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MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間

  MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間

 

 そのアーティストが出現した時代に立ち会うことなく、音楽を聴くとなると、どーしても“お勉強”の色合いが濃くなる。加えて“商用としてマスメディアが神格化したイメージ”を払拭して実像に近づくのは難しく、とても恥ずかしい“知ったかぶり”を吹聴することになる。「少年メリケンサック」などはしっくりくるけど、身体に染み込ませるように聴いていたハズのYMOとて、scholaで解説されると聴き直したりして。

 

 ジミ・ヘンドリックス(「JIMI:栄光への軌跡」)、ジョン・レノン(「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」)、ボブ・ディラン(「アイム・ノット・ゼア」)なども映画を通じて得た知識のおかげで、聴き応えが変わった。ジャズに関してはもっと年代に開きがあり、ビル・エヴァンスがお気に入りといってもBGMの域を出ない。「バード」のおかげで、チャーリー・パーカーの時代背景を知ることができたけど、それとてお勉強。

 

 では、なんでよく知りもしない“ジャズの帝王”の映画に行くことになったのかといえば、答えは単純でドン・チードル初監督作品だから。Wikipediaを覗くと、マイルス・ディヴィスをその“音楽の変遷”も含めて描くとなると、TVドラマ化するしかないボリューム。よってサブタイトルにもある“空白の5年間”に絞って映画にする選択は間違っていない。マイルスを知らない私めにとっては、副次的にイントロになった。

 

 音楽映画をいくつか観てくると、クラシックから今に至るまで“幸せとは縁遠い”人ばかりで、若くして亡くなるケースも多々ある。ただこの人はぜーんぜんそのパターンを覆しちゃうんだよね。タバコは吹かしまくりで、ヤクもギンギン。それだけだったらお馴染みの光景なんだけど、レコード会社に対してかなり強気。予告編にもありますけど、平気で拳銃ぶっ放しちゃう。

 

 “音楽業界はヤクザな世界”は「ジャージー・ボーイズ」を観ても明白ですけれど、ここまでケンカ腰の人は初めてです。まさかミュージシャンを描いているのにカーチェイスと銃撃戦があるなんて。「あの頃ペニーレインと」が嘘みたいに、音楽ジャーナリストもデタラメ。いきなりぶっ飛ばされてたけど、悪役(「ジェーン」)よりユアン・マクレガー定番の範囲内って感じでいいですね。

 

 恐らくセッションに関わったメンバーが誰か分かるファンならかなり楽しめるハズ。私めはハービー・ハンコックくらいしか識別できませんからね。でも滅茶苦茶な人物のようで、新しい音楽に貪欲だったこと、別れた妻への想いを背負ってたことなども並行してお話に込めていて、初監督作だけにドンは抜かりなく臨んでいる。でもお芝居の方はもっと入魂で、顔は変えられないけど、声はYouTubeで確認しても違和感がなかった。

 

 よって、ピアノならビル・エヴァンス、トランペットならマイルス・ディヴィスという日々がやってきそう。特に時系列で試してみたい、なにせ本人曰く「古いのはダメ」なんだそうだし。凄腕プレーヤーが即興を次から次へと生み出す瞬間は、スリリングなんでしょう。そういうのさ、ライヴに足しげく通ってないとまず無理なんだけどね。だから、映画が良く出来ているから、ちょっと悔しくなるのです。

 

現在(12/27/2016)公開中
オススメ★★★★☆

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 公開当時ならいざ知らず、何年後かにマイルス・ディヴィス氏にこの作品を絶賛しても、「忘れた、そんな昔のこと」と返されてしまうかもしれない。でもジャンヌ・モローのアップで始まる冒頭に彼の楽曲はなくてはならない。「デッドマン」にはニール・ヤング、「リーサルウェポン」にはエリック・クラフトンが欠かせないんだけど、この当時の彼にしか出せない音なんだと思う。

 

 “エレベーターに殺人者が閉じ込められる”というシチュエーションは作品の軸なんだけど、その他の部分が私めにとって興味深い。第二次世界大戦終結から13年しか経過していないフランス、車のバンパーを壊されて喜ぶドイツ人、うっかり画面に出てきてしまったエキストラなどなど発見が多々あり。音楽も含めて全体の雰囲気を代弁する、ジャンヌ・モローに惹きつけられずに済めばのことですけれど。
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