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SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁

  SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁

 

ネタばれです、ご観賞後にどうぞ。またちょっと長くなっています。

 

 ベネディクト・カンバーバッチという役者を初めて認識したのは「スタートレック/イントゥ・ダークネス」でカーンを演じた時。もっとも既にこの人のファンからすれば“遅すぎた”ことになる。やはり決定打は「SHERLOCK/シャーロック」なのだ。我が国で一般的な人気があるかは不明ながら、現在働いている倉庫にはそのコミック版、この人が表紙になった英会話の本などが見受けられる。

 

 もし先にアレを見ていれば、この人に期待される役は“頭のいい人”だから、ジュリアン・アサンジアラン・チューリングも期待を裏切らない守備範囲。そして相棒のワトソン役、マーティン・フリーマン主演の「ホビット/竜に奪われた帝国」で共演するとなれば、ファンは劇場に詰めかけますよね。後付けでなるほどねぇと思うこと多々あり、トシですから無理しても体力に限界がある。

 

 さてTVドラマの映画化は2013年の「劇場版 SPEC〜結(クローズ)〜 爻(コウ)ノ篇」以来。とは言ってもシリーズはDVDで見たわけで、その時点で既に“TVを見る”という習慣自体はなくなっている。劇場版の内容もコア層を狙ったというより、集客が見込めるイヴェントの色合いが濃かった。正直この手の仕掛けも限界なのでは?という気でご無沙汰してました。

 

 まぁ「メンタリスト」を長編にしても仕方ないですからね。また本作もスペシャルを上映という形式。ただし、観に行く前にHDDに突っ込んでおいたシリーズを見直して、身体が“SHERLOCK/シャーロック体質”になっているとウズウズする。で、冒頭に脚本のスティーヴン・モファットがアレコレと解説を始めると、ニヤニヤワクワクになった、DVDのコメンタリーを楽しんでいる身としては。

 

 オススメは「シドニアの騎士」のDVD6巻や「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション」などキリがありませんが、かなり楽しめます。で、スティーヴンが教えてくれた中で、ホームズ氏が活躍した時代は“男が料理をしなかった”のだそうな。「黒執事」「フロムヘル」などこの時期を描いた作品はワリと見てきたけど、気がつきませなんだ。更にこれが伏線なんだよね。

 

 そして肝心の内容ですけれど、もうホントにファンサービスに徹している。むしろ後付けで好きになった人は、さっさと帰ってリリースされているDVDを見たくなること請け合い。ま、“SHERLOCK/シャーロック体質”などとほざいておりますが、実はシーズン2までしか見ていなくて、にわかファンだけにお楽しみは100%ではありません。シーズン3まで見たうえで参加するのが正しい。

 

 もっとも劇場公開に踏み切った角川映画(40周年なのだそうな)はなかなかの英断だった。悪くないですよ、メイキングで締めくくっていて、好きな人は家に帰ったらSHERLOCK/シャーロックにひたる時間が始まる。今までDVDのコメンタリーなどを試していなかった人に、中に詰まっているコンテンツを紹介する意味でも。なにせ私めはマイクロフト役のマーク・ゲイティスが脚本担当だって知らなかったし。

 

 DVDの楽しみ方を喚起させるだけでなく、やはり英国が生んだ名探偵を若い人に紹介していく側面も本作は持っている。これは2010年辺りの“日本アニメーションの新しい試み”に近い。既にあるけど、今の人たちが摂取しやすいように作り直す。この体質になると、ロバート・ダウニー・Jr版がひょっとして逆だったのでは?という気になるんだよね、ジュード・ロウがホームズだったらもっとしっくりしたような・・・。

 

 冒頭の解説に関連してのことなんですけれど、それが本作のテーマになっている。“女性参政権”がそれで、“男が台所に入らない”は表面的なこと。この当時は性差別が日常で、兄のマイクロフトがシャーロックに「彼らが正しい」と告げる。奴隷制を合衆国より先に廃止したのも大英帝国(「アメイジング・グレイス」「リンカーン」がオススメ)。エライとかではなく、この古だぬきの“したたかさ”には学ぶべき。

 

 本作には無関係ですけれど、つい先日家の車2台がパンクさせられた。ホームズ氏が“退屈”とパスしてしまう事件の方が日常で、よくよく考えると深刻。「ラストワルツ」P83で“犯人たちは、地方に住んでいながら、何らかの理由で「コミュニティ」を持たない、あるいはそこから弾かれた人々かも知れない”と記されている。エッセイから推理を導き出すのもどうかしてますが、思い当たるフシがある。

