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神様メール

  神様メール

 

 監督のジャコ・ヴァン・ドルマルも初ながら、ベルギー映画もわびしい記憶をたどっても思い当たらない。で、Wikipediaを覗いてようやく「サンドラの週末」のジャン=ピエール&リュックのダンデルヌ兄弟がそうなんだと再確認。本作に至る経緯もアスミックで何かないかな?と探してヒットしたのか、たまたまパソコン画面上に映って、クリックしたのかもう判然としない。じっくり腰を落ち着けたいものです。

 

 もっとも、予告を見たら腰が浮いちゃう、落ち着きのない48歳。わざわざ夜勤開けで、2時間近くかけてやって参りましたTOHOシネマズ新宿。ららぽーとでも可能なんだけど、「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」「スノーホワイト/氷の王国」の3本立てとなると、ここまで来なくちゃなんない。加えて「仕事に必要なことはすべて映画から学べる」に煽られて、「頭上の敵機」、「飛べ!フェニックス」のレンタルDVDを入手するのも目的のひとつ。

 

 もうあまり東京に来なければならない理由はないはずの21世紀、ただ私めの場合は“里帰り”の意味も含みますので、足が向くのでしょう。澄んだ空気の静岡県駿東郡小山町で暮らしていると、たまーに懐かしい都会の空気を吸い込みたくなるのかもしれないし、人混みを眺めたくなるのかもしれない。ま、もしそのまま人生を送っていたら「海よりもまだ深く」っぽくなっていた可能性は高いですけれど。

 

 さて本作が初体験のジャコ・ヴァン・ドルマル監督、“不思議ちゃん御用達映画”っぽい印象は予告から察せられる通り。子供が主人公ですから「天才スピヴェット」のジャン=ピエール・ジュネが近いですかねぇ、可愛い作りだから「アメリ」なども同時にオススメできます。「ゴッドディーバ」などを見ると、神様の解釈は欧州の人々は一味違う(大雑把です、すみません)。

 

 タイトルが新・新約聖書というくらいで、全知全能の神だけでなく、イエス・キリスト=JCも出てくる。でも主人公はJCの妹エア。傲慢な父=神のやり方に反旗を翻して人々に余命をメール送信、全世界が大混乱になっちゃう。そして世界をコントロールしているパソコンを使用不能にして、現実世界にコインランドリー経由でやってきて、自らの使徒を探す冒険に。

 

 この自由な神の解釈と、自在な人物描写はこの種の作品の特権。大女優カトリーヌ・ドヌゥーブもゴリラと恋に落ちるとは「マックス・モン・アムール」のようです。セックス依存症の男のエピソードはなんとなく「ニンフォマニアック」みたいだったり、どこか哲学的。神を冒涜じゃなく、意地悪なことを山ほどしていて全知の神様は、神父にボコボコニされて×××××送りにされて・・・。

 

 「ドグマ」などもオススメですけれど、神様を題材にしたすべての映画が「ノア/約束の舟」「コンスタンティン」みたいになっていく必要はない、「エクソダス:神と王」だって新しい解釈。そしてラストは是非ご覧になってご確認いただきたいんですけれど、“行き詰った今の世の中”をハッピーにする出口かもしれない。女の子が反旗を翻し、××がパッと世界を変えてしまうなんて。

 

 けっきょくまたまたこの監督を遡って見たいんだけど(「八日目」も「ミスター・ノーバディ」もHDDに突っ込んだまま)、いつになるのやら。そうそう新しい神の解釈ですけれど、インターネット経由というのは初ではなかったか。使っているパソコンのモニターが古臭さを醸し出す小道具なんですかねぇ。「ガルム・ウォーズ」にしろ本作にしろ、作り手が情報更新していないと今の映画にならない。

 

現在(5/30/2016)公開中
オススメ★★★★☆

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