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奇蹟がくれた数式

  奇蹟がくれた数式

 

 本作で描かれるシュリニヴァーサ・ラマヌジャンという名を目にしたのは「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」のパンフレット。18年前のことですけれど、頭の片隅にあって、天才的な数学者として紹介されていた。人工知能に関しては“人間のヒラメキまで模倣できるものか”と頑なに思っている昨今、コンピュータは数式によるカラクリという認識も手伝って(「ビッグデータと人工知能 - 可能性と罠を見極める」)気になっていた1本。

 

 公開は10月でスルーしちゃいましたが、アミューあつぎ映画.comシネマのおかげで観ることができた。だいたい月一のペースで来ているコチラでは、本作に出演しているジェレミー・アイアンズ主演の「ある天文学者の恋文」も上映中。お客さんもキチンと入っていて、12:05の回は客席が半分くらい埋まっている。ラインアップは映画好きを満足させるもので、「チチを撮りに」は配信ではなくココで観てみようか。

 

 「ムトゥ踊るマハラジャ」からずいぶん経ちまして、かの国が舞台になった有名どころは本作主演のデヴ・パテルの「スラムドッグ$ミリオネア」も2008年作。去年「めぐり逢わせのお弁当」を見ましたけど、私めの情報は学校で習った「ガンジー」からあまり更新されておりません。雰囲気は「トリシュナ」も参考になるかもしれませんが、英国とインドの関係はまるで実感できない。

 

 ただし本作では実にそこんトコが肝心で、もしラマヌジャン氏がケンブリッジ大学のある英国の植民地に生まれなかったら、彼の発見した定理や公式は現存していなかったかもしれない。Wikipediaを覗くと事実とはチョッと違うみたいですけれど、私めの好きなテイストで描いてくれたことに感謝。先生役が似合うジェレミー・アイアンズですけれど、アレアレも恋愛モノ。

 

 今回のジェレミーはホントに教える人なれど、人間嫌いのG・H・ハーディ。もっとも教える相手が天才なので、直感で閃く数式そのものではなく、それを証明することを教える役割。モロにアレロビン・ウィリアムズに被るんですけれど、マット・デイモンベン・アフレックはこのエピソードを知っていたのか?ぜひ2作品を並行してご覧ください。

 

 ま、どれだけラマヌジャン氏が凄いかはサッパリ分かりませんが、それでも当時の文化であるとか、大学教授たちの生態は楽しめる。呼び寄せたハーディ教授だけでなく、トビー・ジョーンズ演じるジョン・リトルウッドが人間味のあるキャラクターで良いのです。「ザ・ライトエクソシストの真実」の時に近いですね、「ロード・オブ・クエスト〜ドラゴンとユニコーンの剣〜」の人とは思えない。

 

 内田樹氏のTwitterを眺めていると、大学教授は雑事に追われてまともな研究が進まないんだとか。学者が言いなりの組織人じゃお話になりません。ちょっと変わってる人が業績残してきたんだから(「ビューティフル・マインド」とか「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」とか)。「日本沈没」で田所博士が科学者にとって大切なのは何かと問われて、直感ですと言い切ってるけど、このラマヌジャン氏はまさにそのお手本。

 

 天才は得難いが、その仕事を残すのは一人では無理。「アマデウス」は理解者が天才に対して敵意を抱きますが、「ヒッチコック/トリュフォー」のような例が映画史にはある。若くして亡くなって、本人は幸せだったかは不明。ただ上映前にこの劇場で「彼は母国の小学生が誇らしく思っている」と解説される人物であるから、労は報われたんじゃないかな。

 

現在(12/20/2016)公開中ですけれど、12/30までです
オススメ★★★★☆ 

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関連作

  TRASHED ―ゴミ地球の代償―

 

 大学教授も似合いますが、ジェレミー・アイアンズが語るとゴミの問題も切実に感じる。忘れそうになった頃に、違った形で伝えてくれる作品は貴重です(「この世界の片隅に」「ヒッチコック/トリュフォー」)。「The 11th Hour」レオナルド・ディカプリオもそうですが、世界中のあちこちを旅している役者さんたちが、見聞きすることは、我々よりはるかに多い。

 

 「トラブゾン狂騒曲」を見たのが2014年、本作は閉館したシネマライズでその前年に公開されている。「ブレードランナー」のヴァンゲリスが音楽担当しているのは異色ながら、気に留めておかないとマズイ事が出てきている。確かに「トラッシュ!-この街が輝く日まで-」に出てきたようなゴミの山は、インパクトに欠けるかもしれないけど、海の底に溜まったアレは怖くなった。

 

 現在の日本ではダイオキシンがもたらす汚染と放射能のソレが重なって、辛い観賞となります。でもTVニュースより情報量が多いし、記憶に残るから時間の無駄にはなりません。Amazonビデオの配信でしたが、「世界を欺く商人たち」もウォッチ・リストに加わることになった。ただ世界にはもっと進んだ人たちがいて、知るだけでは何の解決にもならないから、VRを使って訴えているんだそうな。「WIRED(ワイアード)VOL.26」をご参考までに。
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