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マンチェスター・バイ・ザ・シー |
観賞劇場 | アミューあつぎ映画.comシネマ |
関連テーマ | アカデミー賞 フォーカス・フィーチャーズ ビターズエンド | |
インディペンデント・スピリット賞 アミューあつぎ映画.comシネマ | ||
Amazonスタジオ ヒューマンドラマ・家族の絆 |
桜木町の横浜ブルク13から歩いて横浜駅まで向かう。アチラに書きましたが、なくなった109シネマズMM横浜跡地を確認したかったため。ものの見事に草だけが生えている空き地とは。その前にTSUTAYAも寄ってみたんですけれど、4、5年くらい前とはずいぶん店内も変わっている。シネコンとてあっさりなくなり、パッケージソフトを扱うレンタル屋も、時代の流れには逆らえないか。 |
かつての生活圏内だっただけにちょっとしんみりですけれど、映画はまだまだ健在です、私めにはアミューあつぎ映画.comシネマがあります。良さそうな予感はしてましたけど、素晴らしかった。アカデミー賞、インディペンデント・スピリット賞もボケてはおりませんな。ついでながら、本作はフォーカス・フィーチャーズのクレジットがあって、Amazonも一枚かんでいる。 |
劇場の前説で主演のケイシー・アフレックについて触れてましたけど、彼が出演していなければ成立していないでしょう。もし製作のマット・デイモンだったら定石通りの感動作になってしまいますが、ケイシーは我々に身近な男を抑制の効いた芝居で演じきっている。「ゴーン・ベイビー・ゴーン」とか主演作はありましたけど、どこかコチラに不安定感というか、ハマっていない印象を抱かせた。 |
今回はその不安定感が見事に作品に合致している。監督のケネス・ローガンは「ユー・キャン・カウント・オン・ミー」を見ただけなんですけれど、作中の雰囲気は継承されていて、申し分なし。昨今私めが魅力を感じる作品はジャン=ピエール&リュックのダンデルヌ兄弟の「午後8時の訪問者」だったり、ケン・ローチの「わたしは、ダニエル・ブレイク」だったり、デレク・シアンフランスの「光をくれた人」だったり、“我々に近い”と感じさせる世界を持っている。 |
物語は兄の死を知らされて、一度は捨てた故郷マンチェスターに戻るリー・チャンドラーが過去と対峙するというもの。ただし、ありがちな描き方をなるべく排していて、むしろ現実的な手続きなどのシーンを盛り込んで観客を作品に引き込んでいる。身内が亡くなるのは病院だし、急にだし。とは言っても仕事は他の人に頼まなくちゃいけないし、病院について亡骸と対面したって号泣したりはしない。 |
我々がごく日常で身内を葬る過程を追いながら、リーを中心に過去の出来事も挟まれる。この辺のさじ加減は文句なく自然で、観客を置き去りにしない。兄の一人息子に関しても、日本では馴染みのない後見人の手続きをするシーンがあって、まるでそこに立ち会っているかのようだ。「WIN WINダメ男とダメ少年の最高の日々」で初めて知りましたが、日本人もキチンと認識しておかないといけない。 |
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リーが故郷を出なければならなかった悲劇は、子供を自分の不注意で死なせてしまったこと。よって離れたボストンでアパートの水回りを修理したりして暮らしている。無口でハンサムだから、色目を使う奥さんだっているけど、ある意味死んだも同然の男だけに無反応。これは今のケイシーにだけ出来る芝居だと思う。「ジェシー・ジェイムスの暗殺」、「キラー・インサイド・ミー」など彼独特の感じが活かされている。 |
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ふざけたモキュメンタリー「容疑者ホアキン・フェニックス」を監督したりしますが、この落ち着いた感じはベスト。「ブルーバレンタイン」も絶品だったミシェル・ウィリアムズが場面をさらってしまうかと思いきや、ラストのケイシーの呟きには涙が止まらなかった。家族を亡くすということは、身体に穴があいてしまうので、そのまま生きていくしかない。 |
宣伝文句によく“喪失と再生”と使われるし、その種の感動作もあるけど、人間は機械ではないから本当は無理なのだ。ドラマ仕立てを排し、我々がよく知っている日常の手続きなどを交えて人間を描く。「はじまりへの旅」かコチラか今年のナンバー・ワンを迷います。また本作のあとで「再会の街で」、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」も見直したくなった。 現在(8/21/2017)ですけれど、9/1までです。 オススメ★★★★★ |
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追記:Blu-rayは幻のフォーマットになる |
