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バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

  バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

 

 私めにとってスーパーマンは1979年から始まります。もちろんそれ以前にも映像化作品はあったわけですけれど、今や建物すら残っていない渋谷パンテオンでのロングランは忘れられない。もっともその時期に観ていたのは「宇宙戦艦ヤマト」、クリストファー・リーヴのバージョンは4作あるけど劇場ではなく、日曜洋画劇場で見ていた。劇場では2006年の「スーパーマン・リターンズ」がスタート。

 

 ティム・バートンが関与している「バットマン」は全作劇場で観ていて、最初が1989年だからその当時私めは22才。4でいったんストップして、クリストファー・ノーランが2005年に再開させ、結果として映画界にリブートという流れも生まれた。てな感じに長いお付き合いが両ヒーローにはある。もっとも世界は広く、地元はアメリカ合衆国だから、通にはとても敵いません。

 

 さらに長い昔話になりまずけれど、このヒーロー対決という企画は日本アニメーションの方が早いと認識している。それは未だレンタル屋にあると思いますけれど、東映マンガ祭りの一つだったマジンガー・シリーズが先輩格。「マジンガーz対デビルマン」から始まって、「グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦!大海獣」まで続いたんじゃないのかな?

 

 タイトルに〜対〜って付いてるけど、お互い殺しあうわけじゃない。最初は誤解があるけど、最後は共通の敵に立ち向かって協力するって中身。これは大前提だから、たとえアメコミ映画だって道を外すわけにはいかない。もうホントに見ないでも分かりそうな構造なのに、けっきょく公開初日の21:45分にTOHOシネマズ小田原のシートに着席。

 

 事前に上映時間が152分だと知っていて、チト憂鬱気味だったけど冒頭から引き込まれる。ザック・スナイダーは既に「マン・オブ・スティール」でスーパーマンを再起動させているから、今度はバットマン。クリスチャン・ベイル版のイメージを払拭しない事には始まらない。これがねぇ、うまく出来ている。ベン・アフレック演じるチョッと老けた感じのブルース・ウェインが良いのだ。

 

 で、この手の合体技にありがちな“最初の誤解”は、スーパーマンのパワーによって引き起こされる現実的な被害。笑い交じりに「ハンコック」でも描かれますが、スーパーパワーが現実のものになると迷惑千万。これは21世紀に相応しいし、目から飛び出すビームが引き裂くのは、ブルース・ウェインの経営する会社のビルだったりする。9.11をイメージさせる惨劇がアメコミ映画に出てくる。

 

 従業員を殺された社長のブルースはスーパーマンに対して・・・。またスーパーマンの側もドラマが展開。彼女のロイス・レインがアフリカでゲリラにインタビューしている最中に危機に直面したりする。春休みだというのに劇場に詰めかけているのは大人ばかりですけれど、あの層を満足させるとなると、このくらい濃いドラマパートが必要になってきて、もはや子供が見る内容じゃなく、完全に対象年齢は中年向け。

 

 ドラマ・パートの厚みを増すためダイアン・レインもケヴィン・コスナーも出てきて、なんとホリー・ハンターまで登場です。この中でホントの若造がジェシー・アイゼンバーグで、頑張ってましたね。「エージェント・ウルトラ」が1月か、マーク・ザッカーバーグのキャラをもう少しサイコ寄りにしていた感じかな。暗躍するというより、セコイ立ち回りのレックス・ルーサーが唯一アメコミっぽく見えたりして。

 

 すっとぼけた感じのアルフレッドになったジェレミー・アイアンズ(「リスボンに誘われて」)も、お楽しみの一つ。先代がマイケル・ケインでしたからね、もっとこの人の執事役が見たくなった。ベンとの掛け合いが続くとなると、DCコミックヒーロー集結シリーズを観に行くことになりそうだし、この辺の中年への配慮は商品として申し分なしですかな。画の感じもフィルムっぽく処理されていた。もっともエイミー・アダムスのシワでHD撮影されていると思うんだけど。

