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ウォークラフト

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 「ミッション:8:ミニッツ」からはや5年、ダンカン・ジョーンズの新作が登場。そしてお父さんデヴィッド・ボウイが亡くなったのは今年の1月か。ここ数か月倉庫で「地球に落ちてきた男」を目にする。ヒット曲の“Let's Dance”はピタリ同時期に聴いていて、「ハンガー」など人間離れした美貌の持ち主。「バスキア」ではアンディ・ウォーホルになったり、劇場では「プレステージ」が最後だった。

 

 本日は七夕、TOHOシネマズ小田原周辺はわりと静かだけど、みんな平塚に行ったのかな?関係ないけど、昨日村上龍著日本の伝統行事 Japanese Traditional Eventsを衝動買い。ま、ものの見事にネットの広告にハマった。でも、紙の本の良さを昨今かみしめているだけに、戸越銀座でつかまえての後じっくり楽しみたい。なぜか去年も七夕に観ているけど、どれもロマンティックとは無縁。日本の伝統行事を廃れさせているのは他ならぬ我々。

 

 さて、せっつくIT機器、肉体労働でクタクタ、関連作探しもままならぬ今日この頃、私めに本作を選ばせたのは、もちろん監督の才能。ただし前2作はインディ系で、宣伝されているように3作目にして大作に挑戦。でも昨今は遅いくらいの出世と捉えられてもおかしくない。「GODZILLA ゴジラ」のギャレス・エドワーズとか「ジュラシック・ワールド」のコリン・トレヴォロウがいるし。

 

 で、冒頭からどう出るか興味津々だったけど、字幕担当が林完治でムムッとなり、オーソドックスな劇伴にワクワクしてしまった。続いてキャラクターが出てくると、当然CGを交えているんだけど、質感が進歩しているように見える。ここが劇場観賞の効用で、一旦停止してしげしげと確認できない。原作を世界的大ヒットRPGに持つことも強みで、ゲームをやっていない中年はわざわざ突っ込むこともできずに“ま、ゲームに目くじら立てても”といった姿勢で、ぐいぐい“お約束の世界”を楽しめる。

 

 平和な王国アライアンスに異世界のオークが大挙して攻めてくる、それも邪悪な魔法を独占している化け物じみたワルの手引きによって。もう「ロート・オブ・ザ・リング」って決定版があるんだから、何もわざわざなどと言ってはいけない。史劇的コスプレを廃れさせない方便として、若い人が入りやすいゲームを原作にするのは戦略として間違っていない。

 

 もうぜひ派生してオススメなんですけれど、「エクスカリバー」から入って、実録モノっぽい「キングアーサー」とか、笑える「ロード・オブ・クエスト〜ドラゴンとユニコーンの剣〜」などもツマんで頂きたいなぁ。「スノーホワイト/氷の王国」にもカップルを結構見かけたし、内容が“濃すぎない”Aクラスの作品は貴重です。なお帰って「ウィロー」を見てみたんだけど、CG使用前の描き方との違いが楽しめます。

 

 本作でオッサンを喜ばせたのは、オーソドックスな“Aクラスの造り”だけではなくキャスト。「疑惑のチャンピオン」観に行けないんだけど、ベン・フォスターの魔法使いが若くてよい(「360」「メカニック」なんて遠い昔)。ドミニク・クーパーの王様も弱そうな強そうな実に微妙なバランスだった。この人の場合「ドラキュラZERO」なんてワルもできるのに、ニクイ変身。

 

 私めにとって目玉は「2ガンズ」以来お見限りのポーラ・パットンで、ナイスバディをニヤニヤして堪能。全身緑色で「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のゾーイ・サルダナといい勝負。そして発見は凄腕騎士ローサーになったトラヴィス・フィメル。もうアレヴィゴ・モーテンセン同様に今後引っ張りだこになること請け合い。強くてカッコ良く、皮肉たっぷりだけど息子を…。ラストの一撃必殺のシーンにはガッツポーズ、もっともやられちゃう方はなんと「ハイランダー-悪魔の戦士-」のクランシー・ブラウンだったとは。

 

 ゲームの映画化で最も成功しているのは「バイオハザード」という認識はそれほど的外れではあるまい(Yまであるそうだし)。だけど、ハッキリ言って別物なのだと若い人からご教授いただいた。“RPGって没入すると帰ってこれなくなっちゃうよ”と諭しているのが「アヴァロン」で、監督の押井守は脳内ネットワークを物語に組み込んで、今年「ガルム・ウォーズ」をリリースしている。

 

 確かに決定打のアレがあるから、集客を狙うのは難しいかもしれないけどダンカン・ジョーンズにとって挑戦し甲斐があったハズ。この人が担当するなら続編をぜひ拝みたい。マイケル・ベイだって2007年の「トランスフォーマー」から10年関わっているし。ま、音沙汰ない「エラゴン 遺志を継ぐ者」という例もあるけど、「リディック:ギャラクシー・バトル」という執念のシリーズもあるしで、ぜひ次回は「サラマンダー」に負けないドラゴンを登場させてほしいものだ。

 

現在(7/7/2016)公開中
オススメ★★★★☆

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  ウィロー

 

 コレを新宿の劇場で観たのはもう30年近く前なのか、という感傷はオッサンのものですけれど、若い人にはぜひCGで埋められている画像の最新作「ウォークラフト」と見比べていただきたい。テクノロジーが映画に導入されるのは、コスト・パフォーマンスが最大の理由で、画造りを優先できる作品はかなり恵まれている。当時はこの方法しかなかったから使われているけど、スケールという点で見劣りしない。

 

 本作の後に決定版の「ロート・オブ・ザ・リング」があるわけですけれど、ホビット族を特殊効果ナシで登場させるとこのようになる。「スター・ウォーズ/ジェダイの帰還」に大挙して登場の面々にとっては晴れ舞台。なかでも主人公ウィローを演じたワーウィック・デイヴィスは売れっ子で、データを漁ると「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」にもハリー・ポッターシリーズにも出演している。

 

 てっきり騎士役のヴァル・キルマーがウィローなのかと思い込んでいたけど、魔法使い見習の方が主役。これは当時としてはけっこう新鮮でしたね。原作がジョージ・ルーカスだけに神話を溶かし込んだ独特のストーリーになっていて、テーマ曲の担当のジェームズ・ホーナーもよく心得ていて、冒険活劇ならではの仕上がりにしている。そしてまとめたのがロン・ハワードだけに全体が濃すぎず、押しつけがましくない。

 

 もっとも黒澤明の血が流れているのは、馬が疾走しているシーンでビビーンとくる(「隠し砦の三悪人」がモロです)。アカデミー視覚効果賞にもノミネートされているが、ラジー賞にも引っかかっている。揚げ足とるみたいでナニですけれど、「世界で一番パパが好き」「レディ・ソルジャー」などそんなものかなぁ?と素朴に思う。ダンカン・ジョーンズは“大作は合格ラインで、インディ系はとことん好き勝手やっちゃう”ロン・ハワードの二刀流で行くといいかもしれない。
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