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電車の中でAmazon.comを眺めながら買物、家では40インチのモニターで配信動画を見たり、4、5年前から比べると私めの環境はだいぶ変わっております。通常はDVDからHDDにコピーした映像ファイルを使って映画を見る。もっとも使用しているROMドライブはBlu-ray仕様。後々のことを考えて装備していたんだけど、ソフトを見たことがなかった。DVDの映像で十分だったし、そのうちホイホイ配信で「アバター」とか見るようになったし。 |
ところが「シドニアの騎士 第九惑星戦役 THX上映会」のおかげでBlu-rayのスペックを思い知らされて、暑さに負け、映画館で観たいタイトルがない時期でもあって、余計なことに手を出してしまった。もしAmazonビデオにあれば問題なかったんだけど、Netflixのみの配信。ここが“今ならではの現象”で、面倒な手続き(ネトフリ会員になる)はパスした結果、より七面倒臭い作業を強いられるハメになった。 |
HDDの映像ファイルを見る習慣はここ5年くらい。そして最終形態になるはずの動画配信で、「サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ」も「スターウォーズ/フォースの覚醒」も「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」も「レヴェナント:蘇えりし者」も“所有している”から、間に挟まれた格好のフォーマットであるBlu-rayのことはすっかり忘れていた。DVDからコピーした映像ファイルを見る場合、動画再生ソフトはフリー。ところがBlu-rayには存在しない。 |
職場に詳しい人がいるので尋ねてみると、その辺はラジオライフが参考になるとのこと。確かに“BD・DVD合法コピー2017”という記事があったけど、それじゃあ不十分でネットの記事も同時に漁って・・・。肉体労働で日々クタクタ、それなのにたかがアニメを見るのに、なんでこうも遠回りしなくちゃなんないのか。結果的にソースネクストのEnjoy Blu-rayで視聴できたんだけど、プロテクトの関係でネット環境は必須なのだとか。 |
“Blu-rayで「シドニアの騎士 第九惑星戦役」見るため”にあれこれ時間を費やしましたが、幾つか判ったことがある。まずBlu-rayに関してはコピーが不可。PCで見る場合ソフトにはネット環境が必須。加えて一般的な雑誌は大勢に向けて書かれているので、ネットの記事と合わせる必要があること。さらに今回購入した「シドニアの騎士」は輸入もので、国内版だと6枚になるはずが2枚で劇場版がオマケとして付いてくる。 |
働いている倉庫にはMy Neighbor TotoroやPorco Rossoがあって、みなさん分かってらっしゃる。コピーができないことも承知だし、国内版よりお得なことも。ただ字幕に難点はあるけどね。「VHSテープを巻き戻せ!」でVHSからDVDへの移行は5年くらいかかったと記しましたが、Blu-rayは遅れている。Wikipediaを参照するとレンタル開始は2008年で、既に9年経過しているにもかかわらず、在庫は乏しいままだ。 |
CDV-NETの記事によればGenZと呼ばれる若い世代が社会を動かすようになったんだとか。よってYouTubeに慣れ親しんだ彼らのニーズにパッケージソフトは応えられない。“YouTubeの人気コンテンツは2~3分以内のものが多く、全体でもほとんどが5分以内”なんだそう。あちこちと“摘んで見る”には適さないパッケージソフトとは違って、動画配信はその辺をクリア。「君の名は。」なんてそんな視聴法にピッタリです。新海誠はここまで考慮していたのかな? |
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なお、字幕がうっとうしいには違いありませんが、「シドニアの騎士 第九惑星戦役」はハマる。せっかく取り揃えたモニター、スピーカーのスペックを活かしてくれて興奮。ただし、そのまま劇場で上映しても文句なしのシドニアほど、とんでもないタイトルってあるんだろうか?試しに「ダーティハリー」もレンタルで見ましたが、配信と比べて圧倒的ということはない。ま、山田康雄氏の吹き替えは良かったけどね。 |
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かつて家で映画を見るツールだったパッケージソフトの到達点とも言えるフォーマット=Blu-ray。映像においてソレを達成していながら、操作性で配信の持つ“今の人が求めている”ニーズに対応していない。恐らく幻のフォーマットと化してしまうのでしょう。大昔の“VHS対ベータマックス”が脳裏をよぎります。映像で優位のベータが、レンタルがないことで負けたあの頃のこと。 (8/24/2017) |