 

 今の仕事は恐ろしいくらいの単純作業なんだけど、それでも務まらない人がいる。「あいつ使えないから3日でクビなった」とか皆さん喫煙室で話してるんだけど、辞めたからって、どこか遠くの国に帰るわけじゃない。同じ県内で暮らしているし下手すれば町内だ。ディーパンみたいならともかく、仕事がなければたいがい外国人は帰国します。TV洗脳がたきつける迷信は、現実を見えなくしてしまう。

 

 単純作業から弾かれた人は、時間余ってるし犯行に及ぶ可能性は高い。“犯罪教唆”としか思えないTVのニュースショウで目立てるしね。「伊集院大介の私生活」が通用する牧歌的な時代はとっくに過ぎ去っていて、警察をアテにできるわけもなし、やれやれです。でもミスディレクションを排して、トリックを見破る恐ろしく現実的な名探偵のお話は“冷静に考える”ことを教えてくれる。

 

現在(2/23/2016)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  SHERLOCK/シャーロック シーズン2

 

 シーズン1のラストは宿敵登場でスパッと終わるTVドラマらしいエンディングで、コチラはホームズ氏にとって運命の女=アイリーン・アドラーが現れる。アイリーンを演じるララ・パルヴァーのナイス・ボディで、シャーロックもノックアウトされちゃう「ベルグレービアの醜聞」はかの国の王室を巻き込んだエピソード。これって「バンク・ジョブ」じゃんなどとニヤニヤしてしまう。

 

 また例の犬のエピソードを現代風にアレンジした「バスカヴィルの犬(ハウンド)」は中身もさることながら、ホームズとワトソンの珍道中が楽しい。どこか「スティーヴとロブのグルメトリップ」っぽく見えたのは気のせいか?かように楽しみ方は人それぞれになっております。もちろん宿敵モリアーティとの対決がクライマックスで、オチが分かっているのに面白いとはさすが。
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  伊集院大介の私生活

 

 世界的に有名なホームズ氏も好きですが、私めにとっての和製名探偵というと、明智小五郎、金田一耕助を差し置いてこの人になります。生みの親の栗本薫氏も亡くなっているのですな、嫌でも月日は過ぎていく。コレを読んでいた時、オレは二十歳そこそこだった、はドーデもいいですが、アマゾンで取り寄せて試しに読んでみてはいかがでしょう(本屋さんがなくなりつつありますからね)。

 

 ホームズ氏とこの伊集院大介には似ている点と、似て非なる点がある。もちろん頭脳明晰で鋭い洞察力は全く同じですけれど、大介は“殴るのを我慢しなければならない”誰かさんとは違って、“人間へのわけへだてない共感”の持ち主だけに、“たいへんに人に好かれる”という人物像。よって退屈だから依頼を断るどころか、たまたま入った食堂で見かけた人の犯行を、未然に防いだりするお話が出来上がる。

 

 この短編集の中で最も好きな“伊集院大介の一日”にはそんなエピソードが込められていると同時に、犯人を即答してしまう能力も描かれている。驚異的な情報収集能力の成せる業なんだけど、21世紀だったら間違いなくネットからだよね。そうそう“伊集院大介の初恋”などを読むと、ホームズ氏とアイリー・アドラーのエピソードなどがパッと思い起こされたりします。

 

 これを自炊して電車の中でニヤニヤしながら読み耽っておりますが、21世紀の若者にリーダブルか?となると難しいでしょう。朝一番にこの名探偵がやることは“コーヒーを淹れ”、“レコードをかける”ですけれど、後者をイメージできる年齢は限られる。これは映画の方が強みの部分なのだな、と余計なことに感心。“私鉄沿線の商店街”と書いたところでいつまで大丈夫なのか。

 

 「電子書籍についての15の考察〜次世代にいかに情報を引き継ぐべきか」の中で“プロモーション次第でかつてのベストセラーはよみがえる”と記されていますけれど、若い読者にイメージを喚起できない描写の部分にリンクを貼っておくというのはどうか。CD、DVDはリマスターを施して売り込んでいるし、出遅れた本も作品を楽しむためのナニかをしても良いのでは?面白いことは間違いないんだから。
オススメ★★★★☆

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