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ふたりの旅路 |
観賞劇場 | アミューあつぎ映画.comシネマ |
関連テーマ | 外国人が描いた日本 アミューあつぎ映画.comシネマ フードムービー |
昨日はTOHOシネマズ小田原にて「GODZILLA 怪獣惑星」、「ローガン・ラッキー」の2本立て。ただ、“オレの映画観賞もそろそろ潮時かな”といった思いが脳裏をよぎった。なにせ半世紀生きてきたわけですから、振り返ることの方が多い。でもそんな時こそ名画座アミューあつぎ映画.comシネマに行くべきで、映画館通いを“当分やめられそうにない”作品を拝ませてもらった。なんと60代の2人が引っ張っていく作品が新しいんだから。 | ||
劇場のサービスとていつもの前説だけでなく、ホームページに顔を出している人(たぶん支配人)がお見送りしてくれたりして、やるなぁ。新しいと感じたのは「海は燃えている ~イタリア最南端の小さな島~」と比べても遜色ない映像のクォリティをしているだけでなく、未知の国を知る楽しさが加わっている。ラトビアとの合作だそうで、かの国の歴史的な事実“バルトの道”は“デモができなくなった日本”(「政治と思想 1960-2011 」)のことを考えさせてくれる。 |
ただ、たいがいバルト三国と言われたってちんぷんかんぷん。もっとも赤坂のレンタル屋にいた頃、三等書記官に怒られた経験があるので、お隣のリトアニアだけは覚えている。ま、フィンランドの教育が進んでいることは「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」で見たし、ポーランドの歴史を「残像」で垣間見たり、「未来を生きる君たちへ」は7年も前だったっけ・・・。ページを見直せばまるっきり無知じゃないのかも?とひと安心。 | ||
で、ラトビアの首都リガは神戸との姉妹都市なんだそうで、阪神淡路大震災をお話に盛り込んでいる。国家に真の友人はいませんが、都市同士なら友情は成立する。この事実は語られませんが、作品の発生源。素晴らしいのは合作と名がつく代物って、形式張っててちっともつまらないのに、断然面白いんだよね。もちろん自国の観光名所をキレイに見せたいのは人情なんだけど、小気味よい笑いでつないでいる。 |
笑いを担っているのが「太陽」以来の共演になる桃井かおりとイッセー尾形。あれから11年も経ったのかぁはどーでもよろしいが、両名とも活躍の場は日本限定ではない。直近で「ゴースト・イン・ザ・シェル」、「沈黙 -サイレンス-」に出ていますけど、この監督さんは2人の持ち味をよく知っている。あるいは共同作業みたいにして練り上げていったのか。 | ||
ネタバレになりますけど、夫の幽霊が妻を見守る仕掛けになっている。若ければラブロマンス「ゴースト~ニューヨークの幻~」ですけれど、娘も失っている60代の女性が抱える喪失感を、笑いでドライブさせながら描いていく。ほとんど役に立たない通訳の女の子もなかなかのスパイス。また日本を特徴づける着物も一役買っていて、私めは50代ですけれど、まず日常で身に着けませんからね。日本人が忘れ去ろうとしていることの一つ。 |
そしてフードムービーとしての側面が加わっていることが、★×5を決定させた。笑いとともに進行しますが、桃井の「ボランティアの人がくれたおにぎりが・・・」のところはホントにじんわり来ちゃった。まさに女優の力ですし、食べ物って国境線を超える力がある(「かもめ食堂」、「ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た」)。 |
「ダンケルク」で確信犯的にやっていますから、時間軸が前後するのもそんなに気にはならなかった。「パトリオット・デイ」のような作品であれば、時系列で描く必要があるかもしれませんが、喪失を抱えた女性が主人公なんだから、この手法は吉と出ている。地味な感じなんだけど、予告を見てピンときたし、「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」とか「神様メール」とかCGを駆使しなくたって、ファンタジーは作れる。 | ||
これからの国ラトビアと、これまでの国日本などと嘆く必要などない。むしろ若い人から“あたなたたちは気がつかないんですか?”というメッセージとして受け取りたい。選挙があの通りなんだから、デモに訴えたっていいし、独自の文化だってちゃんとある。そうそう日本家屋の描写も自然で唸りましたが、冒頭の公園で一人たたずむ桃井かおりで確信、映画は掴みが肝心です。 現在(11/19/2017)公開中ですけれど、12/1までです。 オススメ★★★★★ |
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