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この世界の片隅に

この世界の片隅に  この世界の片隅に

 

 無駄な前置きですけれど、忘れっぽいので記しておきます。本作に至ったのは「白暮のクロニクル」作者ゆうきまさみのTwitter経由。マスメディアから情報を得ることはほとんどなくなり、世間様とは縁もゆかりもなくなりそう。だってさ、いちおう主演女優のんはちょっと前までは国民的って枕詞がついてたんでしょ?確かNHKの連続テレビ小説の主演だったんじゃないかな?それがいつの間にか・・・。

 

 昨今読んでいる「AIの遺電子」「白暮のクロニクル」に関しても気になることがある。ホントだったら日本人であるはずのキャラクターをそれぞれ“ヒューマノイド”、“オキナガ”として登場させているような。表現の自由を奪っているのは弾圧ならぬ抑圧で、ハッキリした形態を取らず空気として醸成され、個々人を抹消。たぶんこの手口でやってるんじゃない?日本の大人はとにかく無責任だし。

 

 原作者こうの史代の作品は本作が初めてではない、以前「夕凪の街 桜の国」を見ている。本作も先にTVドラマ化がされていることから、作者の認知度は高いと推察される。ただし実写ではなくアニメーションがこの物語にはふさわしい。「二十四の瞳」が良い例なんだけど、あまりに生々しい戦争の実像は、世の中を意地悪く見ている私めにとっては強い毒になってしまうのです。

 

 もし淡いタッチ(「かぐや姫の物語」っぽい)で描かれなかったら、かなり辛い体験になってしまう。ところが朗らかな笑いが随所に散りばめられていて素晴らしいのだ。批判に傾斜した作品だと儚い主人公がたどる悲劇ですが、本作のすずさんはちょっと違っている。たまらないですよ、以前だったら“おっとり”と言われたボケっぷり。家の手伝いもするけど、絵を描くのが好きで、チビた鉛筆なんて21世紀に現存しない。

 

 お嫁に行く場面も48歳の私めの祖父母の代のことですからね、まんが日本昔話のように感じられる。「裸足の季節」を観てビックリしましたけど、70年以上前の日本人とて大した違いはない。会ったこともない人のところへ嫁ぐ、批判したって仕方ない、“ああいうもんだったんだねぇ”と眺めていれば良いのです。もっとも時は第二次世界大戦下ですので、食料の供給は徐々に滞っていく。

 

 たんぽぽの葉っぱを食べたり、サツマイモでなんとか食いつなぐ毎日。「オデッセイ」でもイモは緊急食料になりますが、祖母も親父もサツマイモが大嫌いでしたね、そういえば。ただし、すずさんのボケっぷりに観ている側は救われます。当時はどうだったのか?を辛い経験をした人が描くと、どーしても凄惨な場面にしてしまうのを、なるべく冷静に見ていられるように描くのは至難の業。

 

 ただし舞台は広島で軍港の呉ですから、まともに戦争の被害を被る。淡いタッチから一変してマッドハウス(「RIDEBACK ライドバック」)の実力発揮、米軍の攻撃は情け容赦なし。朗らかな笑いも徐々に・・・。もし実写だったら、すずさんに起こることは“正視に耐えない”衝撃が走り、そこで観客は思考停止してしまう。でもアニメーションだけになんとか冷静さを保つことができます。

 

 辛いけど本作で勉強になったことの一つは防空頭巾に関して。現在は防災と名前こそ違い、身を守る道具として何の役に立つのか?と思いがちですけれど、戦争中はなくてはならない。だって、爆弾やら銃弾の直撃は防げないけど、飛び散った破片に当たらずに済む。防空壕であるとか、戦時下で庶民の我々がどう生き延びるか?だけでなく、日本を学び取れる情報はタップリ込められている。幼馴染と再会する部分も遊郭のトコも。

 

 原子爆弾による攻撃は人類の課題だと思う。世界で唯一の被爆国なのに核廃絶に日本が反対、という暗いニュースがつい最近ありましたけど、怒りはその一瞬で持続しない。同じことでも何度でも描かなければならないし、角度を変え、描き方を変え、何度でも世に出てこなければならない。だから、“3,374名のサポーターから39,121,920円の制作資金を集め”がなによりの朗報です。

 

現在(11/14/2016)公開中
オススメ★★★★★

 

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関連作

RIDEBACK ライドバック

 

 

 働いている倉庫でパッケージが目に止まり、さっそく全12話を通して見て、MELLの主題歌も聴いてといった具合に楽しんだ。何より主人公が挫折したバレリーナ尾形琳というところがミソ。抜群の運動センスを持った彼女が操縦するライドバックは、ロボにも変形するマシン。バイクを颯爽と駆るのは女の子ですよ、「ドラゴン・タトゥーの女」のルーニー・マーラ、「THE NEXT GENERATION パトレイバー」の太田莉菜などなど。

 

 オープニングに「この世界の片隅に」も手がけている丸山正雄の名前を見つけ、マッドハウスによる制作というあたりでピンと来る。履歴を漁ると彼が手がけた作品をワリと見ているんだよね。「幻魔大戦」から始まって、「バンパイアハンターD」とか今敏の「東京ゴッドファーザーズ」「妄想代理人」などなど。そうそうアリーナクラスの会場を満員にする水樹奈々が尾形琳役なんだけど、彼女の主演作は初だったりして。

 

 もっと認知されていても良さそうだけど、キャラクターのデザインが“ロリコン顔”していないからですかねぇ。ここ数年元アニメオタクの私めが見てきた作品は「東のエデン」「荒川アンダーザブリッジ」「蟲師」「ハーモニー」など。レンタル屋の棚にズラッと並んでいる見分けのつかないパッケージとはチョッと違う、というのも気のせいか。

 

 目に止まったパッケージは逆輸入されたもので、本作のファン並びに海外のギークたちに支持される物語は、日本の実情を反映したものでなければならない。主流の連中はただ大国の言いなりで、非主流派こそホントに国のことを考えてるってのは「シン・ゴジラ」もご同様。よって主人公は大学生になるんだな。テロリストのリーダーはさ、なんとなく「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」のクゼっぽいんだけど、若い人は知ってるかな?
オススメ★★★★☆

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