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マネーモンスター

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 本日は4本立て、8:40開始の本作から始めて、日比谷に移動して2本、再度新宿に戻って「エクス・マキナ」で終了。今や昔のお話ですけれど、20年くらい前は映画をもっと気楽に観ていたものだ。ところがGoogleカレンダーで観賞スケジュールを組み、TOHOシネマズのサイトで座席指定も2日前に済ませ、劇場までの経路を決定し、帰路の座席指定までも・・・。

 

 ITの進化は大変けっこうなれど、ホントに使い方を間違えると、自分で自分の首を絞めてしまいます。最初は便利に思えて重宝していたけど、うまい話にうかうか乗ってはいけないのです。で、本作はうかうか株のもうけ話に乗っかって、全財産すって、怒りをぶちまけるため、TV番組をジャックする男のお話。他人事じゃありません、“TVなんてほとんどCM”って分かっちゃいるのに止められないでしょ?

 

 いい加減な番組司会者を演じるだけに、ジョージ・クルーニーが冒頭からノリノリ。きっと大っ嫌いなんでしょう、「トゥー・フォー・ザ・マネー」アル・パチーノより滑稽極まりないピエロそのもの。番組ディレクターがジュリア・ロバーツなんだけど、「スティーブ・ジョブズ」の時のケイト・ウィンスレットっぽい役回りに見える。基本的に仕切っているけど男を一応は立ててあげてる。

 

 番組スタート時に大暴落した株に関して告げられて、損をした男が拳銃をぶっぱなしてフロアを占拠。ペラペラとおしゃべりな司会者に詰め寄る部分で、我々が言いたいことを犯人のカイルが代弁してくれる。ま、連中なんていい加減だよ、と分かっていても視聴を止めないその他大勢に対しても不満をぶちまける。カイル役がまるで気がつきませんでしたが「不屈の男/アンブロークン」のジャック・オコンネル。

 

 へっぴり腰だったジョージ扮するゲイツが、次第に株価操作に関して暴露しようとしだすと、顔がだんだん怖くなってくる。この辺はジョージの見せ場で、「何回も離婚しているTVの司会者が幸せだと思うか?」などと言ったり、犯人のカイルにしても生々しい生活実態を話し出したりして、セリフに込めて観客に訴えている。注目されても不幸、底辺層も不幸。

 

 ただし不幸の底辺層といっても、暴力に訴える人間を同情的には描かないジョディ・フォスターはさすが。カイルの子供を身ごもっている彼女が、説得どころか「お母さんの遺産を使った薄らバカ」と罵るところは笑ってしまいます。これは女性ならではで、気が小さく、こらえ性のない男に向けられた女性たちの本音でしょう。そしてTVが成すべきお仕事に目覚めたクルーたちは、株価操作の原因に迫っていく。

 

 金融関係のデタラメさは「マネー・ショート華麗なる大逆転」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でも確認できますが、金融アルゴリズムなる言葉は映画で初めて聞いた。内田樹氏のブログにたびたび株価は金融アルゴリズムがやっていて、人間の手を離れていると記されていて、なーんとなく理解しましたが、なるほど大損しないための仕掛けは施されていたわけで、けっきょく原因は人間ってことになる。

 

 劇場型犯罪の映画となりますと、「ジョンQ」「ブレイキング・ニュース」を思い出させますが、TV局が主体となって原因究明するパターンはなかった。警察が物々しく登場したりジョディの出演作「インサイド・マン」のような展開も予想していましたが、サスペンスフルに持っていくのではなく、TVは未だ人の役に立つ情報を提供できる存在として描きたかったのか。

 

 ぜひ「ブラックハット」「ダークウォーター/奪われた水の真実」などもオススメですが、儲けた金をより増やしたい連中が目を向けるのは天然資源。TV視聴者は「トゥルーマンショー」が無関心で怖いと描きましたが、お客が目を背けるからといって、しょーもないもの垂れ流していては、悪循環。最後に「オーシャンズ12」以来のツーショットを拝ませてくれたジョディのサービス精神にニンマリ。

 

 ただ全体に平板な印象を受ける人がいてもおかしくなくて、エッジが効いていないようにも見えますが、その辺は監督の戦略。深刻にならず受け止めて、考えるようにしたのでは?なお「大脱出」でも美貌をご披露のカトリーナ・バルフが目の保養で、精力剤を試すクリストファー・デナムは「チャーリーウィルソンズ・ウォー」をオススメ。データ見るまで忘れてました。

 

現在(6/14/2016)公開中
オススメ★★★★☆

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