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インフェルノ

  インフェルノ

 

 1作目の「ダ・ヴィンチ・コード」からは10年が経過しているヒットシリーズ第3弾。仕事場の女の子(20代)も原作は読んでいるそうな。2作目の時も高校生くらいの男の子たちを見かけた記憶があって、この種のミステリーは若い子も惹きつけるのかと思ったものだ。つらつらと振り返ると、ロン・ハワード監督作にシリーズは見当たらないからある意味希少品。

 

 主演のトム・ハンクスにしても他には「トイ・ストーリー」だったり、いろんな趣向を凝らした作品を積み重ねてきたコンビ。だが、私めにとっての注目はフェリシティ・ジョーンズ。2、3日前に「スター・トレック BEYOND」のアントン・イェルチン追悼の意味も込めて「今日、キミに会えたら」を再見したけど、彼女の魅力はたまりませんでした。

 

 外は日曜の20:00、寒くなってまいりますと、劇場(TOHOシネマズ小田原)周辺も人通りが少なく寂しい。ところが館内にはちゃんと人が入っている。曜日の感覚ないもんで、この当たり前に驚くとは情けない。それにしても上映前にロビーでタブレットの漫画を読んで時間つぶしができる21世紀。ゆうきまさみの「白暮のクロニクル」が最近のお気に入りだったりして。

 

 ミステリーのファンでもなく、このシリーズもそれほどお気に入りでない私めですが、主演女優に釣られてやって来て、ボサっと観ようとしたらいきなり引き込まれる。あれだけハイ・テンションかつハイ・スピードで進行するミステリーはほとんど記憶にございません。でもさ、細かいところが分からなかったら、小説読めばいいんだし、帰りの電車の中で買えるご時世。

 

 で、フェリシティのアップ(「潜水服は蝶の夢を見る」に近い)にデレデレしてたおかげで、スルスルと観ていられたんだけど、冷静に“何かあるに違いない”目線だったらウスウス気がつきます。スケベ目線に感謝で、彼女が演じるシエナが実は・・・の部分で“やられた、やっぱりな、上手く行き過ぎだよ”の驚きがある。おまけにゾブリストを演じているのがベン・フォスター(「ザ・ブリザード」もヨカッタ)で、2人の線がつながったら謎解きは完了したようなもの。彼らの行動はある意味テロで、「キングスマン」+「ザ・イースト」といったところか。

 

 もっともそこに至るまでラングドン教授は散々な目に遭わされてしまう。類まれなる頭脳がアダになって、得体の知れない連中から追い掛け回され、監視カメラで泥棒まで発覚。彼を小突き回すのが世界保健機構かも?なんですけれど、WHOにあんな実働部隊があるとは知らなかったし、イルファン・カーン(「めぐり逢わせのお弁当」)が頭領の組織も初めてお目にかかる。船をアジトにしているからちょっと「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」っぽいけど、ありそうだよね。

 

 スピーディに進行するってことは、観客にスキを与えない方便でロンの技は冴えまくり。映像としての見せ場はなんと言ってもダンテ創出による地獄絵図で、「コンスタンティン」とはまるで違う。そういえば前日見ていたのが「セブン」でしたけど、ぜひ未見の若い方にオススメしたい。角度を変えて見ればジェイソン・ボーンのシリーズ同様に、各地を渡り歩いて観客の目を楽しませつつミステリーを成立させている。終点が最近「裸足の季節」でお目にかかったトルコとは。

 

 主要キャストは6人と少数体制ながら、整理しきれない印象のあるアメコミ映画と違ってスッキリしている。オマール・シーも「最強のふたり」から5年経つと顔つき全然違うのね、イルファンとは「ジュラシック・ワールド」で共演か。よって見たこともない人はシセ・バベット・クヌッセン。この人とトム・ハンクスの相性は良かったし、観ているコチラも中年ですから、ホッとするラスト。

 

 もしDVD、配信なりで一時停止して見られる環境下だったらkindle、web siteを開きつつ観賞なんて器用なことも、ファンならやるかもしれない。ただ1回こっきりの劇場娯楽作としては文句なしでしょう。「ダークナイト・ライジング」マリオン・コティヤールが豹変したシーンほど強烈ではないものの、本作のフェリシティは魅せてくれたし。ロン・ハワードはひょっとすると見逃した「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK ‐The Touring Years」が面白そうで怖いんだけど。

