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ダンケルク

ダンケルク

関連テーマ  戦争映画

 “クリストファー・ノーランによる実験的な戦争スペクタクル  「ダンケルク」
まず迫力の大画面で楽しみ、新しい構造を家で確認っていう中身だから新しい。”

 宣伝になりますけれど、あらゆるシネコンで上映されている本作を109シネマズ湘南で観賞するにはワケがあった。別サイトに1ページ加えるためもあるけど、最大の理由はIMAX。タイム・スケジュール的にも「三度目の殺人」との2本立ては、若者で賑わう辻堂まで来る必要があった。もっともこういった発想は、10年前には浮かばなかったよな。マルチ・チャンネルすら分からんちんなのに、もうオムニ・チャンネルの時代なんだとか。

 さて、是枝裕和の後にクリストファー・ノーランとは公開のタイミングが映画好きを意識してのことなのか?満腹を期待できるライン・アップで、期待を大きく上回ることになりました。本作が戦争映画として優れているかは不明ながら、今までなかった視点も取り入れているし、構造は実に興味深い。「メメント」っぽい小品を期待なんだけど、確かに新趣向に見える時間軸の使い方をしている。

 今まで見たこともなかったのは、主人公のトミーが野グソをしようとしているとこなんだよね。降伏勧告のビラをこれ幸いと使おうとすると、ドイツ軍が襲いかかってくる。もっとも実はラストに至るまでドイツ兵は姿を現さない。コレも気がついた点で、いろいろ“監督の意図したこと”に考えを巡らせられる。とは言ってもIMAXの大画面で、迫力の音にかき消されて画面に釘付け。

 「マッドマックス/怒りのデスロード」でぶっ飛ばされましたが、スペクタクルそのもの。両作ともトム・ハーディが出てきますが、本作の彼はパイロット。熱感知ミサイルとかない時代なんで、搭載している機銃で敵機を落とさなければならない。ロックオンしたらあとはお任せのコンピュータもないから、腕と知恵で戦う。もちろん弾が当たったから派手に爆発、なんてしないのも本作の持ち味で、とことん実態に即している(「紅の豚」がまだ見たくなった)。

 興味深い構造は3つの時間軸で物語が進行していく。1週間、1日、1時間が同時進行で、これは配信で動画を見る今に適応させようとしたのかも。「サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ」に出てくる監督は昔気質っぽいですけれど、「インセプション」とか「インターステラー」とか“多層構造を持つ時間軸”を物語に込めるのがうまい。いずれ配信になったら確認したい。

 観ていてキリアン・マーフィ(「レッド・ライト」)の出番が前後するから、ちょっと混乱するけど、最初に教えておいてくれてます。キーになる人物は民間船で救出作戦に参加する船長もで、マーク・ライランス(「ブリッジ・オブ・スパイ」「ザ・ガンマン」をぜひ)が演じている。戦争映画は20代が中心に描かれないと説得力を持ちませんが、本作では老若男女問わず出てくる。つまりすぐそこまでドイツ軍が迫っている証拠。


 背景とかはネットを調べれば、すぐに体内に取り込める時代だけに命からがらの戦闘シーンを中心に、スペクタクルにしている監督の戦略は正解。憎しみの対象をあえて画面から排除していることも吉と出ている。敗走だし非難されるかと思いきや、“生きて帰ればそれで十分”とは本作の重要なメッセージだと思う。なにせ反撃して勝利する作品はいっぱいあります。そうは言っても「英国王のスピーチ」が2011年、「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」が2015年、「プライベート・ライアン」に至っては・・・。

 昨今吸血鬼映画はご無沙汰していますけど、第二次世界大戦を描いた作品は定期的に観ている。公開が絶えないことの証拠でもあって、次に予定しているのはアンジェイ・ワイダの「残像」「ハクソー・リッジ」でも劇場で若い人を見受けましたが、みなさん“あんな目にだけは遭いたくない”と思うのか?それとも・・・。劇場スペックを最大限に活かしたことは間違いなくて、初日だからほぼ満席。現在の視聴環境も考慮したのでは?という構造も興味深いし、次こそクリストファー・ノーランには小品でいってもらいたい。

現在(9/9/2017)公開中  オススメ★★★★★
  

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