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Re:LIFE〜リライフ〜

  Re:LIFE~リライフ~

 

 激しい戦いの果てに安らぎを得るカットニスの物語の後は、若い頃はイケイケだったのに行き詰まって、どうしていいか迷ってる大人のお話。“いいトシして、何だそりゃ”と20代だったら鼻にもかけなかった映画は、中年になると優先順位が上がります。ヒュー・グラントが出ている現在公開中のもう1本、「コードネーム U.N.C.L.E.」よりもね。

 

 それにしてもけっこう観てきました「僕が結婚を決めたワケ」辺りからですかねぇ、大人坊やの自分を見つめ直す作品。直近で「しあわせはどこにある」があって、「LIFE!」も絶品だった。女性版ですと「食べて、祈って、恋をして」「幸せへのまわり道」などか。自分を取り巻く環境が激変しているし、対応する時間、体力が限られてくると疲れる今日この頃(現時点5)、需要はまだまだありそう。

 

 スランプに陥った作家は「舞台よりすてきな生活」を最近見ましたが、皮肉屋が隣の女の子に救われるという内容。主人公が鳴かず飛ばずの脚本家、という部分は近いけれど、大きな違いはなんといってもトシの差。本作のヒュー・グラントは五十路ですから老眼入っちゃってて、何か読む時も離したりして。でも、ちゃんとそういう描写を入れているのがエライ。2つ年下のトム・クルーズ老いからは程遠いですけれど。

 

 あの「ノッティングヒルの恋人」「トゥー・ウィーク・トゥー・ノーティス」から、月日は確実に流れていることを見せてくれるヒュー・グラント。カムバックねたは「ラブソングができるまで」も良かったんですけれど、もっと先に進んでいて微笑ましいくらい。もっとも色男の片鱗を本作でもご披露で、いきなり生徒とナニしちゃうトコを入れられるのも彼ならでは。

 

 先生とデキちゃう生徒役のベラ・ヒースコート、すっかり忘れてました。「ダーク・シャドウ」で私めも触れてます。こんな感じで“いやはや監督の目のつけどころに感服。「ファミリー・ツリー」のシャイリーン・ウッドリーがそうであるように、彼女もどんどん出世していくでしょう”。本作でこの人が成長過程にあることを確認。もっとも中年がニヤニヤしたのは、彼女を踏み台にしてキラリと光ったマリサ・トメイ

 

 脇役はさらに充実していて、「セッション」の怒れる鬼教授=J・K・シモンズも美味しい。「ビンテージ・ラブ 〜弟が連れてきた彼女〜」もなんだけど、外見はそんなに変わりませんし、コチラでは元海兵隊員ですからマッチョというキャラクター。ところがそこを逆手にとって笑いをとってしまう。「最短で25秒だぜ」という涙もろさが良いのだ。

 

 マリサ・トメイ演じるシングル・マザーとのお話を突っ込んでも良かったんだけど、本作のテーマは“教えることに目覚める中年”だから、あえて外していて正解。あくまで岐路に立つ男キースの物語。なかなか息子に電話をかけられない部分が「スティーヴとロブのグルメトリップ」のスティーヴ・クーガンっぽいけれど、そこもうまくかわしている。

 

 “師と弟子”というテーマだと“家族の絆”の前には霞んでしまう(「エール!」)、よって実にうまい処理。いい加減な新米教師でも、脚本家として生きて来ただけに“見る目”はある。ジェーン・オースティン(「プライドと偏見」)を敬愛する先生をコケにしたり、生徒を顔で選んだりとデタラメ三昧ながらも才能のある生徒を見つけ、それを伸ばすことに喜びを見出していく。

 

 モノは捉えようで、ギラギラのロサンゼルスからすれば田舎町のビンガムトンだって悪くない。夜景でピンときましたが、「昼下がりの背徳」「マダム・マロニーと魔法のスパイス」が近い印象かなぁ、アレがパッと思い浮かんだのもポツポツと灯る光がね、適度で目に疲れない。早い話が観ているコチラもトシ取ったわけですけれど、星の数ほど価値観は多様だと分かるご時世です、“自分の道を見つけた者”は幸せだ。

 

現在(11/20/2015)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  飛べないアヒル

 

 てっきり原題のTHE MIGHTY DUCKSが邦題にも入っていて「マイティダック/飛べないアヒル」と長いこと記憶していた。ところがパッケージソフトのタイトルはただの「飛べないアヒル」。長年やってきたのに、レンタル屋で探し回るとは恥じ入るばかり。作品が始まると原題もCHAMPIONだったりして、唖然とすることに遭遇することが日常になりそうで怖い。

 

 さて、タイトルにもなっているだけに、QueenのWe Are The Champions もかかりますが、なんとMarky Mark&Funky BunchのGood Vibrationsもかかります。「ドン・ジョン」のテーマ曲は92年の本作では新曲。さらに発見は続き、子供たちがイタズラしている場面に感じ入ってしまった。昨今そんなシーンはお目にかかったことがない。もちろん中身も忘れ去られた大雑把なスポ根もの

 

 前置きが長くなりました。物凄く雑に出来てて、今のネット上の批評空間なら瞬殺されそうなのに、オッサンニヤニヤしながら泣いてしまいます。だから定番のこの種の作品は、手を変え品を変えしながら絶えることはない。主人公は誰でも良さそうなエミリオ・エステベス。この時期ならトム・クルーズでもケヴィン・ベーコンでもよろしい。鼻っ柱の強い若造がガキのお守りを通じて成長。

 

 ただテーマは全く違いますがこの時期の作品で「摩天楼はバラ色に」が1番だったなと振り返ってしまいます。でもさ、アイスホッケー版「がんばれベアーズ」なんだけどさ、似たような作品を並行観賞すると時代記号が浮き彫りになって、副次的に楽しめる。「プロヴァンスの贈りもの」だって関連作だよ。よって中年のラッセル・クロウとエミリオのラストの違いが楽しめる。中年だったらぶどう畑でのんびり余生を選択。まだ若ければ再起をかけて旅立つってな感じで。
オススメ★★★☆☆

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