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ザ・ウォーク

ザ・ウォーク   ザ・ウォーク

 

 予告編は2Dだったし、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが出ているからちょっと観てみるかという姿勢だった。ところがサイトで上映時間を確認するとMX4Dでの観賞になる…。ホラー映画を見ない半端な映画好きは、高いところもダメ。ビビりましたよ、いつの間にTOHOシネマズ川崎に導入されたのか。確か去年「ジュラシック・ワールド」に行った時はなかったハズなのに。

 

 余裕が吹き飛び、戦々恐々の観賞に早変わり。まぁね、既にドキュメンタリーの「マン・オン・ワイヤー」があるし、クライマックスがただの綱渡りじゃあお客さんを呼び込めない。見世物小屋どころか“体験アトラクション小屋化”でもしない限りは、“幼少期の大切な思い出はディズニーランド”の20代を引っ張ってこれないよね。とは言っても平日の初回だったから、大人ばかりだった。

 

 で、このスタイルを最初に拝んだのは「ジュピター」で、以後ご無沙汰。水をぶっかけられたり、背中に指圧されたりと眠気も吹っ飛ぶ仕掛けだった。予想できるのはまず間違いなく、綱渡りのシーンで観客に当の本人=フィリップ・プティに近い体験をご提供するというもの。もっとも上映時間123分全部をそれに費やすわけにはいかないから、それまでジョセフが引っ張っていかなければならない。

 

 「(500)日のサマー」以来気になる役者さんで、とうとう実験的大作を引っ張っていくまでになったのね、と唸ってしまう実力を身に着けた。ドキュメンタリーは本作の後で見たんですけれど、双方試してみる価値はあります。ま、綱渡り師とは大道芸人で、親が喜ぶわけもなく、家を追い出されてサーカスに弟子入り。人の言うこと聞かない自信家だけにソコも飛び出して、パリの街角でせっせと稼ぐ。

 

 恋人との出会いなんて、ちゃんとデートムービーの要素も入っているのは劇映画の特権。彼女役がシャルロット・ルボンで、「マダム・マロリーと魔法のスパイス」のあの娘だと分かってニンマリ。もう一人嬉しくなったのがベン・キングズレーで、「しあわせへのまわり道」に続いて先生役が続きましたな。彼が出ているからか「ヒューゴの不思議な発明」をふと思い出したりして。

 

 映画に憑りつかれた大道芸人はチャップリンですけれど、古い記録映画には綱渡りを映したものがある。それを最新テクノロジーを使って観客にご提供できるんだから、ロバート・ゼメキスがやる気になるのも納得。そして見逃した「フライト」もなんですれど、わざわざ9.11をアピールしない代わりに、観客それぞれが思いを馳せるようにしている。

 

 予想できた根底にあるテーマは観なくても分かりますが、クライマックスがですねやはり凄い。こればっかりはぜひ劇場で、ご自身の五感を通じて体験していただくしかない。最初は「うわっ空を人が歩いてる!」と感動すら伴っていたのに、あんな所で綱渡りしようとする人ですから変わってます。彼が行ったり来たりしていると高い所ダメなんで、だんだん「早く戻れよ、もう分かったよ」となったりして。

 

 映画はあの手この手で観客を沸かせることに年月を費やしてきたんだね、と今さらながら気づかされましたよ。奇行とも呼べるこの人のことは、アチラで補うことができます。外は寒くて乾燥していたせいか、観終った後はのどがカラカラ。ワリと映画を見ている方ですけれど、さすがにノドの渇きを覚えたのは初体験。この仕掛けが普及するとは考えにくいけれど、劇場で体験するしかない作品であることは間違いない。

 

現在(1/25/2016)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  マン・オン・ワイヤー

 

 劇映画「ザ・ウォーク」の後にコチラを観賞、優劣云々より2作品を試してこの事件を知るだけでなく、フィクションとノンフィクションの違いなども分かった気になる。昨今拝んだ「完全なるチェックメイト」「ボビー・フィッシャー/世界と闘った男」「白鯨との闘い」「白鯨」など、相乗効果でより記憶に定着させるには良い材料かもしれない。

 

 本人のフィリップ・プティが出てくるけどクレイジーな大道芸人なんだから、お話しとして自己の体験を人々に分かりやすくまとめるのはチョイと難しい。それにアチラのクライマックスは映像として残されていないんだから、ロバート・ゼメキスが乗り出すのもうなずける。また本作の監督はシャープに描いていて、TV番組にならない仕上がり。ちょっと「ザ・コーポレーション」に近いような。

 

 好意的に見れば人間の可能性を人々にご披露した人物。ITならスティーブ・ジョブズで、ダイビングならジャック・マイヨールなのだ。もちろん見方を変えればはた迷惑で素っ頓狂には違いない。ただ70年代には人々に許容する余裕があったコトが図らずも見える。なーんでも禁止、破った者は残らずテロリストって禁煙運動をダシに人々を締め付ける連中はそれほど目立ってなかった。

 

 昨今「ハーモニー」の原作を読んでいて、“最初に禁煙運動を始めたのはナチ”だと記されていて、深く考えてしまいます。ロバート・ゼメキス監督作「コンタクト」では宇宙人に“人類最初のTV中継はヒトラーの演説”が描かれていて、TV視聴者=ファシストとは考えすぎかなぁ。
オススメ★★★★☆

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