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英雄は嘘がお好き



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女神の見えざる手(字幕版) “清廉潔白から最も遠い戦い、
政治家VSロビイスト
「女神の見えざる手」   
寄生虫を倒すのがサイコパスとは、
しかし汚れ切った末期のかの国には、
強い薬が必要なのかも”
 

















  女神の見えざる手  

観賞劇場 TOHOシネマズららぽーと横浜 TOHOシネマズららぽーと横浜  

関連テーマ TOHOシネマズ・シャンテ  キノフィルムズ  


20センチュリーウーマン  女性が主演の映画が続きます、なぜかTOHOシネマズららぽーと横浜に来ると、その日は3本立てになってしまう。もっともラストの「20センチュリー・ウーマン」アミューあつぎ映画.comシネマに移動しますが。で、“おすぎさんのレビューはありがたい”などとホザいておきながら、「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」も行ったし、本作も「ジェシカ・チャステイン演じるエリザベスという女性が、とてもイヤな女で、その一挙一動が不愉快で許せなかった」と記されているのに観ちゃった。
   ジェシカに関してはまったく評の通りなんだけど、政治について再確認する事態が今の日本にはありますので観るしかない。とても勉強になるし、21世紀はこのくらい汚くて複雑なお話じゃないと、引き込まれないのね。予想していたのは「選挙の勝ち方教えます」に近い内容なんだけど、肝心の主人公がまるで違う。タイトルになっているくらいで、ミス・スローンがすべて。  


       
     
   この人物は完全なサイコパスで、「羊たちの沈黙」「セブン」から時を経て、ついに脇役から主役に躍り出た。彼女にとって、倫理観から銃の規制法を死守することが目的ではない。あくまでゲームとして勝つことだけが目的。図らずも現代がこういう怖い人でないと、エライ人々に対抗できない、という暗い事実も浮き彫りになる。“世も末だよなぁ”などと苦笑いしながら、グイグイと入っていってしまう。  


 初めに加齢臭に満ち満ちているジジイから“女性票を何とかしろ”などと言われて、高笑いして断る(ここは強調していると思う)。それは“人として当たり前”ってことではなく、勝ち負けが見えているからなのだ。とは言っても金にモノを言わせて、白を黒に変える連中だけに、“吠え面かかせたく”て会社を飛び出す。「ザ・エージェント」以来、組織体を見限るこの手のシーンは「はじまりのうた」にもあったけど、さっそうと描かれる。


    すべての政府は嘘をつく   
     
   偶然だが恐ろしいのは「アトミック・ブロンド」と構造は一緒で、面談形式で過去遡行しながら物語が展開。やはり現代の視聴環境を考慮して、観客の集中力が続かないと踏んだんでしょうか?でも政治家の票集めをスリリングに描くのは難しいからね。「すべての政府は嘘をつく」とか「世界を欺く商人たち」などを見ていると、政治家ってこういうゲームで“エネルギー使い果たしちゃうんだよな”を実感してうんざり。でも無関心はホントに危険だと思う。  

      
   “バカとハサミは使いよう”で、薬で寝ないし、性欲とてサービスで済ませ、ゲームに勝つことに邁進するエリザベス・スローン。彼女にとっては、“証言台”と呼ばれる、嘘ついたらムショ行きの公聴会だってゲームのひとコマ。確か「コンタクト」「フェア・ゲーム」にも出てきますが、「ロビイストの陰謀」ではここで屈服。ハワード・ヒューズは食って掛かりますが、まともなトランボ氏は吊し上げを喰らう。


   
 まさに“毒をもって毒を制す”内容で、エリザベスにとっては何もかも。拳銃で脅された過去を持つ仲間まで、平気でTV(晒し場)ショーに引っ張り出す。「ボーリング・フォー・コロンバイン」から何年も経ちますけど、TV視聴者の荒み具合は極限に達しているのかも。この辺を重々承知の権力側だけに、TVに映っている政治家さんたちって“マイルドで制御しやすい”感じを出しているもんね。


