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湯を沸かすほどの熱い愛

  湯を沸かすほどの熱い愛

 

 宮沢りえは“三井のリハウス”のCMで注目され、「僕らの七日間戦争」でスクリーンデビュー。とんねるずの番組でコントを披露などして人気が急上昇。あっと驚かされたのが写真集santa feで、通勤の電車で隣の人の読んでいる新聞に、デカデカとあのヌード写真が載っていたのは鮮明な記憶。といったところまでは40代ならスラスラと言える彼女の履歴じゃないかな?(おとーさんに聞いてみましょう)。

 

 その後は2006年の「花よりもなほ」までご無沙汰だった女優さんで、いつの間にか“お母ちゃん役”がピッタリになっている。是枝裕和アチラでも既に子持ちの未亡人でしたが、今回は家をしっかり守る強い女性。男の理想像なんて日本のどこにも存在しておりませんが、DVを本質に持つ男が太刀打ちできない責任感と、強さを備えた女性像を彼女は体現。先月の「ジェーン」なんて鬼と化したナタリー・ポートマン

 

 本作に至る経緯はクロックワークスのページ経由。ギャガ(GAGA)は快進撃ですけれど、アスミックエースだって「永い言い訳」が良かったし、自分に合った良作に至る道は多種多様です。ま、消去法なんですけれど、TVドラマの延長線上っぽい作品は即座にスルー。というよりトシなもんで、時間を有効に使わなければならないのが実情。是枝裕和を筆頭に荻上直子も当然ながら、今後は西川美和も加わったし・・・。

 

 「銭湯の女神」を読んだことも本作に目を向ける契機を作ったのかな?お風呂をテーマにした作品で最もヒットしたのは「テルマエ・ロマエ」だと思いますが、銭湯の映画はほとんど見ていない。子供の頃にはよく行きましたが、大人になってお世話になるのは引越しの時。ガスは翌日にならないと無理なので、近所で入ったことは何度もある。つまりいろんな商売が廃れていますけど、健在なのでは?

 

 立派な銭湯が舞台ですけれど、本作が描くのは難病と家族の絆。真知子ちゃんなら中指立てて笑いそうなネタですが、オッサンだけに弱いのです。宮沢りえ演じるお母ちゃんは手遅れのガンを宣告され、残された家族のために奮闘。「死ぬまでにしたい10のこと」もずいぶん経ちましたけど、若い方にオススメです。自分のことで手一杯の男とはぜーんぜん違う。

 

 逃げた亭主を呼んできて、学校でいじめ抜かれている娘の安澄に、立ち向かう勇気を持たせる。情けない亭主を絶妙に演じるのがオダギリジョーで、「奇跡」とはチョッと違う感じなんだよね。×××でぶっ叩かれるところが実に可笑しい。また以前から人によってはそうですけれど、学校は監獄となんら変わらない。いじめの実態だけでなく、それを醸成する空気が蔓延していることも本作は描いている。

 

 TV視聴者が目を背けている“おぞましい”実態ながら、安澄は仕返しすることなく負けなかった。もうオッサン泣けてきちゃって、帰ってくる娘をハラハラしながら待つ親の心境ですよ。でもいじめっ子を演じていた3人はエライと思う。なんでもバラす、面白おかしく食べ散らかしたら捨てる日本で、ああいう役に挑むんだから。長女だけじゃなく、亭主が連れてきた鮎子もひっくるめて面倒みちゃうお母ちゃん。「しあわせの隠れ場所」のサンドラ・ブロック顔負けです。

 

 探したって仕方ない“自分探しの旅”をしている青年まで巻き込んで、涙が止まらない仕掛け満載。久しぶりにドバドバと泣けてきた。だってさ、実の娘じゃないって隠し球があって、それが手話を・・・。ぜひご覧になってご確認を。あまりクドクド書けませんな。それにしても宮沢りえの女優根性には圧倒されます。もともとガリガリ(「オリオン座からの招待状」を参考までに)で、「終の信託」の役所広司よりやつれ果てて、“正視に耐えない”くらいまでやってしまっている。最後の瞬間も美しい描写で逃げていない。

