聖杯たちの騎士
今年のラストなんですけれど、ひとつ前の「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」から時間が空いておりますので、グラフィックボード購入のため秋葉原まで行ってまいりました。PC部品はネットで注文するクセがついておりますが、せっかく電気街の近くまで来たんだから、と思いつくまで時間を要するくらいリアル店舗での買い物から遠ざかっている。
そんな21世紀、有楽町では見かけない20代がココには集結しているではないか!と感嘆するくらい秋葉原には若い男の子が群れている。でも彼らの関心はゲームや萌え系グッズにあるらしく、PC部品の売り場はガラガラ。ティッシュ配っているコスプレの女の子は“これはアイドルへの第一歩よ”と言わんばかりの可愛らしさだったり、オッサンいたたまれず、大人の街へ引き返す。
多少若い女性も散見できましたが、やはり本作の観客は大人中心。今年若い人向けの「君の名は。」がヒット、先々ミニシアターまで行く映画好きになってくれるのか?さて、「誰のせいでもない」も満足でしたけど、鮮明な画像という点で、エマニュエル・ルベツキが撮影担当の本作は期待が大きい。実はそこだけが私めの心の拠り所でして、中身はきっとチンプンカンプンなんだろうなぁという予想。
で、案の定何が語られているのかサッパリ。ただし、「ツリー・オブ・ライフ」、「トゥ・ザ・ワンダー」と連続して観たら味わいが増すことは請け合います。カチッとした物語ではなく、映像詩としてボサっと眺める体勢だとイケる。暑い季節だったらなおのこと。撮影担当が「レヴェナント:蘇えりし者」と同じだからといって、刺すような鮮明さではなく、目に優しく和ませてくれる。
そして飽きずにボサーっと観賞できたのは、次々に出てくる女優さん。ケイト・ブランシェットでしょ、ナタリー・ポートマンでしょ、「アイ・アム・ナンバー4」のテリーサ・パーマーは気がつかなかったけど、「JIMI:栄光への軌跡」のイモージェン・プーツもヨカッタ。そして目が釘付けになったのは「ミラル」から「トリシュナ」を経て、いい女になったフリーダ・ピント。
主演は脱ブルース・ウェインしたクリスチャン・ベイル。華ざかりの中で持ち前の美貌が全開といったところ、この辺はお目当ての女性がいてもおかしくない。輝くばかりの女性遍歴が進行させるお話でもありますが、モーゼを演じているだけにイヤらしくならないんだよね。「マネー・ショート 華麗なる大逆転」でチト太っていて変わり者だったけど、この役はたたずまいが全て。
来年公開予定の「ボヤージュ・オブ・タイム」はシャンテで予告編をやってたけど、以前は寡作と認識されていたテレンス・マリック、IMDbを覗くともう2本の新作がストックされている。昨今の映像技術がこの監督を満足させるに足るものになったのかな?まだまだお付き合いが続きそう。そして今年も最後です、お読みいただいてありがとうございました。お探しの作品を見つける手がかりになっていればと日々思います。
現在(12/27/2016)公開中
オススメ★★★☆☆
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