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 “映画監督メル・ギブソンは相変わらず骨太だ。「ハクソーリッジ」
戦争映画としてではなく、一人の信念の男の物語
主人公の名前で勝負しても良かったのでは”

ハクソー・リッジ


ハクソー・リッジ

 「未来よ こんにちは」を拝んだ本厚木は日曜日の賑やかさはそれなり。ところがショッピングモールが3つもある海老名となると、オッサンが“居た堪れなくなる”レベルに達します。さすがはTOHOシネマズ、ロビーは人でいっぱい。もっとも若い人のお目当ては・・・、もはやTVを見ないし、何が流行っているかにも関心ないもので、いっぱい人がいるなぁという程度の感想しか浮かばない。


 で、メル・ギブソンによる戦争映画の本作。主演のアンドリュー・ガーフィールドは「沈黙 -サイレンス-」を観たのが今年の初めで、スーパーヒーローだったことを覚えている人はいないのかな?まぁこの人にとってはラッキーでしょう。ゴシップもきれいサッパリ忘れ去られちゃって、「大いなる陰謀」「わたしを離さないで」を代表作に持つ人という認識のされ方は、今後のキャリアに好影響。

 マーティン・スコセッシ監督作とキャラクターは被っていて、アンドリューが演じるのは敬虔なクリスチャン。矛盾を抱え込んだまま従軍し、英雄となったデズモンド・ドス。もし彼をTVの感動ポルノが放送しても意味がなく、やはり映画にするだけの価値がある。監督が絞り込んだのも、この実在した英雄を描くこと。よって戦争映画は単なる背景に過ぎない。

 観賞前は沖縄戦を描いた作品を観たことがなく、やりたくても日本人監督は手が出せない題材だけに興味があった。たださすがに2つの作品(「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」)で硫黄島の戦闘を描けたクリント・イーストウッドほどの余裕はメル・ギブソンにはない。火炎放射器の恐ろしさはぞっとさせられましたが、大日本帝国軍はあくまで敵としてのみ登場する。


彼らが本気で編むときは、 

  戦闘を描くために139分と上映時間は長いですけれど、デズモンド・ドスの孤独な戦いにほとんどは費やされる。志願して入隊したはいいけど、「銃は撃てません」と信念を曲げないと、周囲は痛めつける。間違ったことしてなくても、世間様は平気で残酷になります。「彼らが本気で編むときは、」「42~世界を変えた男~」「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」「声をかくす人」などなど。




 その他大勢が悪役というパターンは、映画の特徴の一つで、サム・ワーシントンもヴィンス・ヴォーンもやりまくり。サムは「アバター」、ヴィンスは「僕が結婚を決めたワケ」と比べると、月日はもうそんなに経ったのかという気になります。また戦争を主体的にしていない証拠が美女の登場で、「アイ・アム・ナンバー4」「聖杯たちの騎士」のテリーサ・パーマーはくっきりと印象を残す。

 聖杯たちの騎士

 実話なんだから動かせない事実で、メル・ギブソンの伝えたかったことはストレートで骨が太い。“観客に反省を促す”といった説教臭いものではなく、こういう稀有な勇気を備えた人は確実にいて、浮世離れもしていない。人は殺せないという信条がありながら、近所の人が志願しているのに知らん顔はできない。捕虜になっても不屈の男はいたが、それ以上にこのデズモンドは伝えられなければなない人。

 宣伝は戦争映画の体裁で、「プライベート・ライアン」を超えるとか煽っているのは仕方がない。ただ「アメリカン・スナイパー」にしろ若い人が、この手の作品には確実に集まる。彼らはどう読み取るんだろう?まっとうな人を次から次へと不幸にしていく戦争そのものが、そもそも許されない、絶対にこれだけはやってはいけないものだと受け取るのか?戦闘シーンはそうでもなかったなで終わっちゃうのか。

現在(6/24/2017)公開中 オススメ★★★★☆

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