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マダム・フローレンス! 夢見るふたり

  マダム・フローレンス! 夢見るふたり

 

 少年時代におねぇ様だった女優さんは、自分がオッサンになれば当然、ばーさまに繰り上がる。私めにとって「ラブリー・ボーン」の時のスーザン・サランドン(「素敵な相棒 〜フランクじいさんとロボットヘルパー〜」をぜひ)などは悲しい一例。もっともますます凛としてカッコ良いのはヘレン・ミレンで、「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」が今から楽しみでして、一概に年を重ねたからって嘆くことはない。

 

 ただ「恋におちて」がお気に入りのメリル・ストリープだと、「大いなる陰謀」までは納得なれど、「マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙」「8月の家族たち」とだんだん月日の経つのを思い知らされちゃいます。で、本作は更に拍車がかかっていて唖然となってしまいました。まさか舞台の上から吊るされて降りてくる、あの太っちょのばーさんが彼女?トホホ。

 

 おすぎさんの“おすぎのビデ・シネプレビュー”は当たり確率が高く、信頼しておりますし、確かに本作は必見です。彼女の過去作品を見てきて、余計なことを考えて観賞するのが良くない。それにしても今回の彼女は、還暦過ぎても挑戦し続けている女優根性があっぱれ。「ミュージック・オブ・ハート」「今宵、フィッツジェラルド劇場で」音楽映画に出演し、歌が上手いのは周知の事実なのに、よりにもよって音痴。

 

 全編調子の狂った歌声で爆笑、せっかく彼女が必死に笑わせてくれているんだから、コチラも応えなければ。場内は静かでした、もっとも最終回のTOHOシネマズ小田原ですから仕方ないか。お話も第二次世界大戦時であるにもかかわらず、大金持ちは歌のレッスンに邁進できたりと、今の合衆国と似通っている。だって「アメリカン・レポーター」とか「13時間 ベンガジの秘密の兵士」とかで分かりますけど、依然かの国は戦時中。

 

 メリル扮するフローレンスを温かく見守っているのが、ヒュー・グラント演じるシンクレア。ちょっと違和感を覚えますが、彼でなければ浮気亭主は務まりません。面倒見の良い旦那なんだけど、ちゃんと愛人がいたりするトコにニンマリ。さすがは「Re:LIFE〜リライフ〜」の人で、愛人役が先月の「ガール・オン・ザ・トレイン」にも出ていたレベッカ・ファーガソン。彼女のキャリアに本作も一役買うでしょう。

 

 ここまでは映画好きが“うん、たしかにハマったキャスティング”と納得なれど、不確定要素がピアニスト=コズメ役のサイモン・ヘルバーグ。「シリアスマン」にも出ていたみたいですけれど、彼の目線が我々観客のそれに最も近く、笑いを倍加させている。“金持ちってどこか抜けてて笑える”を体現するキャラクターなんだけど、彼が徐々にフローレンスに親近感を覚えていく過程が本作のキモ。この辺は「クイーン」に通じますね。

 

 ぜひ「グッバイ、レーニン!」がオススメなんですけれど、不憫な人を見守る家族って滑稽に映るもの。しかし映画はヒューマニズムで良いのです、批評家を買収したり、新聞を買い占めたりする姿こそ人間的。だいいちフローレンスは従軍兵士を励まそうとしているんだし、万人に迷惑かけてるわけじゃないし、ただ天真爛漫なだけなの。節度ある元先生とて“良いこと”を応援したくなる(「ドライビングMissデイジー」)。

 

 メリル本来の歌声が聴けてチョッとホッとしますが、音痴の熱唱で通した希少品。アル・パチーノだって枯れてロックシンガーになりましたが、これほどチャレンジングではなかった。さすがの女優根性に唸って劇場を後にしましたが、やはり美貌のメリル・ストリープが見たくなるもんです。よって帰宅して彼女の代表作「ソフィーの選択」を見たんですけれど、凄すぎでした。

 

現在(12/6/2016)公開中
オススメ★★★★☆

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  ソフィーの選択

 

 メリル・ストリープの代表作だということは知っていた。TSUTAYAの発掘良品でDVDリリースされて、HDDに突っ込んだまま放ったらかしにしていた。昨今こういうパターンが多くて、「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」がなかったら、見る機会を逸したままだった。紙の本だったら、未読のモノがうず高く積もっていく様に反省もしますが、量が不可視化したデータは厄介。

 

 恐らくメリルの美貌が最も開花している作品で、彼女の実力も十分発揮されている。美しさはぜひご覧になってご確認いただきたいのですけれど、ドイツ語、フランス語などを自然に話し、訛った英語がたどたどしい。「エヴァの告白」マリオン・コティヤールとて敵わない。たどたどしさはチョッと足りない感じを出す効果になっているけど、ソフィーの辿った人生の壮絶さが明らかになるにつれ、悲しみが増していく。

 

 ケヴィン・クラインも入魂で、後の「抱きたいカンケイ」が信じられない。来週「ヒッチコック/トリュフォー」を観に行く予定ですけれど、フランソワ・トリュフォー作品の撮影監督を務めてきたネストール・アルメンドロスの技術も素晴らしく、陰影の加減はもはや失われつつあるのか?と思うくらい。もちろんメリル・ストリープもそこに映えるから本物。

 

 ホロコーストを扱った作品が絶える年はない。ただ作り手の記憶が生々しいと、そこに刻まれる怒りは凄まじいものがある。自分の子供の生き死にを決めさせるとは、考えただけで頭にきますし、まさに選択のあのシーンは見ていられなかった。「ミュージック・オブ・ハート」だけにしときゃ良かったんだけど・・・。「シルクウッド」にしろ美しく映っている彼女の作品は怖い。
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