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白鯨との闘い

  白鯨との闘い

 

 アメリカ文学不朽の名作とされる白鯨。恥ずかしながら未読のまま本棚に突っ込んだままになっている。「メジャーリーグ」で「そのくらい読みなさいよ」とレネ・ルッソ演じる元彼女に、トム・べレンジャー扮するキャッチャーは突っ込まれますが、電子書籍版でもいつになることやら・・・。という不埒な元英米文学科のオッサンですが「白鯨 MOBY DICK」のおかげで、不勉強がバレずに済んでいる。

 

 この題材に愛国者のロン・ハワードが挑むのは当然という気がしますけれど、アプローチはひと捻りしてある。作家ハーマン・メルヴィルがモチーフにした事件=エセックス号沈没の映像化。「完全なるチェックメイト」の時も先に「ボビー・フィッシャー/世界と闘った男」を見たりして、昨今はその作品に臨む前に、情報が膨らむのが自然になってしまった。

 

 「マン・オン・ワイヤー」があるのに「ザ・ウォーク」をロバート・ゼメキスが作ったり、“ハドソン川の奇跡”をクリント・イーストウッドが映像化したり、「スティーブ・ジョブズ」も観に行くことになりそうだし、“人々を忘れっぽくさせる”強力なTV洗脳に対して、テーマがきっちりしている映画にしておく題材なのかもしれません。それは「ミケランジェロ・プロジェクト」「ブリッジ・オブ・スパイ」も。

 

 “新たに判明したアーサー王の真実”を付け加えた「キングアーサー」に近いんですけれど、私めの情報更新に大きく役立った。ジャック・マイヨール著ジャック・マイヨール、イルカと海へ還るの影響で、“クジラ類が人間を襲うことはない”とずっと信じていた。それを本作は改める機会を作った。もっとも覆ることはありません、だってクジラは人間を餌にしない。ただし植物ではなく野生動物なんだから、“やられて大人しくしてるわけないよな”なのです。

 

 前夜に「白鯨」も見ましたけれど、油のために現在厳格な保護対象であるクジラをせっせと殺していたアメリカ人は、映像化されるたびに出てくることになります。これはメルヴィルが後の世のアメリカ人に課した十字架なのかな?本作のラストにこの次のエネルギー源が触れられていますけれど、それは「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」をご参考までに。

 

 ただし、本作の中心に描かれているのはバトル&サバイバル。クジラ獲りに行くったって命がけ。荒波の部分は「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」顔負け、襲い掛かってくるクジラは当然サメより大きいから「ジョーズ」より迫力満点。そして船をぶっ壊されて生き残りとなると「オール・イズ・ロスト/最後の手紙」より過酷かつ悲惨なものになっていく。

 

 船に乗っているのが一人なら回避できますが、何人か乗っているとなると・・・。観賞直前にナショナル・ジオグラフィックのサイトに載っている記事を読んでしまったため、ビビっていましたけれど、さすがはロン・ハワード。わざわざ描かなくたって良いものを心得ている。よって作家のハーマン・メルヴィルがエセックス号最後の生き残りに話を聞きに行くって枠が効いてくる。

 

 ネットで粗探しすると、実はこの部分が完全な創作で、わざわざベン・ウィショーとブレンダン・グリーソンに演じさせているのでは?という気になる。007に泣かされるQの知名度が高いベンですけれど、ブレンダン(「推理作家ポー 最期の5日間」)との芝居は密度が濃い。これは勝手な解釈ですけれど、何でもかんでも暴露するのではなく、言わずとも良いことは語らない慎みをロンは伝えたかったのでは?

 

 それとは対照的に明らかにしなければならない事として、この事件そのものが浮き彫りになる。クジラに襲われた事件を伏せようとする人々は、姿を変えて21世紀の今でも存在する。「ラッシュ/プライドと友情」から継続して出演のクリス・ヘムズワースの見せ場でもあるんだけど、いちおう文学部だったし作家ハーマン・メルヴィルの部分に目がいっちゃった。ま、クリスは次の新作「スノーホワイト/氷の王国」があるし、トンカチの神様のイメージはまるで引きずってない。「ブラックハット」をたびたび見ているせいかな?

 

現在(1/20/2016)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  白鯨

 

 allcinemの解説によるとアメリカ文学不朽の名作白鯨の3度目の映像化なのだそう。監督のジョン・ヒューストンは「ホワイトハンター ブラックハート」のモデルだそうで、主演のグレゴリー・ベックは関連作漁りのため、「マッカーサー」を2年前に見て印象にチョイと残っている。そもそも先に「白鯨 MOBY DICK」見るという、不埒な順番を経て本作を拝む映画通はいないでしょうけれど、楽しめました。

 

 第一にやはり映画はこうでなければという劇伴の成せる業。そしてテクニカラーの映像はクラシカルなんだけど、味わえるんだよね。もっと若い人だと新鮮にすら見えるかもしれない。特撮がチョッと物足りないのは「ファイヤーフォックス」に近いんだけど、それだけ映画の中でめきめき進化したのは、特殊メイクとVFXなのかもしれない。その辺りを「白鯨との闘い」と見比べるのも一興です。

 

 実話は船長がヘタレですけれど、執念の男=エイハブなくしてこの物語は成立しない。やはりグレゴリー・ベックが見せる“ちょっとヤバいぜあの人”という芝居は見どころ。むしろ彼を際立たせるために、他の出演者が存在するとでも言いましょうか。よってスター不在の映画界ってことになるのかな?そこでハタと気がつきますけれど、ロン・ハワードがコレを再映画化しない最大の理由だったのでは。
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