 

 ラストに至るまで現実に立ち向かう“我々の隣人”を見事に描いていて脱帽してしまいましたが、ベタなタイトルがなかなか出てこない。「トイレット」に近いですけれど、オッサンは呆然と劇場を後にすることになりました。確かに遺された家族にとってアリだろうし、銭湯だけに火力も十分だから・・・。1作でこの監督を判断できませんので、「チチを撮りに」も見なければ。

 

現在(11/1/2016)公開中
オススメ★★★★★

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関連作

  チチを撮りに

 

 「虐殺器官」終了後、13時間してアミューあつぎ映画.comシネマで本作に臨む。つくづく“何やってんだオレ”ってことになりますけれど、時間は有限。久しぶりに日光の下を歩くのは身体に良いと感じます。身内の不幸が本作のテーマかな?昨日森田芳光「キッチン」に感心して、家族の絆をテーマにした作品が続いている。ただ幼い頃に別れた父の葬式に参列するとは、「海街diary」の冒頭部分そのもの。

 

 

 

 身内の不幸は「湯を沸かすほどの熱い愛」に受け継がれているテーマでもあるけど、この監督のテイストを確認してみたかった。既にパッケージ化されていて(渋谷のTSUTAYAにしかないけど)、配信でも拝める。なれど、「フランシス・ハ」でつくづく劇場観賞に優るものはないと思い知らされて、Twitterでは“監督の昔の作品を最新作と共に上映とはとてもよい”と煽られたら来るしかない。

 

 

 ミニシアターならぬ、名画座で上映されていたかのような作品を拝めるのは何よりの体験。別にお金をかけたからって面白く仕上がるワケではありません。お姉ちゃんは昼キャバでバイトしていて、妹は学校をサボって川原で昼寝。お母さんのお仕事も現実離れしていない。これは低予算を逆手にとった戦略で、悪くないのだ。ちゃんと唖然とするマグロの特撮も入っているし。

 

 漠然とですけれど、この監督はアッバス・キアロスタミ(「ライク・サムワン・イン・ラブ」)に影響されてるのでは?わざとらしさはないし、たいていの映画が“不謹慎狩り”を恐れてためらう笑いを込めているし、煩わしいというか、気まずいシーンも多々ある。姉妹も子役も人工的な感じがないし、この辺りは是枝裕和作品と見比べるのが面白いかもしれません。

 

 

 ただし、ココからは感激の感想文になってしまいますのでご容赦ください。いつもの前説で「相模原などでロケされて、皆さんの近所が映っているかもしれません」とあって、気楽に眺めていたらビックリ。いつも通勤に使っている御殿場線が映ったかと思えば、自分の家が映っている!続いて隣駅の足柄が出てきて、祖父母を送った火葬場まで。

 

 映画館と観客の文化史に“ニッケルオディオン期直前の(1904年)ころまでよく製作されていた人気「ジャンル」のひとつ、「ご当地映画」(広義の「実景映画」)”と記されていますが、まさにその体験をしていることに興奮。その勢いでもう何年も買ってなかったパンフレットを購入、「あれ、俺んちのコト載ってないじゃん」となり、配信映像を即購入。

 

 

 まぁ、こんなことは二度とないでしょうけれど、まさに得難い体験。まさか劇場で拝んだ作品をそのあとすぐ、タブレットで見るなどというのは前世紀では考えられない。まさに“運命の出会い”が起こった滅多にない1日。年明け1本目の「シーモアさんと、大人のための人生入門」も当たりでしたが、アミューあつぎ映画.comシネマ恐るべし。次は「アスファルト」が良さそう。

 

現在(2/6/2017)公開中ですけれど、2/10までです
オススメ★★★★★
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