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英雄は嘘がお好き



     ここにテキスト

 



否定と肯定(字幕版) 寄生虫は根絶など不可能、
だから繰り返し観て、何度でも記憶し直す
 「否定と肯定」  
凛としたレイチェル、毅然としたトム、
腐臭を放つTVアイコンになりきったティモシー、
でもアンドリューは見逃せないぞ。
 

















  否定と肯定  

観賞劇場 TOHOシネマズららぽーと横浜 TOHOシネマズららぽーと横浜  

関連テーマ TOHOシネマズ・シャンテ  偉人伝  



   寒くなりました、風邪などひかないように、うがい手洗いを心がけて師走を乗り切りましょう。という時期ですから、街中にはジングルベルが鳴り響き、イルミネーションが輝き・・・。イヴェントなどにはまったく無縁のオッサンが、のこのこ来る場でないTOHOシネマズららぽーと横浜。とは言っても、もっと遠くのTOHOシネマズ・シャンテとなると一苦労ですので、人ごみに紛れてやってまいりました。  



      
 本作を観る気にさせたのはこのシンプルな邦題。これがフックになって、allcinemaでチェック。内容はユダヤ人女性の歴史学者から、その著書で非難されたホロコースト否定論者が、彼女を訴えた事件を描くのだそう。今年になってナチが絡んだ作品は「マリアンヌ」「アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発」、「ヒトラーへの285枚の葉書」で、1人もドイツ兵が出てこなかった「ダンケルク」まで含めると4本。そして次も「ユダヤ人を救った動物園 ~アントニーナが愛した命~」を予定している。


      
     
 ホロコーストに関しては年々知識が増している。「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」「謀議」「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」「ハンナ・アーレント」「顔のないヒトラーたち」などが昨年で、第二次世界大戦から70年以上経過しているのに減るどころか増える一方。もちろん個人的な感想ではありますが、批判できなくなっている以上、日本の政治は腐敗しているし、危機感からどうしても行くことになる。


 「黄色い星の子供たち」を読み返せば一目瞭然で、2011年の時点ではメラニー・ロラン目当てで観ていたんだもんね。そして本作の注目すべき点は歴史修正主義者とやらが出てきて、事件が1996年に起こっているということ。21年前にはTVニュースを見ていたハズで、この事実はまるで覚えがない。けっきょく本と映画で身体に染み込ませておかないと、なんら記憶に残らない動かぬ証拠です。  



       
   「世界を欺く商人たち」も本作観賞前には役に立つと思います。TVに出てきてペラペラとデマを垂れ流す、コメンテーターだか有識者だかのいい加減さが描かれている。本作に登場するのは歴史家デヴィッド・アーヴィングで、演じているティモシー・スポールはげっそり痩せて挑んでいる。「魔法にかけられて」とか「ラストサムライ」が分かりやすくて、ふっくらすると途端に憎めない人になりますから。  


女神の見えざる手  「女神の見えざる手」でも加齢臭というより、腐敗臭のするジジイを皆さん熱演でしたけれど、ティモシーも目一杯でたらめな寄生虫を演じている。ゲーテいわく“卑怯者は安全なときだけ居丈高になる”のだそうで、歴史学者のデボラに難クセつけて、知名度を得たいだけ。最初は相手にもしていなかったデボラながら、意を決してロンドンに赴く。5月の「光をくれた人」とは打って変わって今回のレイチェル・ワイズは凛々しい。


   「アレクサンドリア」にしてもこういう知的で、凛としたキャラクターは似合いますな。無理やり関連づければ、ご亭主のダニエル・クレイグが「ローガン・ラッキー」で共演したヒラリー・スワンクが、当初この役に予定されていたのだそうな。Wikipediaばかり覗いていては危険だなまったく・・・。あと2人重要なのがトム・ウィルキンソンとアンドリュー・スコット。  
     
     マイビューティフルガーデン(字幕版)  
   なんと「マイビューティフルガーデン」ご出演の両名ながら、データ漁るまで気がつかなかった。たいした化けっぷりで、トムは確かにジジイなんだけど、まともな弁護士で、アンドリューは切れ者。この裁判戦略が見事というのではなく、当たり前のことを粛々とやっていれば、勝訴するに決まっている。ただし、相手はTVのバラエティショーで視聴者=大多数を騙せる詐欺師だから、必ず弱点を突いてくる。  

   戦略は“情に訴えないで、法に則る”。ダイアナも担当したことのあるアンドリュー演じるアンソニーは、ホロコーストの被害者を法廷には出さない。その理由は劇中で説明されるけど、本作が訴えている事の一つでは?女王陛下とて暇人が興じるネタにしてしまわれる昨今、最も気をつけなければならない。当事者のデボラも黙っていろとはさすがで、“あの人が出張ったら、エジキにされるよな”と観ているコチラは察しがつく。  
    クィーン(字幕版)    
   その辺も含めて描いているのがさすがで、原作者のデボラ・E・リップシュタットは記憶に残る人。そして彼女を支えた弁護士チームも素晴らしい。ま、ヒトラーに屈しなかった国で、こんな裁判やるとはおバカさん。恐らく証言がデタラメだし、ある種の精神疾患があるのかもしれない。恐ろしいのは究極のヒマ人=TV視聴者にチヤホヤされると、いい気になって居丈高に・・・。  

       
     
   ウィルスが根絶不可能なように、この種の人々は何度も突然変異して現れ、我々に猛威を振るう。サイコパスが25人にひとりいるように、6割の人が権威者であれば、嫌な奴の命令でも従うように、身の回りをグルッと危険が取り囲んでいる。でも、繰り返し観ることで忘れないこと。毎日をビクビクしながら生きることなんてない、備えあれば憂いなしってことで、知っていることで少なくとも憂いは解消される。娯楽作から遠ざかっているな。

現在(12/8/2017)公開中
オススメ★★★★☆
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