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ラ・ラ・ランド

ラ・ラ・ランド   ラ・ラ・ランド

 

 チラシにでっかく“本年度アカデミー賞大本命”と銘打ってて外しちゃったけど、ギャガ(GAGA)はヒット街道驀進中ですな。さっき終わった「アサシン・クリード」より大きなスクリーンでの上映。時代の流れがそうさせるのか、「そして父になる」の時にも感じたけど、シネコンは“お客さんの入り”で劇場変えられますからね。いつまでも“昔はこうだったのに”などと嘆いても仕方ない。

 

 ただ本作はアカデミー賞にノミネートされていて、インディペンデント・スピリット賞はスルーされている。映画.comニュースに「2000万ドル以上の製作費をかけているため対象となっていない」とある。予算がメジャーとインディの境目なんですかねぇ。予告編では低予算なのがありありの「ムーンライト」が映画好きにアピールしたポイントはなんなのだろう?

 

 お金はかかっておりますが、本作は明らかにインディ系のミュージカルだと思います。まるでご遠慮している身としては“知ったふり”は避けたいんですけれど、「サウンド・オブ・ミュージック」みたいな、あのジャンル独特の“恥ずかしさ”がまるでない。それは全体に貫かれている“貧乏臭さ”だと思うがどんなもんだろう。また主演の2人は好きなんだけど、歌唱力で圧倒されたりしなかったんだよね。

 

 “恥ずかしさ”を払拭して抵抗なく観られた「レ・ミゼラブル」も出演者の歌はゴージャスだったし、「ムーラン・ルージュ」の2人も抜群だったと記憶している。さらにミュージカルじゃないけど、「センチメンタル・アドベンチャー」クリント・イーストウッドにも驚かされた。アル・パチーノはそんなでもないけど(「Dearダニー 君へのうた」)、「はじまりのうた」のキーラ・ナイトレイは絶品。

 

 音楽映画は好物だからこういうハメになるんだけど、じゃあつまらんかといえばぜーんぜん楽しいです、やはりエマ・ストーンライアン・ゴズリングが共演しているのが何よりの魅力。「ラブ・アゲイン」「L.A.ギャングストーリー」と“相性の良さ”をスクリーンに刻んできましたが、映画にとって気心の知れてる相手との仕事って大切なのでは。

 

 下手と評されるかもしれないタップダンスのシーンも観ていて楽しいのだ。よって“歌に至る部分”を主演の2人が盛り上げる。出演作を重ね、スターになっているとは言っても、ライアンエマも底から這い上がる若者が演じられる。女優志望のミアと、“好きな音楽を鳴らせる店を持ちたい”セバスチャンのお話だけだったら、ありふれている。よってミュージカルというテイストを施す戦略だったのかな?

 

 「セッション」の監督だけにjazzへのこだわりは並大抵ではない。セバスチャンに延々と語らせているのが可笑しかったりします。また今どきカーステレオがカセットだったり、レコードプレーヤーを使っていたり、「ナイスガイズ!」では70年代、本作では80年代の男って感じのライアンは変幻自在ですな。ま、“今どきの若者”だと切れ者でもエドワード・スノーデンっぽくなりますからね。

 

 女性が成長するミアのお話も「フランシス・ハ」を最近見たし、まさか「ネオン・デーモン」みたいだったら怖いけど数は多い。ベタなサクセスものだったら「ロック・オブ・エイジズ」になっちゃうし、新味を出すのは至難の業です。よってこの枠=ミュージカルは正解だし、ジョン・レジェンドとJ・K・シモンズ(前作では鬼)がチラッと出てくるくらいで、目立つキャストはほとんどいないから、2人の独壇場。

 

 あえて賛否が別れるラストにしたのでしょう、それは「セッション」と続いて観た場合ハッキリする。この監督デイアミン・チャゼルのテーマは“全てを手に入れることはできない”だと思う。また“何もかも上手くいく”印象を与えるミュージカルで、後味の悪さを出したかったのかもしれない。この辺は“向こう見ず”だなぁと痛感。涼しい顔して“怖いもの知らず”の「ジャージー・ボーイズ」御大とはチト違う。

 

現在(3/9/2017)公開中
オススメ★★★★☆

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