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ピエロがお前を嘲笑う

  ピエロがお前を嘲笑う

 

×××のクリックはご観賞後に。

 

 チラシに書いてある宣伝文句“ハリウッドでリメイクも決定”はそそられる要素。というわけで、遅ればせながら新宿武蔵野館にやってまいりました。たぶん欧州発のリメイクで成功した、と人々が記憶しているのは2012年の「ドラゴン・タトゥーの女」でしょう。その前年には「モールス」「ツーリスト」「スリーデイズ」などがあり、欧州産リメイクをけっこう観ていた記憶がある。

 

 この監督バラン・ボー・オダーは出世間違いナシ、しっかり作品を組み立てる才能がある。前作「23年の沈黙」を見てみましたが、この人に任せて大丈夫と関係者は思ったはず。「ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女」の監督ニールス・アルデン・オプレヴ「デッドマン・ダウン」にらしい描写を入れてたけど、この人も作品によって的確な選択のできる人。というのは前作ドゥニ・ヴィルヌーヴ寄りだったけど、今回はデヴィッド・フィンチャー寄り。

 

 申し訳ありませんがそんなに数を見ていないので、本作に合致するズバリこれだ!という作品は挙げられません。しかし観賞中「うん、元ネタはこれだ!見つけた!」とニヤリとした途端に、「あれれ、やられちゃったよ」という瞬間がありました。私めの場合は1回なんですけれど、“騙された!という観客が続出”の謳い文句通り、この仕掛けを見破れる人は相当な情報量をお持ちです。

 

 明らかに「ユージュアル・サスペクツ」は予告編の段階で予想できますが、やられちゃったのが「×××××××」。いよいよ核心部分のシーンでわざわざポスターを見せられたら、食いつくよね。そしてあっ、あいつそういえば×××××・××××に似てんじゃん!でもう頭の中は暴走、そうか「×××××××」「××××××」の路線で、「××××××××××」といった要素を入れたのか・・・。

 

 よって「×××」の遠い子孫だな!と勝手にニヤニヤして見事スカされるんだよね。そしてどういうオチなのかは、ご覧になってご確認いただくしかないんですけれど、チームワークムービーとして成立していることで全部許せる。ハッカー集団を積極的に応援はしないけど、彼らがイタズラしている連中の方が遥かに悪質。最初のお仕事がネオナチの集会をコケにすることなんだけど、実に痛快。

 

 ファシストが支配的な日本なら嫌というほどターゲットはある。劇場に向かう途中でニュースを目にしたけど、あのSEALDs代表への脅迫はホントに不快にさせてくれる。ここに登場する貧乏人のハッカーチームはただのウサ晴らしになるバーダーマインホフとは違い、ちゃんと金融業界やら製薬会社といった諸悪が巣食う組織をターゲットにしている。

 

 あくまで副次的ですけれど、こうゆう“今を感じさせてくれる”映画はありがたい。ジュリアン・アサンジもヨーロッパを股にかけて活動していますけれど(「フィフス・エステート/世界から狙われた男」)、そこに「グランド・イリュージョン」の要素を入れ、ちょっと「クロニクル」っぽい今風の登場人物、生々しい「ザ・タウン」などもご参考までにいかがでしょう。

 

 ヤキが回ったといえばヒロインのハンナー・ヘルツシュプルンクはあまりパッとせんなぁ、ドイツって「マーサの幸せレシピ」のマルティナ・ゲティック以来お気に入りが・・・などと思っていたらこの人の作品とっくに観ていた。2007年の「4分間のピアニスト」の主役で、帰って本作のホームページで確認してあんぐり。ヘレン・ミレン似の捜査官の方に目がいってたからねトホホ。

 

 今から合衆国でリメイクされるのも楽しみだけど、主演のトム・シリングは「コーヒーをめぐる冒険」が見たくなったし、バラン・ボー・オダーも気になる監督に登録。とは言っても予定が詰まっている昨今ザ・プラットフォーム:IT企業はなぜ世界を変えるのか?を読みはじめたけど、分かった気になるのも時間がかかる21世紀。ギャレス・エドワーズの「モンスターズ/地球外生命体」に近い体験だった、と後々思わせてくれるのかな?

 

現在(9/29/2015)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  23年の沈黙

 

 世界には未だ見ぬ才能が溢れている、という文句もくたびれてしまいましたが、次から次へと“オレの新作どうよ”と挑戦してくる人が尽きない映画は健康。もっとも本作の中身は少女の強姦殺人から始まるという、異常な現代の物語。女性殺害が描かれている作品は直近で「ザ・ウォッチャー」を見たんですけれど、アメリカ映画にはこの陰惨さがないことが分かる。

 

 漠然とした予感でしたが、ドゥニ・ヴィルヌーヴが近いかも?はそれほど的外れじゃなかった。新宿武蔵野館で観賞予定の「ピエロがお前を嘲笑う」のため見ましたが、「プリズナーズ」「複製された男」も新宿での観賞だった。かなり無理矢理な関連付けですけれど、せっせと劇場に足を運んでいることだし、そろそろ映画の神様にも微笑んでもらいたい。

 

 「マーサの幸せレシピ」「未来を生きる君たちへ」「ある愛の風景」などデンマークを代表する俳優ウルリク・トムセンは分かりやすい記号として機能する人。だから、犯人が誰か?は観客にだけ分かるモノになっている。ただし馴染みのないドイツ人俳優達か展開するドラマが、この新人監督の腕の見せ所。「GODZILLA ゴジラ」のギャレス・エドワーズ、「ジュラッシック・ワールド」のコリン・トレヴォロウなど人の演出に長けているからこそ仕事を任されてるんです。

 

 親子の刑事、23年前に娘を失った母親、失踪した娘を心配する夫婦など確かに少々仕込み過ぎなんだけど、実際の事件で発生するエピソードはこの程度で済むわけない。途中でオチが読みにくくなるのがこの監督の持ち味かも。謎解き、捜査に特化しないで、事件に遭遇した人々を描く、まさに「プリズナーズ」と並行してご覧になることをオススメです。

 

 新人監督がデビューを飾る選択肢がこの題材、というのが世相の暗さを物語っている。デヴィッド・フィンチャーの影響もあるでしょう、この種の異常犯罪は尽きるどころか日常的にすらなっている。「39刑法第三十九条」のDVDで監督の森田芳光が「もういい加減にしてほしい」とコメントしてから何年経ったのか・・・。科学捜査が進めばなくなるのではなく、尽きないから進化した科学、暗い世の中の証明なのだな。
オススメ★★★★☆

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