 

現在(10/30/2016)公開中
オススメ★★★★☆

 

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関連作

  あなたとのキスまでの距離

 

 今年の2月には「キャロル」のルーニー・マーラが最優先女優だったのに、もうフェリシティ・ジョーンズに鞍替えしている“女優に関して浮気性”の私めです。「今日、キミに会えたら」の初見ではジェニファー・ローレンスに注目していたのに、「インフェルノ」の後はフェリシティがお楽しみになっている。監督のドレイク・ドレマスは今後も彼女を撮り続けてもらいたいような。

 

 もっともジェニファーにとって「ハンガーゲーム」があった2012年〜2015年くらいまでが忙しい時期だとすると、今後はフェリシティも多忙になる。12月の「ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー」で知名度は一気に上がるでしょう。ま、本作の彼女を見たら、関係者は放っとかないよね。女子高生ながら中年をイケナイ関係に迷わせる、魔性の女になっているんだもの。

 

 流れる楽曲がクラシックだし、自然光を取り入れた画だけにヨーロッパ風に映る。サスペンスタッチだと不倫映画になっちゃうから、この選択は正しい。前作の延長線上にあるような映像で、家庭崩壊を描くとは。監督と女優のコンビは引き続き、参戦したガイ・ピアースも作品世界に溶け込んでいる。私めと同じ1967年生まれで、「ロックアウト」で娘のようなトシのマギー・グレイスと共演できたり羨ましい限りだ。

 

 映像に魅せられているので、フェリシティ演じるソフィーの背景が十分に語られなくとも満腹になる。98分でまとめていることも大きくて、クドクド説明されてうんざりの作品が多い昨今では貴重。教育現場も「デタッチメント 優しい無関心」ほど荒んでいないし、「リトル・チルドレン」ほどご近所のことも突っ込まない。ま、ほど良く描かないと重いテーマになっちゃうからね。
オススメ★★★★☆ 

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  白暮のクロニクル

 

 「THE NEXT GENERATION パトレイバー」は全部劇場で観たのに、原作者が新作を出していたのは涼しい顔でスルーしていた。パトレイバーの原作を読んでいた頃は20代で、ハマりまくったがその後はご無沙汰。「鉄腕バーディーDECODE」とて気がついたのは2014年と、ずいぶん薄情な自分だと情けなくなる。なお「君の名は。」に最も近い作品は「鉄腕バーディーDECODE」&:02かもしれない(これも後付け)。

 

 本作を知った経緯は内田樹氏のTwitterで、kindleは危険だと再認識。面白すぎて電車の中で2巻を読み終わったら、間髪いれずに3巻をダウンロード。まぁ完結していないから間に合ってホッとしたけど、「A.I.の遺伝子」「木根さんのひとりでキネマ」と新刊を待つタイトルが3つになってしまった。やはりコミックは電子書籍が適しているようです。

 

 タイトルがクロニクルというだけあって、ひつじ年に起こる殺人事件の犯人「羊殺し」を、70年かけて追跡している雪村魁と、厚生労働省の役人伏木あかりが主人公。3巻までは明言されませんが、これは吸血鬼の物語。昨今アチラから遠ざかっておりましたが、こんな風にかち合うとは。オマケに私めの干支もご同様、愛読書の「羊をめぐる冒険」といい・・・。

 

 夢中になって読んだ記憶すら遠ざかりつつあるオッサンですけれど、これは久しぶりに当たりでした。4月の「レヴェナント:蘇えりし者」は強烈な映像でインパクトありましたけど、半年過ぎた「ジェイソン・ボーン」などは“ただ明るいだけ”の印象しか残さなくなってしまった。“映像の仕掛け”には限界があって、やはり中身が濃くないと食い入るようにとはいかない。第二次世界大戦後から現在の日本を描く機能も備えている本作は大人必読の1作。スピーディな「インフェルノ」の対極に位置します。
オススメ★★★★☆

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