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英雄は嘘がお好き



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gifted/ギフテッド (字幕版) 複雑な現代にフィットした
ストレートな感動作  
「gifted/ギフテッド」
ひとクセあるのは監督のワザ。
“落としどころ”に飛びつくのは
ご用心ってのが隠し球。
 

















  gifted/ギフテッド  

観賞劇場 TOHOシネマズ海老名 TOHOシネマズ海老名  

関連テーマ ヒューマンドラマ・家族の絆  フォックス・サーチライト  


   夜勤帯で働いている関係上、休日に出歩くのも日が暮れてから。連休もあまりなく、車通勤を始めてからは、外界との接触が極端に少なくなってしまった。昼間の街の様子を眺めるだけで、ピカピカの世界が広がっている、などという錯覚にとらわれてしまう海老名駅周辺。2015年に「ジョン・ウィック」を観た時より格段におしゃれで、ファッショナブルなエリアに変貌しつつある。つまりオッサンがダメな雰囲気ってことなんだけど。


 もっとも本作を上映してくれるんだから文句は言えません。現在覇権を握りつつあるららぽーと海老名の前に君臨していた、ビナウォーク内のTOHOシネマズ海老名に参上。もっともページで確認すると前回来た時は「ザ・サークル」だから、たった2週間しか開いていない。自分の記憶をたどるのではなく、機械に依存していてちょっと気がかりです。で、本作をどういった経緯で知ったかはもはや不明ながら、9月の「ドリーム」の頃にはもう予定していた。
     
   もうひと押ししてくれたのはCDV-NETのおすぎさんのレビューで、フォックス・サーチライト社製だし、感動間違いなしの予告編だし、「(500)日のサマー」の監督マーク・ウェブだし、ダメそうな感じはない。更に期待が高まるのはマークは「アメイジング・スパイダーマン&2」後の仕事なんだよね。これって勝手な思い込みだけど、「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」のジョン・ファヴローのパターンに近い。アメコミ映画の次に手がけるミニシアター系。  


   そして結果どうなったか、おかげさまで「ふたりの旅路」に続いて×5になっております。あまり内容に触れられませんが、感動ポルノの臭みは微塵もない。才能と訳されるgiftedとタイトルが付いている通り、数学に7歳児とは思えない才能のある少女メアリーが主人公。お母さんが亡くなっていて、叔父のフランクと貧乏臭いエリアで暮らしている。この辺で既に「アイ・アム・サム」とか「マーサの幸せレシピ」に近いかも?となる。  
     


 ずば抜けた才能を放っとかない国なので、小学校に行った途端メアリーは先生に見抜かれてしまう。可愛い顔して眉間にシワを寄せ、辛辣な小娘だけど味噌っ歯がアクセント(「明日の空の向こうに」がまた見たくなった)。演じているマッケナ・グレイスちゃんが本作のキモ。クロエ・グレース・モレッツをアレで発掘した監督だけに、TVドラマの子役っぽさがない。「ローガン・ラッキー」の娘役ほど“そのへんにいそう”な感じはないものの、現実離れしているわけでもない。片目の猫もちゃんとアクセントになっている。


 もちろん琴線に触れるサービス・シーンはあるよ、上手い子役なんだし、親権を争う裁判が起こって「サウスポー」みたいな展開も予想通り。でもベースにその前のケースを敷いているところが、本作に厚みを加えている。メアリーからすると祖母にあたるイヴリンと、叔父のフランクが対立する過程で、メアリーの母ダイアンに関することが語られる。キツいようだけど、イヴリンのエゴが娘を殺してしまったのだ。  


   判事が「廊下で話し合ったら?」と投げやりに諭すけど、白黒ハッキリさせたがるアメリカ人にアピールするには、裁判という展開を持ってくるしかないのか。親権を争うとはため息ついちゃうけど、「クレイマー、クレイマー」という傑作もあるしね。フランクを演じるのがクリス・エヴァンスで、いちおう色男ではあるけど野暮ったさを出している。ヒゲ剃ったら途端にキャプテン・アメリカになっちゃうからね。今後この人もイメージ払拭に一苦労かな?
     
   
     
 裁判はスッキリしないけど、現実的だなぁと思いきや・・・、の後半はぜひご覧になってご確認を。“落としどころ”に飛びつきやすい人たちへの苦言のようにも見受けられます。判事とて完全無欠どころか、どうも怪しいぜと「三度目の殺人」だって描いているんだから。それにしても爆笑はフランクと担任の先生がナニしちゃった後にメアリーにバレるトコで、あの芝居は素晴らしかった。聖職者とて×××してしまうのは「ラブ・アゲイン」にもありました。  


      
     
   祖母のイヴリンが法廷で、“才能を開花させるのは義務だ”といった宣言は妄執を感じさせて恐ろしい。演じるリンゼイ・ダンカン(「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」)気合入ってます。子供の才能に父親がのめり込んでいくのは「ボビー・フィッシャーを探して」にもありますが、「私の中のあなた」などは母の執念の凄みが刻まれている。21世紀ですから、単純に祖母に罪を着せて、悪いのはあの婆さんだで済ませたらダメな1本。そこを実に唸るラストにしているんだよなぁ。  


      
     
   資本主義に浸りきってる街中でダメだから、人里離れた森の奥で教育ってのが「はじまりへの旅」だったけど、向き合わないことには始まらない。現実は恐ろしく複雑だし、七面倒臭くなる一方で、「ルーム」が感動作になるご時世。また展開とて旧態依然としては観客にそっぽを向かれる。そこんとこを十分理解した上で、かなり練られたお話です。そうそう数学ネタですから「奇蹟がくれた数式」「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」もご一緒にいかがでしょう。

現在(11/28/2017)公開中
オススメ★★★★★
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