主人公は「有名店になると味が落ちる」と美少女に愚痴り、「ラストワルツ」にはフェイスブックに美味いものを食べた、という書き込みには問題があるという指摘。その辺りも重々承知の上で、この人たちは食べまくっているのでしょう。ただ出された料理をスマートフォンで撮ったりしている様は、チョッといじましい気もする。

 

 ま、出演者の一人が断言してたけど、あれだけ精魂込めて作られているんだから、芸術品で、撮っときたい気持ちは分かる。「ノーマ、世界を変える料理」に出てくる品々なんてまさにです。そのカリスマシェフ=レネ・レゼビが出店するくらいだから、我が国の食文化は侮れないのでしょう。「エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン」でも日本の食材が使われてたけど、味と見た目の融合に関して、恥ずかしくない水準なのですな。

 

 ワザとそういう描き方をしたんだと思うけど、ブロガーがレストランに行って探求している部分に幸せな雰囲気はない。チョッと「ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡」の1シーンを思い出したんだけど、テーブルに独りだし。むしろ彼らが家族と食事している風景が良かったりする(リトアニアのモデルさんのとこ)。もそもそしていても、みんなで作ったそばの記憶は何年経っても残るのですよ。
オススメ★★★★☆

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