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永い言い訳

  永い言い訳

 

 もう何人目になるのか?涼しい顔してスルーしてきた映画作家との“遅きに失した”遭遇は。レンタル屋で働いていた頃から名前は知っていた西川美和を、劇場で初体験。確実に貸出は良好だった気がするけど、公開初日のTOHOシネマズ小田原はそこそこの入り。ここ数年困るのは“やった、見つけた、遅かった”とお気に入り登録しても、その後追いかけるだけの時間も体力もなくなっていること。

 

 ま、自分の衰えを見せつけられちゃいます。ミシェル・ゴンドリーの「グッバイ、サマー」はまだ上映してるでしょ、ファティ・アキンの「消えた声が、その名を呼ぶ」はこの前DVDでやっとだし、オリヴァー・ヒルシュビーゲルの「ヒトラー暗殺、13分の誤算」は未だ見ていないし、スサンネ・ビアも「真夜中のゆりかご」すら未見のまま日々を送っている。30代の真知子ちゃんが羨ましい。

 

 個性的な日本映画の女性監督であれば、河瀬直美も「萌の朱雀」すら放ったらかし。片っ端から見ているんじゃ?と思える、allcinemaに投稿されている常連の方々には頭が下がる。ま、私めの場合荻上直子だけは別で、新作の「彼らが本気で編むときは、」は間違いなく劇場に行く。それにしてもデータ的には是枝裕和「DISTANCR/ディスタンス」でキャリアをスタートさせた、この人を無視していたのは痛い。

 

 さて、中身なんですけれど師匠が撮った「海よりもまだ深く」が並行観賞に向いている“大人のクセに子供のまんま”男が主人公。もう若い人にシブがき隊などと言っても「知らないっす」と返される21世紀、映画俳優:本木雅弘はその美貌も含めてパーフェクトだった。「僕が結婚を決めたワケ」などは四十路坊やなんですけれど、彼はもう五十路です。

 

 お話は“むむ、これ良さそう”の予告編通りで、TV出演もする作家=衣笠幸夫が浮気している時に奥さん亡くしてしまって、そのお友達=大宮さん一家と関わることになる。奥さん役の深津絵里も「1999年の夏休み」から観てきたもので、ため息出ちゃいますけど、幸夫のキャラクターを浮き彫りにする大宮一家を演じる面々は芸達者だ。お父さん役の竹原ピストルはイイですよ(「海炭市叙景」を再見しないと)。

 

 もちろん師匠があの人だけに、子供の描き方なんて素晴らしすぎる。“大人のクセに子供のまんま”男が幼い兄妹と接していくうち、幸せを感じ母性に目覚めていくシーンは愛に満ちている。また幸夫のいい加減さを補完する役で、アレにも出演の池松壮亮が出てきますが、モロに被る感じをわずかながらズラして演じている。“人ってのはね、一人じゃ生きてはいけない”この当たり前を説得力をもって観客に提示している。

 

 また“亡くなった人は帰ってこない、前に踏み出さなければ”の部分に涙してしまう。父ちゃん=陽一がトラックの中で“妻への想いを区切る”シーンと、幸夫が車中で書き記して初めて気がつくシーンは大人向け。“男はどいつもこいつもダメなのね”とつい最近「ある天文学者の恋文」を観たから余計に感じるんですかねぇ。そうそう田舎の駅で“あんな立ち食いそば屋がまだあったのか”と食い入るようになった。ぜひご覧になってご確認を。

 

 さらに見所はもっとあって、陽一が急接近する鏑木先生、チョッと気になって調べると演じているのは山田真歩。あの「レンタネコ」で受付嬢をしていた彼女、芸達者です、英国王と同じ吃音持ちなれど印象的。で、彼女が大宮家の食卓に参加した時に修羅場が始まるんですけれど、母性に目覚めた幸夫が“刺すような視線”をするんだよね、さすがは本木雅弘。彼の「RAMPO(奥山バージョン)」をもう一回見たい。

 

 ラストは「海よりもまだ深く」と印象も意味合いも違って、どちらかといえばコチラに軍配が上がる。けっきょく帰ってすぐに「ディア・ドクター」で驚いて、困るんです。だって追いかけたいけど時間ナシ。なんとなくなんですけれど、この人と是枝裕和の関係って、押井守神山健治みたいなのかな?確認するためYouTubeを漁るって無茶な行動に出ずに、「蛇イチゴ」からボサっと見ることにしましょう。

 

現在(10/14/2016)公開中
オススメ★★★★★

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  ディア・ドクター

 

 枠組みはサスペンスなれど、見方を変えるとドキュメンタリーでは描けない日本の地方を真正面に捉えた作品。話題には事欠かないでしょう、笑福亭鶴瓶が主演というだけでも。ま、「僕達急行 A列車で行こう」の瑛太が出ていることで、私めなどは“大丈夫”と思ってしまう。キャストはかなり豪華で、八千草薫を筆頭にバランスをとるのが難しかったのでは?チラッとだけど中村勘三郎も画面をさらっちゃう。

 

 岩松了と松重豊が出てきて、もしオダギリジョーまでだったら「熱海の捜査官」になってしまうところだった。香川照之までとは経年熟成する可能性がある。映画だと「ココニイルコト」でしか見たことない鶴瓶師匠は、素人っぽく映るのが肝心。その辺はご覧になってご確認を。それにしても町長役の笹野高史(「隠し剣 鬼の爪」)はいいけど、河原さぶ(「帰ってきた時効警察」)に村人のモブキャラは無理だよね。

 

 時制を前後させて描くやり方は、観客を釘付けにするスタイルとしては間違っていない。ただし、無医村がどれだけ心細いかは、田舎に住んでみないと分からない。現在静岡県駿東郡小山町に在住ですけれど、ココにも町長が呼んできたお医者さんが開業している。よって本作で“むむ、やるな”と感じるのも村の人々、特に爺さん婆さんの描写なのだ。「バーニー/みんなが愛した殺人者」が一番近い作品のような気がするんだけど。
オススメ★★★★☆

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