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ヒッチコック/トリュフォー

  ヒッチコック/トリュフォー

 

 “街の映像図書館”という特性がレンタル屋にはある。そしてネット配信に対抗するには在庫をどれだけ活かすかが現時点のカギ。ところが現実はままならなくて、在庫減少に歯止めが効かなくなっているようだ。「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」に引っ掛けて「今宵、フィッツジェラルド劇場で」を確認しようとすると、HDDに入っていなかった。よって近所(御殿場)のTSUTAYAで借りようとしたらナシ。

 

 「聖杯たちの騎士」に関連して「トゥ・ザ・ワンダー」もイってみようとしたらこれもダメ。2作品を見るためには渋谷のTSUTAYAで借りるしかない。また配信では一方しか楽しめない。ロバート・アルトマンの遺作だし、メリル・ストリープは現役の女優だし、そんなに急いでコンテンツを詰め込むのは如何なものか?と愚痴ではなく、後々の手掛かりのために記しておきます。

 

 こんなご時世だけに本作は映画好きにとってはなくてはならない1本。私めにとっては復習にもなります。なにせ蓮實重彦、山田宏一両氏の本でアルフレッド・ヒッチコック、フランソワ・トリュフォーの知識はあるからね。本作で取り上げられているヒッチコック映画術が名だたる映画監督たちに与えた影響は大きい。恥ずかしながら、度重なる引越しで失くしたちゃったけど。

 

 で、受けた影響を熱く語る監督たちは現役にして売れっ子。「健さん」に続いてマーティン・スコセッシとポール・シュレイダーが出てくるでしょ、デヴィッド・フィンチャーでしょ、アルノー・デプレジャンは「クリスマス・ストーリー」からご無沙汰、リチャード・リンクレイター(「6才のボクが大人になるまで。」)、ジェームズ・グレイ(「エヴァの告白」)、ウェス・アンダーソン(「グランド・ブダペスト・ホテル」)などなど。

 

 「ヒッチコック」(2013)の時に「サイコ」「鳥」を見てスゲェと驚いたけどキモはたぶん“無駄なく映画の作り方を知ってる”からなのだ、と今回のドキュメンタリーで認識させてもらった。ヒッチコックという人はサイレント期から映画を撮ってきたわけで、“画面を観ていればわかる”、“観客をあっと言わせたい”からあれやこれやと技工を凝らして、作品を世に生み出してきたのだ。アレでも観客の阿鼻叫喚にガッツポーズしていた様が描かれていた。

 

 ただ時代には逆らえなくて、それこそスターではなくロバート・デ・ニーロアル・パチーノが出現して映画は次の時代にシフト。よってトリュフォーの功績は大きいんだと思う。“作品創造の源泉、その構造を解明する”とか大仰なことではなく、“大家に手品のタネを聞きに行く新人マジシャン”といったところでしょうか。こればっかりは作り手じゃないとまず無理だし。

 

 シェイクスピアだって“伝え、残す”人(「リチャードを探して」は楽しいですよ)がいないと、忘れ去られちゃってた。第二次世界大戦とて何度も描かれなければならない(「この世界の片隅に」)。わざわざ新宿はシネマカリテに行って観た甲斐ありです、ふだんはデヴィッド・フィンチャーが指摘していたように、派手なルーティン・プログラムを観ているけどね。

 

 「サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ」で進行中の映像技術を知りましたが、本作では“映画の作り方を知ってる”とは“映画話法を心得ている”からなのかも?とひとつ勉強になった。よって「ハドソン川の奇跡」クリント・イーストウッドは現存する体現者なんじゃない?最新の映像技術なんてすっ飛んじゃって、簡潔だったもんね。

 

現在(12/13/2016)公開中
オススメ★★★★☆

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 ついでながら“分かったフリして書くと、後々恥をかくことになる”ことも思い知らされるロバート・アルトマン。この人の作品を劇場で観たのは「ザ・プレイヤー」が初で、以後「ショート・カッツ」に驚かされ、「プレタポルテ」で笑い、遺作の「今宵、フィッツジェラルド劇場で」でより好きになったにもかかわらず、この人は世を去ってしまう。

 

 後半部分のみでマスコミの垂れ流す言説を流用して、“群像劇が得意な人”とか“反骨精神の映画人”などと知ったかぶりは実にみっともない。本人が語るドキュメンタリーを参照しつつ作品を観れば、自分なりのロバート・アルトマン像を脳内に形成することができる。よって商用のデマに惑わされることなく、作品を楽しめる。だから本作後に酷評だろうと「ポパイ」も見たくなっちゃうんだよね。

 

 60代だとたぶん「M★A★S★H マッシュ」「ロング・グッドバイ」は必見で、見もしないでこの人は語れないのだろう。興味深いことに映画話法を知り尽くしているヒッチコックの後にこの人は映画界に登場する。この人は誰に教わるでもなく、独学で作り方を積み上げていく。だから彼の名を冠した賞がインディペンデント・スピリット賞にはあって、映画人からもリスペクトされているわけだ。

 

 「健さん」でマイケル・ダグラスは「役者とはジプシーのようなものだ」と言っているけど、この人は撮影中に“出演者はみな家族”という雰囲気を作るのに腐心したよう。映画監督のポール・トーマス・アンダーソンだけでなく、コーエン兄弟も敬愛しているのは明白。本作に出てくる1シーンを「ヘイル、シーザー!」でモロにパクっている。スカーレット・ヨハンソンにやらせているけど、ぜひ一緒にご覧になってご確認を。

 

 反骨精神とはマスコミが名づけただけで、撮りたい題材を自分のやり方でやって来たわけで、傑作を残す映画人はたいてい戦ってます。最近観たのだとダルトン・トランボでしょ、「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」に出てきたレオ・フルヴィッツでしょ。例としてはあまりに多いから、まず間違いない。金がかかる映画だからビビるの分かるけど、図式的な品ばかりじゃあ・・・。
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