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プリデスティネーション

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 “レナード・ニモイが亡くなった”との一報があったのは、2/28だった。最初の「スター・トレック」でスポックを演じ、以後リブートにも顔を出すあのシリーズには不可欠な人物。彼の監督作もあって、タイムパラドックスがテーマのW(「スタートレックW故郷への長い道」)はお気に入り。たとえ「ザ・コーヴ」に異論のある日本人でも楽しめる。80年代の世界も拝めるし、「her/世界でひとつの彼女」との関連でも。

 

 そしてひな祭りの本日、桜木町のブルク13に来ると「機動戦士ガンダム THE ORIGIN I」の上映開始を待つ人でロビーは埋まっている。アニメ関連のグッズ売り場も設けられていたりして、平日の朝なのにさすがだ。去年の「機動戦士ガンダムUC episode 7 虹の彼方に」で告知されてたけど、私めにとってガンダムはもう見納め。「シドニアの騎士」の方が気になる今日この頃(浮気性だよなぁ)。

 

 前置きが長くなりました、「デイブレイカー」のスピエリッグ兄弟の新作ですから期待できます。前作では体裁が吸血鬼映画だとしても、“資本主義の成れの果て”を背景に描いた。続いてタイムパラドックスに挑戦とは、ニクい選択。“兄弟監督に旨みアリ”の傾向は継続中で、ウォシャウスキー姉弟の「ジュピター」も公開されるし、コーエン兄弟「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」も絶品だった。

 

 さらに共犯関係というかなんというか、イーサン・ホークも無視できない作品に連れてってくれる役者さんになりました。昨年の「6才のボクが、大人になるまで。」だけでなく、「フッテージ」も当たりだったし。さらに待機作の“GOOD KILL”は監督がアンドリュー・ニコルですから、見逃すわけにはいかない。マスメディアがダメだなんて嘆いている暇ありません、時代は秒進分歩。

 

 しかしそんな昨今の流れを逆手に取った戦略で、この作品は成功している。原作に「スターシップ・トゥルーパーズ」のロバート・A・ハインラインを持ってきたことがその主たる要因で、時代背景を主に70年代に設定したこともまた然り。「太陽の帝国」が有名でも、「クラッシュ」も書いてるのがJ・G・バラードで、SF作家が内包するインナースペースはネタの宝庫。

 

 そしてタイムパラドックスだからといって、時代背景を今より先の未来に設定しちゃうとズッコケる公算は大きい。比較対象にするのは気の毒なんだけど、「サウンド・オブ・サンダー」がモロ。IT機器の発達は急速で、21世紀の我々はSFの中に生きている。だから本作に近いテイストはフィリップ・K・ディック原作の「アジャストメント」がオススメです、チョットゆるい感じも含めて。

 

 なんで長々と物語に触れないかというと、タネを明かすともう台無しになってしまうからです。絶品だったのはもちろん初顔見せのセーラ・スヌーク。この人が演じるのが両性具有者だったら、観客は“腑に落ちた”かもしれない。ただし物語全体がタイムパラドックスだけに、“アレってどういうことだろう?”というモヤモヤが残る。それでもラストにはアッと驚かされますので、ぜひご覧になってご確認を。

 

 「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「記憶探偵と鍵のかかった少女」「バニラスカイ」にも出てくるから、ノア・テイラーが分かりやすい記号。この配置も監督の戦略なのか?映画好きへの配慮なのか(こうやって嬉々として書けるからね)。原作のエッセンスは輪廻転生で、21世紀の要素を排したことで、タイムパラドックスものとして機能してくる。「ミッション:8:ミニッツ」も4年前かぁ、面白いネタなんだけど、数が増えるとひと工夫しないと難しい。

 

 70年代だったらまだ政府が影で進行しているプロジェクトには説得力がある。「ライトスタッフ」の頃なら、信頼という概念が生きていて人々はその結果を後で知っても問題はなかった。そういえばニクソンは「フロスト×ニクソン」で“信頼をなくしてしまった”ことを悲しんでいた。この作品が未来としているのは80年代までで、観客は“時間の旅を通じて数奇な運命を体験する主人公”と体験を共にすることができる。

 

 ホントは不可能なんだけど、何でもかんでも“解明した気になりたがる”21世紀。“そんなの全部知ってるよ”というお客さんに、説得力のあるホラは膨大な作業量が必要になってきた。伝えたいことは同じなんだけど、「エクソダス:神と王」になっちゃう。でも時代設定を変えて、テーマ(タイトルのプリデスティネーション=死生観)を浮き彫りにして、上映時間97分でまとめてしまった本作は得がたい。フードムービー「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」の方がよほどSFしてるのだ。

 

現在(3/3/2015)公開中
オススメ★★★★☆

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  サウンド・オブ・サンダー

 

 ピーター・ハイアムズはどうも“ババを引いてしまう”映画監督なのかも?という気になって、ますます掘り下げて作品を見たくなる人。「2010年」にはとっくになくなっている米ソ冷戦が継続していて、コチラは時代設定が2055年なのに、IT機器の要素がスッポリ抜け落ちている。じゃあ楽しめないか?いえいえ、ヒネクレた態度かもしれませんが、埋没させちゃうほど悪くない。

 

 原作のチョイスも失敗作が運命だったのか?のレイ・ブラッドベリ。あの「華氏451」の人で、フランソワ・トリュフォーが映像化をしましたがラストには???となった。ところがアレはトシを取ってもう一度見たくなる魅力がある。コレも以前に見たんですけれど、“止めとこう”という気にはならない。再見する価値はあって、エドワード・バーンズ(「崖っぷちの男」)が主人公だからかもしれない。

 

 本作で警鐘されているメッセージは“行き過ぎた企業活動が、全人類を滅ぼしかねない”で、形を変えて今も存在する。未来は“おぞましい進化を遂げた生き物がうようよ”は「タイムマシン」に近いし、「猿の惑星:新世紀(ライジング)」がピカピカの商品として提供されている。多様な楽しみかたがあって良いではありませんか、TVじゃあるまいし観客の見る角度は色々なのが映画。

 

 微笑ましいのは発達段階にあったCG、原作のエッセンスを強調するための自動車などで、「タイムコップ」でもムムムとなるんだけど、かつての人々が夢想した未来像それも詩的なのが原作者の持ち味だからして。“バタフライエフェクトが時の流れに影響する”とか“実現しなかった”未来ものとして一弾屈折した見方、映像資料として、カチッとした作品に飽きたらいけるかもしれません。
オススメ★★★☆☆

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