 ぜひ「ゼロ・ダーク・サーティ」のラストで涙するジェシカをご確認ください。マーク・ストロングも一緒に出てくるから、本作の彼女がどれだけ異常かハッキリする。倫理や正義などが崩壊してしまった21世紀、強い女とはマッチョじゃなくて実に恐ろしい。イザベル・ユペールが「エル ELLE」を演じるわけです。悲しいかなそれが現実で、追い詰められた弱い男どもはテロ行為に走るわけか。 エル


     



 「リンカーン」でもロビイストは描かれていて、数のゲームはずっと前から続いている。でもより理想を追求すれば、ヒトラースターリン、毛沢東といった“殺した数の競い合い”に帰結。“政治家に期待するのではなく、監視するのだ”は極端で、無視するのが実に危険。悪いけど彼らは税金を集めているだけで、稼いでいるわけではないし、「銀河英雄伝説」にあったけど、よく言って寄生虫。ジョン・リスゴーを筆頭にサイコパスに負かされる、ダメじじいをみなさん力演でしたな。

現在(10/20/2017)公開中
オススメ★★★★☆
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  関連作  



  オールド・テロリスト  

 女性が台頭し、ジジイどもを駆逐しかねない21世紀、切羽詰ったらテロに走るかも?を生々しく描くと、このように実体化する。また連載されていた時期(2011年~2014年)の日本をレポートしているようなエピソードに、うんざりしつつも事実として受け止め、あながち自分の認識とかけ離れてはいないなと、ほんの少しだけ安堵する。とは言っても「コインロッカー・ベイビーズ」の作者だけに、“いい加減気がついたらどうだ”と怒られてもいるわけ。
    テロリストグループ=キニシスギオの攻撃対象は大手既成メディアからアイドルグループに群がる連中、自転車から降りないマナー違反まで大小を問わない。まともな人たちが知らん顔しているうちに、デカい面して大声で、主流だフツーだと唱えながら闊歩している。こんな連中は鉄拳制裁されて当然だろ、この主張に抗うのはとても難しい。「ま、話し合ったらどうですか」などと返せば消される。  


       
     
   神山健治の2作品、「東のエデン」「009 RE:CYBORG」をもっと過激に、実態を容赦なく描いていて、まず実写化なんて無理だろうな。覚悟を決めたジジイどもは接点がないから知る由もないけど、「シドニアの騎士 第九惑星戦役 THX上映会」で見かけた“ガルパンおじさん”ってのは、まさにアイドルグループ=AMAOUに群がる人々と似たようなもの。ショッピングモールに居場所がないオッサンだけに、あの描写も生々しい(たまプラーザのトコ)。  


        
   テロ実行犯の種子は至る所にあって、いつ芽吹くか分からないのが今の日本なんだろう。“実行犯と使嗾犯”は別々で、警察では対処できない。それはオウム真理教の起こした地下鉄サリン事件から、何も学ばなかった動かぬ証拠でもある(「ディスタンス」はあまり知られていない)。「パトリオット・デイ」「良心をもたない人たち」「アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発」なども参考になると思います。  


     逃げる中高年、欲望のない若者たち (幻冬舎文庫)  
     
   エッセイ「すべての男は消耗品である。 大いなる幻影」、「ラストワルツ」、「逃げる中高年、欲望のない若者たち」、「星に願いを、いつでも夢を」は読んでいたので、著者の視点でとらえた日本はだいたい掴んでいたと思う。たぶんジョーという男のモデルは勇利アルバチャコフなんじゃないかな?その辺はニヤリとしてしまうが、テロの黒幕=キニシスギオに参加している面々の人物像は、TV番組カンブリア宮殿でインタビューした人々が反映されているのは間違いない。  





 ただしテロ集団の最終目標は原子力発電所で、やられたら一巻の終わり。こればっかりは避けて通れない我が国の現状で、「シン・ゴジラ」でも描かれたけど、どこもかしこも脆いのだ。“対策なんて日本政府は考えもしない”のはまさに常識で、デマと噂話で生きている大人たちはただ喋って、興じているだけ。北朝鮮のことに関しても、「半島を出よ」によって、実際に起こりうる危機の実態は描かれた。この作品でも肝を冷やす事態は見せつけられたが、果たして起こってしまったら・・・。 とてもヒーローとは思えないセキグチなれど、あれが精一杯だろう。
オススメ★★★★☆
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