 

 そんなこんなで中年向けのドラマが濃いでしょ、上映時間が長いでしょ、となるとねぇラストのバトルがどーしても際立たない。「マン・オブ・スティール」も4DXを考慮しての事か2Dで観ると退屈してしまう(「LIFE!」は茶化していたと思う)。特にバットマンの格闘シーンはまさに生身だから、全編CGのスーパーマンの部分が霞んじゃうんだよね。CGバトルの限界は「アップルシード/アルファ」が分かりやすい。

 

 アメコミ映画もそろそろネタ切れか?ではなく、視聴環境は20世紀とは比べ物にならないくらい変化し、もはやアレもコレもと追いかけているとヘトヘトになってしまう昨今。見どころをずらっと取り揃えて、顧客満足度を上げるのは間違いじゃないけど、ウディ・アレンみたいにスッキリ撮れないものか。とは言ってもこの手のものがあるから「ルーム」「グランドフィナーレ」「ボーダーライン」を次の見たいリストに入れてるんだけどね。

 

現在(3/25/2016)公開中
オススメ★★★☆☆

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  コードネームU.N.C.L.E.

 

 昨年の11月にコチラではなく「Re:LIFE〜リライフ〜」を優先している私めは、やはりトシ取ってるのです。「スナッチ」が大好きで、ロバート・ダウニー・Jr版のシャーロック・ホームズも2作観ているというのに。それはクェンティン・タランティーノもそうで、「ヘイトフルエイト」に飛びつかなかったんだよね。彼らの作品がミニシアターで上映されていないことも要因の一つ。

 

 いくつもTVドラマの映画は作られてきましたが、イーサン・ハントのシリーズが今のところ一番ヒットしていると思われる。いやいや、正確には宇宙大作戦=スタートレックですかねぇ。「チャーリーズ・エンジェル」「特攻野郎Aチーム」も秒進分歩の今ではずいぶん前と思われるのか。「イコライザー」もそう言えば元はTVドラマだったそうな。

 

 ただ本作のオリジナル「0011ナポレオンソロ」は、海外TVドラマ通じゃないと分からないコアなネタではなく、ある年代ならちゃんとアピールするみたい。その辺はWikipediaで確認できます。ま、近い印象は「アベンジャーズ(レイフ・ファインズ版)」なんですけれど、時代が1960年代というのがミソ。主人公ナポレオン・ソロは第二次世界大戦下のかっぱらいで、CIAにとっつかまってスパイにさせられちゃう人。

 

 早い話がルパン三世がスパイだったら?という設定だと思うと面白味が増します。しかもソロ氏は第二次世界大戦時に美術品強奪という前科者。この辺は「ミケランジェロ・プロジェクト」を経ているのでニヤニヤする。演じるのが現役スーパーマンのヘンリー・カヴィルで、顔が濃いですから60年代じゃないと浮いちゃいます。しかしオッサンからすると、あれこそダンディなんだけどね。

 

 で、本作は2大ヒーロー対決になっております。ヘンリーはスーパーマンですけれど、相棒のソビエトスパイ=イリヤを演じるのが「ローン・レンジャー」のアーミー・ハマー。「J・エドガー」のホモ臭を微塵も感じさせないサイボーグみたいな堅物として、余裕の元泥棒スパイとなかなかのコンビになっている。ただし本作の注目はアリシア・ヴィカンダーです。

 

 公開されないんじゃないかと心配になった「エクス・マキナ」ジェイソン・ボーンシリーズ最新作にも出演している、アリシア嬢を見ておくだけでもお得。中身は東西冷戦下はやはり核の時代で、地味めの「ブリッジ・オブ・スパイ」と並行観賞がオススメです。スティーヴン・スピルバーグが描くベルリンと、ガイ・リッチーのコチラと監督によって捉え方は様々。
オススメ★★★★☆

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