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シン・シティ 復讐の女神

  シン・シティ 復讐の女神

 

 2、3年前でしょうか、地下鉄大江戸線でタブレットPCを使ってコミックを読んでいる白人の若者を見かけたことがある。その時にあの機械はそういう用途には向いてるなと思ったものだ。漫画は昨今ホントに読まなくなって、是枝裕和「海街diary」を手がけると知って本屋さんに行ったけど、その行動というか習慣すら、過去のものになりそうです。だってタブレットにダウンロードするようになれば・・・。

 

 で、漫画だけでなくアメコミ映画からも遠ざかっている。昨年劇場に行って観たのは「アメイジング・スパイダーマン2」「300(スリーハンドレッド) 帝国の進撃」くらい。クリストファー・ノーランのバットマン3部作が良くも悪くも響いていて、“混沌とした21世紀の世界事情”が物語に反映されるようになった。結果として上映時間も長くなり、まるでエピック=史劇のようになってしまった。

 

 そこでアメコミ原点回帰の本作が登場というのはタイミングとして悪くない、なかなか商売上手です。いきなり冒頭からGAGAは儲かってるなぁと思ったら、ミラマックス社のクレジットがあったりでワクワクしてしまう(実に変な客だ)。前日に「シン・シティ」を見て準備万端、一見さん向けの前作ダイジェストも親切に挿入されてますが、第1作はオススメです。

 

 これは私めの勝手な解釈というか、見方なんですけれどジェシカ・アルバとジョセフ・ゴードン=レヴィットとジョシュ・ブローリンを各エピソードの主人公として捉えるとスッキリ楽しめるかもしれない。あまりにも豪華な面々が次から次へと登場で、レディー・ガガどこに出てんだろう?とかロザリオ・ドーソンは?とか落ち着かないですからね。

 

 とは言っても結局お気に入りだからエヴァ・グリーンに釘付け。ミッキー・ロークブルース・ウィリスを脇に、ジェシカ演じるナンシーが本筋なんだけど、毒婦に惑わされるしがない男のエピソードが中年にはピッタリ。まさに劇画、まさにグラフィック・ノベルですよ。「コンスタンテイン」「RED/レッド」もオッサン向け。最近見た「ロング・グッドバイ」みたいなものって、もう成立しなくなりましたから。

 

 最新技術を駆使して描いている割には、作品世界は実に古臭い。ただしハードボイルドを成立させるためには、画面からIT機器を削がないとお話にならない。散漫な印象があっても、やけにセリフが多いのも、コミックの世界を映像化しているんだから当然。主流のアメコミ映画には無理でも、このバタ臭さは得難い。英国発ですけれど、「ジャッジ・ドレッド」もご参考までに。

 

 お気に入りのジョセフも、不敵な面構をご披露。ミッキーブルースの2人も健在で、ジェシカ・アルバにもメロメロにさせてもらった(「ダンス・レボリューション」から10年以上かぁ)。現実を反映すると、勧善懲悪の物語は難しくなってきた昨今。分かりやすい悪役はTVにいっぱい映っているから、その面々の御尊顔を熱演のパワーズ・ブースと置き換えるのも一興です。

 

現在(1/16/2015)公開中
オススメ★★★★☆

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  シン・シティ

 

 どうもロバート・ロドリゲスとは相性が悪い。今のところお気に入りは「マチェーテ」なんだけど、肌が合わないというか、感覚がイマイチついていかない。もっともこれから再発見していくハメになる監督かもしれない。2005年に観ていたハズの本作はまるっきり記憶からデリートされていた証拠に、「コンスタンテイン」では“グラフィックノベルよく知りません”などと書いている・・・。

 

 で、もう冒頭からグラフィック・ノベルと宣言されている本作、長く難しくなっていったアメコミ映画に飽きたら紛れもなくコチラがオススメ。豪華なキャストは監督の才能に惚れたのか、内容の新しさに興味津々だったのか。後に「エクスペンダブルズ」で合流するミッキー・ロークブルース・ウィリスベニチオ・デル・トロもクライヴ・オーウェンもジョシュ・ハートネットもルトガー・ハウアーに至るまでさすが。

 

 物語の軸はジェシカ・アルバ演じるナンシーと、ブルース扮する老刑事ハーディガンの恋なんだけど、ミッキーのマーヴが罪の街=シン・シティを体現する主人公と言えるかも。原作者のフランク・ミラーまで悪ノリして登場で、クェンティン・タランティーノまで共同監督。特典映像のメイキングもオススメで、撮影風景は楽しげだ。DVDなんですから、ただ本編だけ見ておしまいなのはもったいない。

 

 「サイド・バイ・サイド」で触れられていたけど、カラリストの実力発揮が本作。無彩色だけだったら「ルネッサンス」止まりながら、モノクロ画面に色味を出す効果はなかなか。ふと思い出してしまうのは「ランブルフィッシュ」で、デジタル化していなかった時代でも出来たんだよねぇ、どうやったんだろう?映画オタクの監督ロバート・ロドリゲス、フランシス・フォード・コッポラへのオマージュだったのか?
オススメ★★★★☆

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