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シークレット・オブ・モンスター

シークレット・オブ・モンスター  シークレット・オブ・モンスター

 

 タイトル(ページに載せちゃってるけど・・・)は伏せますが、お気に入りの監督作が1本ダメで、桜木町から移動して鴨居のTOHOシネマズららぽーと横浜にて本作を拝む。「ある過去の行方」「あの日の声を探して」のベレニス・ベジョ出演がホームページ閲覧につながり、予告編で昨今の空気に合致する内容だったので観賞が決定。何が引き金になるか分からない、はなにも映画の選択だけではありません、悪夢の出現とて同様。

 

 “愛くるしい美少年がついに独裁者となる”はTRAILERからも認識できる。「アヴァロン」のラストでも美少女の邪悪な相にゾッとしますが、チラシのイメージからすぐに思いついたのは「オーメン」。本作の少年は政府高官の息子、外交官を父に持つダミアンと近い設定。いくら美少年でも独裁者になるにはハードルは幾重にもあって、観客を納得させる背景。

 

 ただし、ホームページを含めた宣伝はそういった方向をお客さんに提示していますけれど、原題は“THE CHILDHOOD OF A LEADER:ある指導者の子供時代”と簡素で、たまたまふらっと劇場に入った人(無情報)なら、もっと楽しめたのかも?という気がします。それは冒頭部分が素晴らしすぎるからで、「ポーラX」の音楽担当スコット・ウォーカーの楽曲と映像の融合は見事だ。一気に作品世界に引き込まれ、観客は第一次世界大戦直後のフランスへ連れて行かれる。

 

 作品によって「ノーマ、世界を変える料理」のように映すのも効果がありますが、この種のものですと「ディファイアンス」方面というか、黒々とした欧州の森が背景にないと雰囲気出ません。それと物語の背後で進行するヴェルサイユ条約は現実ですが、本作は完全なフィクション。ここ新鮮で、架空の未来史ならぬ過去史とは。時制をズラして現実味を出した「わたしを離さないで」も効果的でしたが。

 

 「ブラジルから来た少年」でナチの残党はヒトラーのクローンを作り、その成長過程を模倣して独裁者を復活させようとしますが、どういった経緯でその種の人間が出現してきたかを描いた作品は見たことがない。可愛がられる美少年ながら、母との間の確執も「少年は残酷な弓を射る」が参考になりますか。家庭を顧みない父親だけでは不十分で、少年が私生児=プレスコットになる要素はふんだんに作中に込められている。

 

 まさか宣伝コピーを“映画の解釈は人それぞれ”ってワケにはいかないから、“戦慄の謎に迫る心理パズルミステリー”になるのは当然ですけれど、この監督は観客を信じている。夢とも解釈できるし、地味めだったロバート・パティンソン(「コズモポリス」)が顔を出すラスト、ステイシー・マーティン(「ニンフォマニアック Vol.1」)に着目しても興味深い。また第一次世界大戦後に行われている各国代表の密談も要素の一つなんでしょう。

 

 不穏な空気が醸成されると、人々に分かりやすく訴える人物は、たやすく指導者の地位に登りつめることができる。全然関係なさそうな「コンビニ人間」を読んでも、ひしひしと嫌な予感がしてしまう昨今。別に癇癪持ちの子供全てが独裁者に成りおおせるというわけではないけれど、本作で提示された要素が合わさると驚くべき化学変化が起こる。

 

 “映像と音楽だけでいいんだなぁ、映画って”を気づかせてくれた監督に感謝です。“初監督作は気合が入る”定石通りで、追いかける体力ないので困っちゃいますけどブラディ・コーベットは新規登録。役者出身の監督が凄いのはクリント・イーストウッドからジョン・ファヴロー(「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」)までいろんな人がいますけど、役者さんを上手く導く器量がないと成立しない。ありふれた作品ではなく、映画に対しての“弛緩した態度”を改めることになりました。

 

現在(11/29/2016)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  ポーラX

 

 これを観たのは17年前、今年閉館したシネマライズでのことだった。既に30代になっていたクセに、やっぱり今ほど映画のことが分かっていない自分を発見することになりました。「シークレット・オブ・モンスター」の音楽担当スコット・ウォーカーが再見の機会を作りましたが、共通項は他にもある。主人公のピエールが美貌の持ち主ということだけでなく、彼の父親は外交官。

 

 “作家である御曹司のピエールが、破滅に至るまでを描いた物語”として記憶に定着させるもよし、センセーショナルな映像美は嫌でも脳裏に焼つく。ただナレーションから始まるのがアチラと酷似していて、ブラディ・コーベットは参考にしたのかな?とも推察される。ただ今のレオス・カラックスだったら、もっと刺すような映像で迫ってきそうな気がする。なにせ「ホーリー・モーターズ」以後ですから。

 

 “映像と音楽だけでいいんだなぁ、映画って”と“映画の解釈は人それぞれ”にプラスして監督が本作が込めたのは“ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争”だと思う。ジプシーのイザベルが語る部分にそれはある。「汚れた血」の人だけに公開時にそれだけは判ったし、以後この作品の認識もそのまま。再見して加わったのは“とことん追求する作家”ということで、原作者ハーマン・メルヴィルが登場する「白鯨との闘い」がまた見たくなったりして。
オススメ★★★★☆

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  オーメン

 

 ホラー映画の代名詞「エクソシスト」はずいぶん後になって見ましたけれど、これはTV放映時に見てショックを受けた。よって後遺症が残るほどでしたので以後はご無沙汰。でも設定そのものは「シークレット・オブ・モンスター」を思わせるので、ビクビクしながら再見、ついでに「オーメン666」といった感じでホラーの並行観賞。心霊写真も効果的に使われているし、何よりフィルムの感じが怖さ倍増。

 

 ダミアン少年に関してはリメイクに軍配が上がるけど、スパッと首が飛んじゃうトコはホントにダメですね。またグレゴリー・ペックの変貌ぶりを「ブラジルから来た少年」「ローマの休日」と合わせて楽しむこともできる現在。確かに後味悪いエンディングですけれど、公開当時(1976年)は現実とまるで違う作品世界として、観客は興じることができたのかな?
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  オーメン666

 

 オリジナルから30年後のリメイクなれど、「ザ・タウン」が最後になったピート・ポスルスウェイトが出ているので感慨深くなってしまう。主軸をあえて改変する必要はなく、付加価値がついているのが本作の真骨頂。彗星を凶兆とするなど「君の名は。」にもリンクさせられる(それにしても妙な見方だね)。「ザ・ライト エクソシストの真実」とソックリなシーンがあったりと、その辺を根掘り葉掘り、一時停止させながら見るのも現在ではアリ。

 

 「ディファイアンス」を再見したリーヴ・シュレイバー、「ジェイソン・ボーン」のジュリア・スタイルズ、「フィフス・エステート/世界から狙われた男」のデヴィッド・シューリスなどのちょっと若い頃を確認することもできる。もっともミア・ファローにドキッとできない私めは、ホラーを語る資格ナシなんですけれど。悪魔の子が合衆国中枢に・・・だと劇場出れば忘れられるけど、人間の子供だから「シークレット・オブ・モンスター」の方が怖いとも言えるのだ。
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